goo blog サービス終了のお知らせ 

防音業界の警鐘をユーザーに伝える

本業のウェブサイトだけでは伝えることができない防音情報やウェブページのDIY構築についてランダムに投稿します。

防音対策を不動産コンサルに相談しても意味がない

2019-11-26 12:20:40 | 防音情報
やたらとマンションなどの記事に登場する不動産コンサルタントだが、ほとんど役に立たないコメントを残すだけで、売名記事のような投稿が多い。

中には、マンションの生活騒音の調査を不動産コンサルタント(建築士)に依頼したら、問題の原因も対策も分からずに、調査費用だけはしっかり請求されたという事例が少なくない。

住宅の設計を担当している建築士でさえ、防音対策の提案が出来ないのに、不動産コンサルタントに調査を依頼しても費用の無駄です。

情報掲示板のアドバイスを見ても、不動産コンサルタントは、ほかの情報サイトのコンテンツをそのままコピーして貼り付けているだけで、自分の実績や経験でアドバイスをしているわけではないです。

また、騒音調査は専門業者が多いですが、具体的な防音対策を提案できる専門家は非常に少なく、単なる調査会社であり、解決には結びつかないことがあります。

ちなみに、騒音調査は簡易測定では無理ですので、周波数別の精密測定を実施しないと評価は出来ません。

防音材の単価が値上がりしてきました

2019-11-14 08:50:34 | 防音情報
消費税率がアップした分、防音材の単価が値上がりするのは当然だと思います。

しかし、同じ製品について通販サイトを検索すると、大分単価に差があります。遮音ゴムマットや遮音シートを色々と検索しましたら、単価が数百円以上の差がありました。

これは比較的大きな防音室を施工する場合には、今までの経験上、910×910サイズに換算すると200枚以上の防音材が必要になりますから、6万円~10万円弱の差額が出ます。

数種類の防音材を使用する場合は、これの数倍の金額が無駄になるわけです。

ちなみに、私の担当現場で使用している厚さ2.4ミリ(910×2400、1巻)の遮音シートは税込み単価が約5500円です。

これを2倍以上の単価で販売している業者が数社ありました。

このように、製品を検索する際に、有名通販サイトや大手業者だから大丈夫という思い込みは、思わぬ無駄遣いになります。防音材の見積りは数社に依頼してから決めたほうが良いと思います。

厚さ2.8ミリの遮音シートについて

2019-11-04 07:55:45 | 防音情報
厚さ2.8ミリの遮音シートを壁に張り付けたユーザーから相談を受けました。

多少効果はあったものの、隣室の家族の声が夜間に気になるということで、使い方と上記製品について調べてみましたら、防音材の面密度不足と、つなぎ目の処理が問題でした。
*面密度:約4.2kg/m2
*つなぎ目のシールがない

この製品は施工要領がまずいのと、厚さ2.8ミリの割には面密度が低いことが大きな問題です。
*私の扱っている遮音マットは厚さ3ミリで、面密度約6.1kg/m2あります。高密度遮音シートは2.4ミリですが面密度が約7.9kg/m2と、その差は大きいです。

遮音材は面密度(比重)とつなぎ目処理が重要であり、相談者が購入した遮音シートは普通の遮音シートよりも大分厚いのですが、性能不足です。
*値段が比較的安いのが取柄でしょう。それと、大半の通販サイトで販売しているので入手しやすい。

たぶん、多くのユーザーが知らないで使用していると思います。

私は自分の現場で使用している製品をPRして販売したいとは思っていません。
本業が設計・コンサルティングですので、製品はあくまで自分が担当する現場で使うことを前提としています。

あくまで個人ユーザーに依頼された場合のみ、多量でなければお分けしています。

無料相談のリスク

2019-09-26 16:40:39 | 防音情報
防音室や防音工事を専門とする大手業者は無料相談という宣伝をしていますが、大半が自社のモデルルームや防音製品の紹介が中心です。

具体的な生活騒音対策や音楽防音室の設計というより、防音工事の概算を提示することが多く、セカンドオピニオンのようなアドバイスは殆どありません。

ただし、モデルルームにおける防音性能や音響の体感は参考になります。

出来る限り情報を集めることは、新築の計画などの資料にはなりますので、そのつもりでヒアリングをすると良いでしょう。

大きな看板の有名企業だから安心ということはないのが、この業界の問題です。

やはり、無料相談には限界があり、当然、防音工事や既製品のボックス型の防音室などを勧められます。中には概算見積りや計画書をもらっただけで、営業電話などをしてくる業者も居ますから、安易にメールや電話番号を教えないほうが無難です。

ただより高い物はないと言いますから、慎重にヒアリングや情報収集を行うべきです。

真剣に問題を解決するつもりなら、有料相談などセカンドオピニオンを活用したほうが良いと思います。

私の仕事場でも無料相談でアドバイスすると、その情報を入手したとたん連絡が途絶える人が居ますが、にわか仕込みの情報だけで成功するとは思えません。

リフォーム業者がピアノ室を台無しにした

2019-09-21 08:23:17 | 防音情報
先日、相談を受けたピアノ防音室ですが、リフォーム業者が床下補強になどに失敗して、ピアノ教室を台無しにしたようです。

施主が依頼した建築業者ですから、仕方ないのですが、私が相談を受けた時には工事が完了した後であり、手遅れでした。

ただし、壁の遮音性能は私が手配した防音材と施工要領によって現状の音漏れを大幅に改善できました。

問題はリフォーム業者が失敗した床の補強が不十分で振動しやすい構造になっていると考えられ、これを根本的に改善するには床を解体して再工事を行うしか他に方法がない。

砂上の楼閣と同じで、土台が不安定であれば、防音材だけでは大幅に改善することはできません。

最後の手段としては、床を制振・絶縁できる防振台を製作して、その上にグランドピアノを載せるしかないでしょう。

いずれにせよ、ご予算を使い切った施主には、しばらく対策を行う余力がありません。

餅は餅屋という言葉がありますが、音楽室は専門家に任せたほうが無難です。