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防音業界の警鐘をユーザーに伝える

本業のウェブサイトだけでは伝えることができない防音情報やウェブページのDIY構築についてランダムに投稿します。

通販サイトの簡易防音パネル

2019-09-13 10:32:02 | 防音情報
先日、地方のある契約者に「簡易防音パネルを使った引戸」について相談されたのですが、防音引戸という製品は最近、メーカーが生産を止めてしまったようで、既製品がネット上に出てこなくなったのです。

その契約者がネットで見つけた「簡易防音パネル」についてですが、よく見ると遮音性能の保証値(想定値)が明記されていなく、ただ誰でも簡単に取付け可能とだけ説明されていました。
*その業者は過去にも誇大広告製品を販売していました。

このため、契約者に販売業者に必ず性能保証を付けてもらうようにアドバイスしましたら、なんと「保証する性能は15~20dB」という回答があったそうです。

これでは何のための防音対策なのかわかりません。普通の木製引戸でさえ、その程度の性能が有ります。しかも、その簡易防音パネルを使った引戸セットは約14・15万円するということでした。
*通常の木製引き戸本体は、その半額です。大工なら枠材や取付け費用を含めても10万円程度で出来ます。

その契約者は、驚いて購入を止めました。

防音製品の通販サイト・業者は怪しい製品を平気で販売するので、要注意です。
しかも、この業者はキーワード検索で上位に出て来るので、被害者は結構いるのではないでしょうか。

市販の防音材は供給過多

2019-09-06 13:35:22 | 防音情報
ネットで防音材を検索すると、色々な製品が出てきますね。

私の本業で使用する防音材は受注生産品で、大半が在庫のない卸売専用の製品です。このため、一般の個人ユーザーは直接メーカーには注文できないのです。

それで個人ユーザーは、通販サイトから防音材を注文します。ところが、通販サイトには多様な製品が掲載されており、どれを選んだら良いのか、判断が難しい。
しかも、具体的な効果が実例をもとに説明されているわけではないので、選ぶのが難しいのです。

私がネットで検索した限りでは、類似した製品が多くて、供給過多になっているようです。そのうち、効果の乏しい製品は淘汰されて消えて行くでしょう。

消費税が10%になると、どの程度値上がりするのかは、メーカーによって差があり、予測は無理です。

ですが、送料は間違いなく値上がりします。有望な製品を見つけたら、9月中に荷受けしたほうが良いと思います。
*販売業者に質問して、具体的な効果を確認してから注文してください。

現状では、新しい製品が必ずしも売れ行きが良いわけではなく、実績がない分だけ、評価する根拠が少ないのです。

やはり、実績のある防音材を購入したほうが無難だと思います。
*参考:役立つ防音メモ

防音工事見積り会社の紹介

2019-08-30 06:28:22 | 防音情報
防音工事の見積り会社は、基本的に防音設計を知らない素人が運営しています。

建築工事会社を加盟店として募集し、見積り依頼をしてきた施主を紹介したり、契約の出来高で報酬をもらう会社です。

当然ですが、報酬(手数料)が防音工事会社の見積金額に含まれますので、その分、意味のないかさ上げ金額が出てきます。

しかも、紹介される建築会社は防音工事や防音設計の実績のない業者が大半です。
ほぼ間違いなく、大手防音建材メーカーの製品を張り付けたり、グラスウールを使用する仕様を提案してきます。

それは、音響・防音設計のノウハウがないから、既製品を張り付けたり、吸音効果の乏しいグラスウールを多用するのです。

なかには、遮音パネルすら使用しないで、石膏ボードを二重張りするお粗末な業者もいます。

防音工事の相見積を依頼するなら、事情を説明してから防音設計・施工の専門業者に直接依頼するべきです。

もちろん、値段だけで判断すると防音効果に問題が生じますので、留意しなければなりません。
*有料コンサルティングを依頼して、セカンドオピニオンにチェックしてもらう方法もあります。

遮音パネルと石膏ボード(防音室)

2019-08-24 18:05:33 | 防音情報
新築住宅、戸建住宅などの木造建物において、特に音楽防音室(シアター室含む)に向かない製品や工法が有ります。

それは、鉛の遮音パネルと石膏ボード二重張りです。

前者は比較的高い周波数の音が抜けて行くだけでなく、反射音が強くなり音響が悪化します。

後者は費用は安いのですが、低い周波数と高い周波数の防音効果が伸びず、音響も悪くなります。

どちらも硬質の素材のため、コインシデンスなど特定の周波数帯の弱点が顕著になる傾向があります。なので、こういう仕様・工法で音楽防音室(ピアノなど)を造ると問題が起きます。

ちゃんとした専門業者なら使わない製品・工法の典型例なので、契約する前に見積書や計画書をじっくりチェックしたほうが良いです。

木造防音室は、石膏ボード自体は最小限にして、防音材と木製品、吸音材を使う工法が普通です。

石膏ボード二重張りやグラスウールを多用する業者は、利益優先型の専門業者です。製品そのものが安いので利益が大きくなります。遮音パネルを多用する業者は技術力が乏しいです。

防音の専門業者が選び抜いた製品?

2019-08-14 07:21:32 | 防音情報
ときどき、防音の専門業者が選び抜いた製品という説明を見かけます。

しかし、閲覧すると、ものすごい数の製品が並んでおり、何を選んだら良いのか?私でも分かりません(笑)。

選び抜いたということは、遮音材・制振材・吸音材のそれぞれの機能別にいくつかの製品を推奨するものだと思っていましたが。

要するに、そのような通販業者は防音の専門家ではなく、市販品を売るプロだったのです。
*売れれば何でも良いのでしょう。

具体的な活用方法も明示されていないので、余計にユーザーは何を選ぶべきか判断できません。
*しかも具体的な効果について説明がない。

スーパーの野菜や果物と同じで、食べてみなければ分からない。

現在、防音材やボックス型防音室を販売している会社は、防音設計・施工のプロではないことが多く、大半が昔の商事会社や工務店、建材問屋など代理店だったのが衣替えした業者です。

防音設計歴約25年の私が、業界の老舗とまで取引先に言われるような世界ですから、大半が後発の業者です。
*歴史が浅いのです。