院長日記

ねむのき皮膚科院長の備忘録。たまに更新。

「しみ」って気になりますよね!?

2007-11-28 | 皮膚の美容

しみって気になりますか。

私は、以前はそれほど気にならなかったのですが、年齢的にしみが増えてきて、さらにもともとホクロも多いことから、子供の患者さんに「先生、しみが多いね」と、ときどき言われると微妙に落ち込みます。

2年前に勤務していた病院で新しいレーザーが入った時に、試しに左ほほのしみを照射してもらったのですが、1か月後にはほとんどわからなくなって、結構嬉しかったです。

当院にも、しみの治療を希望されてこられる方も多く、老若男女を問いません。皮膚科医として、かゆみ・痛みを治すだけではなく、見た目を良くすることも大事と考えて、しみにもしっかりと取り組んでいきたいと思っています。


にきびってどうしてできるの

2007-11-27 | にきび

にきびで悩まれている患者さんは本当に多くて、男女問わず、年齢も小学生高学年から40代の方までと幅広いです。

にきびは、毛穴にある脂腺という場所で起こる病気です。男性ホルモンが活発になると脂腺が増大して白ニキビとなり、増大した脂腺でアクネ菌が増えると赤ニキビとなります。

男性ホルモンがいっぱい分泌される思春期に、にきびができやすくなるは上記のとおりです。また、25歳以上の女性で口のまわりに難治なにきびができる場合は、ホルモンバランスが崩れて男性ホルモンが過剰になっていることがあります。

治療戦略としては、赤にきびはアクネ菌による細菌感染なので、抗生剤の外用や内服が有効です。白にきびは脂腺の増大なので、脂腺の活動を抑えるためにビタミンB群、抗男性ホルモン剤の内服を行います。また、毛穴がふさがらないように、洗顔やイオウ製剤の外用も行います。

さらに来年になるとアダパレンという、にきび予防効果とにきび跡も改善させる薬剤が医薬品として認可される予定です。アダパレンによってにきび治療は大きく変わると思います。


寒くなってきました

2007-11-20 | 日記

寒くなってきました。

皮膚科の病気は季節によって偏りが大きく、春先から夏にかけて、あせも、虫刺され、とびひ、水いぼ、水虫の患者さんが多くなり、涼しくなって空気が乾燥してくると乾燥性湿疹、アトピー性皮膚炎の増悪にて受診される方が、さらに寒くなると、しもやけ、血行障害にて来院される方が増えてきます。

そういうわけで現在は、乾燥性湿疹の患者さんが一番多くなっています。

ちなみに、私も今、膝から下が乾燥して痒くて、湿疹の薬を塗ったばかりです。


いぼ

2007-11-16 | こどもの病気

「いぼ」は、ヒトパピローマウイルスが皮膚に感染してできる、表面がぶつぶつした小さなできものです。小さな傷から接触にて感染するため、小児の手足に多いですが、大人の患者さんも少なくありません。

現時点ではウイルスだけを殺すような特効薬はなく、ウイルスが感染した細胞を物理的に取り除く治療が主流です。

最も一般的に行われるのは冷凍凝固療法で、マイナス195度の液体窒素で患部を凍らせて感染細胞を破壊します。手背などの盛り上がったいぼでは有効ですが、かなり痛いので小児は怖がるのと、足底はなかなか治らない印象があります。

それ以外の治療には、薬品によって科学的に感染細胞を破壊する方法、炭酸ガスレーザーで焼却する方法、免疫賦活療法などがあります。

当院では、上記の治療を組み合わせて、なるべく痛くないように、早く治るようにしています。

また、1回の治療で治ることは少なく、何回かの治療を要することが普通です。


アタマジラミが増加中

2007-11-13 | こどもの病気

最近、アタマジラミが保育園・幼稚園などで集団発生しており、毎日のように患者さんが来院されます。

保育士さんに指摘されて来院することが多く、ほとんどのお子さんで、虫卵を顕微鏡にて確認できます。

教科書的には、市販のスミスリンシャンプーを3,4日に1回、計4回もやればよいと書いてありますが、実際はそれでも虫卵が残っていることがあり、シーツの洗濯などもあわせて保護者の方の負担は大きいです。

最近はスミスリンに対して耐性をもつアタマジラミも増えており、スミスリンを使用する日以外にも、入浴時に毎日シラミ専用のくしで髪を梳く、お風呂からあがったらドライヤーをかけて、さらに虫卵が残っていないか確認をすることが大切です。昔はこれを「虱潰し」といっていたわけです。

また、それでもシラミが駆除できない場合は、幼稚園・保育園内あるいは家族内で、再感染している可能性を考える必要があります。


にきびと食事

2007-11-09 | にきび

チョコレートやナッツなど糖分・脂肪分の多いものを食べ過ぎると、にきびができやすくなると一般的に思われています。

私も、思春期のにきびがいっぱい出ていた時期は、食べたくても我慢した記憶があります。

実は、特定の食べ物によって、にきびが悪くなることに科学的な根拠はありません。生理学的に脂肪分の多い食事をとることと、顔面の皮脂分泌量が増えることは別経路であり、にきびは食事の影響を受けないとされています。

経験的に特定の食べ物をたべるとにきびが悪くなるというものがあれば避けたほうがいいですが、基本的にはバランスのよい食事を心がける程度でいいと思います。


アトピー皮膚炎は治りますか?

2007-11-04 | アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の患者さんから、いつになったら治りますかとよく質問されます。皮疹が見えること、かゆみが続くことは、本当に辛いと思います。

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下しやすい体質の方に起こる病気です。体質は遺伝的に規定されているため、簡単にはかえられません。

その意味で、治りますかとの質問に対して、残念ながら完全になくなることはありませんが、年を重ねるたびに症状は軽くなることが一般的であり、その間はうまく付き合っていきましょうと説明しています。

実際、小児は、皮脂の分泌が盛んになる思春期頃までには軽快することが多いです。また、成人しても続いたり、就職・転居などで一時的に症状が再燃することはありますが、40代の患者さんは少なく、50代以降の患者さんはほとんどいません。