馬場俊英 LIVE TOUR 2012 ～スーパーオーディナリー～

友人の影響で馬場俊英さんの音楽を聴くようになって約半年、初めての馬場さんライブに行ってきました。
場所は神戸国際会館。ちなみにこの日（12/9）の神戸はめちゃくちゃ寒かった～

入場待ちの列を眺めると、年齢層は思ったよりも高いですね。同世代か、それより上の方が大半なように見受けられました。
でもって、皆さん当然のように首にタオル！この日ゲストで登場した佐藤竹善さんが、「こんな大量のタオルを見たのは永ちゃん以来だ（笑）」と言ったくらい
当然ライブは熱いです！ええ、熱いんですけどね・・・

拳振り上げる系ライブなのに、やけに礼儀正しい（爆）

いやいや、これはきっと馬場さんの人柄があらわれてるんでしょうね。観客に対して、こんなに礼儀正しいＭＣをするアーティストは初めてです

そんな馬場さんの作る歌はどれもとっても誠実で。
半年前、私に馬場さんを聴くように勧めた友人に馬場さんを好きになった理由を尋ねたところ、返ってきた答えは「歌詞がいい」とのことでした。「ライブの時、ステージの後ろのスクリーンに歌詞が出るんやけど、それ見てたら、うわぁ～このヒト凄い！って思ってん。」

歌を聴かせるのが本来のライブで、何故わざわざ歌詞を映し出すのか？？
ステージの後方に映し出すということは、アーティスト本人のカンペ目的ではありませんしね（笑）
話を聞いた時にはその意味がいまひとつピン来なかったのですが、今回体験して初めてわかりました。

単純に歌詞が出るというシロモノじゃないのですよ。
曲のイメージに合わせた背景に、芸術的な美しいフォント（字体）で書かれた文字が、計算され尽くしたタイミングで映し出されます。
それは時に縦書きだったり、サビでは大きくなったり。

そうか、彼は確信的に、言葉を魅せようとしているー。
この演出はたしかに凄い。

耳と目と。
360°全方位が彼の詩の世界になる不思議な感覚。

♪君の涙よ　大きな河になれ
　君のため息 羽ばたく風になれ♪
（『悲しみよ、明日の星になれ』より）

真っすぐ過ぎて少し気恥ずかしいこんな言葉も、すとんと心に落ちてきて、素直に胸が熱くなりました。


馬場さんは小説を書くように詩を書く。
そしてその「文章力」は、時にそこらの小説家をはるかに凌ぐのです。

『一瞬のトワイライト』では信号待ちのほんの一瞬で、”過去””未来”という時間を、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』では時間に加えて場所・空間までも、馬場さんの視点は軽々と飛び越える。

たった一行の歌詞で、　瞬時に時空を切り替える描写力。

映像作品ならいざしらず、文字だけでこんな鮮やかに場面転換をしてみせる書き手を、私は他に知りません。
私が最初に馬場さんの曲を聴いて驚いたのはこの「文章力」でした。
今回、ライブでその詩の世界を視覚で体験し、あらためて感じ入った次第です。

・・・と、けっきょくライブの感想というより、私の”馬場さん歌詞論”みたいになっちゃいましたね
あ、今回のセットリストに『ボーイズ～』は入ってませんでしたので、あしからず。



2012年に馬場さんがリリースした3枚の4曲入りCD、”EPシリーズ”。　『平凡』、『犬はライオンになりたくない』そして『弱い虫』。
EPとは”EXPRESS"の略で、「今思うことをすぐに歌にして届けたい」というコンセプトのCDは、どれも馬場さんの詩の魅力が堪能できます。一度聴いてみて下さい。私的には『弱い虫』の中の一曲、『ラーメンの歌』がオススメです



さてさて、明日はヤスさんのクリスマスライブ♪
普通に仕事の日なのですが、なんとか休みが取れましたので滑り込みセーフで参加します