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スパスパという意味は異なるスパスパ人間学

2005-04-07 23:13:22 | 社会
健康増進法

持ってないと買えません、たばこカード08年導入

(※TBS『スパスパ人間学!』は終了してしまいましたが)


余りに馬鹿げている。そう感じたのは、私が喫煙者だから、だけではない。
全世界的な流れの反喫煙キャンペーンは、「個人の自由と権利を侵害する危険なものにつながりかねない」という認識を非喫煙者・嫌煙者の方々にもして欲しいと思う。


まず、たばこカード導入予定のニュースより先に、上の「健康増進法」をご覧頂きたい。その第二条にはこうある。
【第二条 国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。】

これを読んだあなたが何の異常さも感じないなら、イデオロギーの罠に嵌って感覚が麻痺しているに違いない。

この条文が何を言っているのか。
「あなたは、国家が定める『健康』に外れるような生き方をしてはいけません。そういう趣味嗜好も持ってはいけません」と言っているのだ。

日本国憲法においては、第十三条で個人の尊重・命・自由・幸福追求の権利の尊重を、第二十五条で生存権について謳っている。(*注1)

我々国民は、健康な生活を送る"権利"があるんです。ジョン・カピラ風に言えば、「健康のことを考えちゃっていいんですか?-いいんです!」、すなわち、そう"してもよい"と許され認められているものが「権利」である。
「して"も"よい」だから、「しなくてもよい」で、権利の行使についてはあなたの自由ですよというのが「個人の尊重」である。

ところが、健康増進法では「してもよい」ではなく「しなければならない」と義務にすり替わってしまっている。明らかに憲法十三条にも二十五条にも違反している、個人の自由を侵害しているとんでもない法律なのだ。

これが行き着く先は、ナチスドイツ、ヒトラーでしかない。
「おまえの身体は総統のもの」というスローガンを掲げ、コーヒーは飲んじゃいけない酒も飲んじゃいけない煙草も勿論吸っちゃいけない肉類はできるだけ控えろガン検診は義務だ・・・」とやって、それが優生学を生み、精神病患者や障害者への強制不妊手術と安楽死を行ったのは周知の事実である。

だから私は「危ない」と冒頭で書いた訳だ。


さて、煙草のことに立ち返れば、憲法第二十五条で個人の自由や幸福追求の権利を保証されている以上、「喫煙権」も認められるべきである。

同様に、「嫌煙権」も認められるべきものであり、「公共の福祉に反しない」=「副流煙によって煙草を吸わない人間に害を及ぼしてはならない」も守られるべきである。

だから、「タバコは嫌いだ」とか「嫌いな・吸わない人の前でスパスパやるな」という主張は喫煙者は受け入れなければならないが、一人でおとなしく吸ってんのに「タバコは悪だから吸うな」とまで主張される謂れはない。

「きちんと分煙しましょう」だけでいいのであって、JTだって金使うならその対策に使うべきだ。分煙機を作っているメーカー(*注2)はちゃんとあるが、例えば「タバコの先に取り付けると副流煙を殆ど無毒化できる小型フィルター」の開発とか。「煙の少ないタバコ」は既にあるけど、全銘柄からすればまだまだ少ないし。

身分証と写真を送ってICカード作ってそれがないと自販機で煙草買えない?それじゃ"許可制"ってことじゃないか!しかもそうする根拠が未成年者の喫煙防止対策??別にカード持ってる大人利用すれば吸えてしまうじゃないか。阿呆らしい。


喫煙が「悪」というレッテルを貼り駆逐するのは、モータリゼーションや食品の安全性等の問題から目を逸らさせる国家的なスケープゴート作りでしかない。
民主主義をしてないイラクは悪だといって戦争始めたアメリカや、竹島や尖閣諸島の領土問題について理性的に話し合おうともせずナショナリズムを煽らせたままにしておいている韓国や中国と根っこは同じである。


「健康」が個人の恣意性の権利として自由なものである以上は、煙草だって受動喫煙の害という一点さえクリアできるなら、全く「善悪」で語られるべき問題ではないのである。

そこまで人にお節介するなら、「高カロリー低蛋白のファストフード、インスタント食品の販売を禁じる法律」とか「目によくなく運動不足になるパソコンやゲーム機の販売を禁じる法律」とか作ってみせろってんだ。





*注:
(1)
日本国憲法
☆第十三条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする
☆第二十五条1
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

(2)
例えばココ(↓)。
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