ミケ猫の菌星探査機(きのこ日誌)

全力で飛んでく・きのこブログ

おばあちゃんの笑顔

2015-05-27 00:44:04 | 日記




奥伊吹のおばあちゃんのことを思う。

同じような山奥の、すぐ隣のとなりの集落で生まれ育って嫁に来た。

すごく人懐っこくて優しい、確かに田舎の人は心に住んでいる人の数が少ないから

自分以外の人への関心がすごく強い。

昔、松茸で大儲けして二回もええ旅行に連れて行ってもうたんよ、とおばあちゃん。

なんと枚方大菊人形を二回も見せてもうたんよ、と嬉しそうに言った。

枚方大菊人形は大阪の枚方市にある古いちいさな遊園地、ひらかたパークでやってる菊人形展。

わたしも幼稚園のとき、西宮に住んでたおばあちゃんと見に行ったなあ。

大阪人ならひらパーといえばひらパーにーさんと即座に帰ってくるマスコット兄さんがいる(V6の岡田さん)。

この人にとっての人生二度の大旅行はひらパーなのか…








赤く日焼けした顔のおじいちゃんが軽トラから降りてきて私の顔を確認しに来た。

ぼろぼろの作業ズボンによれよれのシャツ、

にやりとしてからゆっくりしってって、と言葉少なに離れていった。

赤い顔は大酒飲みの証、私の酒屋だったおじいちゃんもいつも赤ら顔だった。

山奥ではの打つことも買うこともできないから娯楽はもっぱら呑むことだ、

寄り合いにかこつけて、なんやかんや理由をつけては集まって呑む。

そんなだんなさんのことを地べたに座ってニコニコ顔で眺めるおばあちゃん。

おじいちゃんの運転する車が移動手段のおばあちゃん、確かにおばあちゃんの人生は小さな世界でしか

広がってこなかったのだろう。でもその分幸せが濃縮されてる感じ。

前、松茸のことを聞いた別のおじいちゃんは伊吹をでてまず彦根の近江高校にいってから

東京の財閥系の繊維問屋で働いたあと、退職して地元に帰ってきた方。

着ているものは小奇麗な感じで、知的な感じがした。でもあまり幸せそうには見えなかった。

外の世界を知って、こんなとこ…という思いが湧いてきたのだろう。

おばあちゃんの幸せそうな笑顔に触れさせてもらったのが正直一番うれしかった。








伊吹から仕事のために大慌てで車を走らせていた間、なんだか胸が苦しかった。

なぜだか泣きたくなった。

私はおばあちゃんに、おばあちゃんが私に接してくれたように接することができなかった。

どこかよそよそしい喋り方をする自分が嫌だった。

わかってる、自分は…

…今でもちと胸が苦しい。




もう一度カメラを持っておばあちゃんのところに行きたい。理由は…お分かりですよね。






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