どうしよう。
さっきSilviaに誘われて、今夜は予定があるって言っても「少しでいいから」なんて、なかなか諦めてくれずに困っていたら、ちょうどMewさんが迎えに来てくれてさらりと断ってくれた。
そこまではよかったんだけど、Silviaは納得いかなかったみたいで、あの後からずっとCEOとどういう関係なのかとしつこく問いただすLINEを送ってくる。
単に、僕をモデルに起用したのがCEOだから、よく気にかけてくれてるんだよ。と返しても、そんなはずはない。私を見るCEOの顔、すごく怖かったもの。あなた、狙われてるわよ! CEOの噂、知らないの?なんて・・・。
どう答えていいのかわからなくなって、ごめん。明日も仕事が早いから。と、返事を切り上げた。
「ふぅ・・・どうしたらいいのかな」
「何が?」
食事の後、部屋に戻りシャワーを浴びに行っていたMewさんがタオルで髪を拭きながら、ソファで独りごちる僕の横に座る。
「・・・あ、ううん。 なんでもない・・・」
「ほんと?」
こんなこと、Mewさんに言えないよな・・・。 Silviaのこと、すごく気にしてたみたいだったし。
「友だち?」
僕の手の中の携帯を見て、誰かと連絡してたのはわかってしまったみたい。
「うん・・・」
「そっか」
Mewさんのおっきな手が、僕の手から携帯を取り上げる。
コトリ。とテーブルに置かれたそれを見送る僕の顔を、その手が包んだ。
あ、と思う間もなく、Mewさんの大きな目で見つめられて、僕はもう、囚われたネズミのように見つめ返すことしかできない。
「俺といる時は、俺のことだけ考えて?」
甘い言葉を囁く唇。 その唇が僕のそれに重なる。
チュ・・・チュ・・・
キスは元々そんなに得意じゃなかったんだけど、Mewさんとのキスはなんだかふわふわして、すぐにのぼせたようになってしまう。 呼吸さえも包み込まれるように奪われて、思わずMewさんの肩にしがみついた。
クス・・・
小さく笑ったMewさんが僕を見つめる。
「慣れない?」
「う、うん・・・」
「可愛い・・・」
さらに深く重ねられるキスに呼応するように、体が少しずつソファに沈んでいく。 僕を押し倒したMewさんの唇が、唇から頬に、そして首すじへと進んでいく。
「ん・・・ふ・・・」
自分の口から変な声が出て、慌てて抑える。 首すじにかかるMewさんの息がくすぐったくて。
すくめた僕の肩の辺りに、Mewさんが額をこすりつけた。
「ん〜!! Gulf、可愛い・・・」
まるで大型犬みたいな動きに、つい笑ってしまう。
「Mewさんこそ、可愛いよ」
「そう?」
「うん。 でっかい犬みたい」
「これ?」
またぐりぐりと頭をすりつけてくる。
「あは、くすぐったいよ」
「わんわん♪」
天下のCEOがこんなお茶目な姿を見せるなんて。 それを見られるのはこの世で僕だけなんて。
まだ少し水気の残るMewさんの髪を指ですいてみた。 Mewさんは、目を閉じてされるがままになってくれる。
「・・・Gulf」
「ん、なに?」
「急がないからさ、いつか俺のものになってくれる?」
「・・・え」
Mewさんのものに。っていうのは、つまり・・・
「――俺に抱かれてくれる?」
開かれた瞳にまた絡めとられる。
「だ、だ・・・?」
「そう。 Gulfは今までは普通の恋愛しかしてないでしょ? 男同士のこういうこと、したことないよね?」
「う、うん・・・」
「俺はさ、Gulfが抱かれるのが嫌だったら、逆でもいいと思ってる。 ただ、俺はお前のことを抱きたいと思ってる」
ストレートな言葉に、胸が詰まる。
たしかに、キスの先を考えたことはなかった。 今までの彼女とは、もちろん僕が抱く側だったわけだし、逆の立場になる可能性なんか想像もつかなかった。
まさか、Mewさんが僕に抱かれてもいいとまで言ってくれると思わなかった。
止まっていたMewさんの頭を撫でる手を取られて、そこにキスをされる。
「待つから。 Gulfの気持ちが決まるまで」
「うん・・・」
暖かな唇の感触を指に感じながら、僕はいつかこの人に抱かれるんだろうなと確信した。
しばらく僕の胸の上に乗っていたMewさんが、おもむろに顔を上げた。
「ところで、さっきの呟きはなに?」
「え?」
「誰かと連絡してたでしょ?」
は、Silvia・・・。 剣呑なMewさんの雰囲気にゴクリと喉が鳴った。
「どうしよう。って言ってたよね。 なにか困ってるんじゃないの?」
「・・・・・・・・・」
「言って。 俺に解決できることならなんでもする」
「・・・実は・・・」
ここまでくるとごまかすことはできないと悟った僕は、身体を起こして携帯を取り、SilviaからのLINEを見せた。
「・・・ふ〜ん」
画面にさっと視線を走らせたMewさんが物憂げに目を細める。
「俺の噂、か・・・」
ため息をついて、軽くうなだれるMewさん。
「・・・ごめんね? 俺が悪いね」
「そんなっ、Mewさんが悪いわけじゃないです・・・」
「ううん。いい噂じゃないし、そんな風に言われるのは俺の力不足だから。 Gulfに嫌な思いをさせてしまってるね」
「Mewさん・・・」
しばらく考え込んでから、僕はMewさんにある提案をした。
「俺たちのことを公表するだって?」
「うん。 正式に付き合ってます。ってみんなにちゃんと伝えた方が、噂じゃなくなるし、きちんとしてるって伝わると思う」
「Gulf・・・」
みるみるMewさんの目が潤むのを見て僕は慌てた。
「み、Mewさん?」
「Gulf〜!! 愛してる!!」
きつく抱きしめられて、息ができない。 もがいても全然離してくれなくて、思わずペンペンとMewさんの肩を叩く。
「いててっ! Gulf、なんで叩くのっ」
「だってMewさんが離してくれないから!」
「だって愛してるんだもん!」
「僕だってです!」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
やっと離してくれた。 ホッとする僕に、Mewさんが少しかしこまった様子で、
「・・・ありがとう。 俺にちゃんと向き合ってくれて」
両手を取って握り合う。
「僕こそ、いつも大切にしてくれてありがとうございます」
「・・・こんなこと言うのは気がひけるけど、今までの恋はずっと、CEOという立場から公表できなかったんだ。 バイということにしてるけど、本当のところ俺は男性しか愛せない。 だからこそ、言えなかった」
「そうだったんだ・・・」
「ゲイとバイでは、世間の風当たりが全然違うからね・・・」
少し切なそうな表情なのは、きっとMewさんなりの色んな経験があったんだろう。
「だから、嬉しいんだ。 Gulfが俺とのことを公表しようって言ってくれて」
握られた手が、さらに強く握られた。
「でもGulf。 俺と付き合ってるのを公表するってことは、Gulfもその風に当たらなきゃいけなくなる。 いいの?」
たしかにそうか。 タイでは、同性愛は他の国よりかは受け入れられているけれど、未だ根強く嫌悪感を持つ人も多い。 Mewさんはそこまで考えて生きてきたんだ。
「・・・大丈夫。 人を愛する気持ちに、性別も、人種も、何も関係ない」
Mewさんの両手で包まれた僕の手に、そっとキスが落とされた。
「Gulf。 おまえを一生守り抜くよ。 どんな風にもさらさない。 誓う」
さっきSilviaに誘われて、今夜は予定があるって言っても「少しでいいから」なんて、なかなか諦めてくれずに困っていたら、ちょうどMewさんが迎えに来てくれてさらりと断ってくれた。
そこまではよかったんだけど、Silviaは納得いかなかったみたいで、あの後からずっとCEOとどういう関係なのかとしつこく問いただすLINEを送ってくる。
単に、僕をモデルに起用したのがCEOだから、よく気にかけてくれてるんだよ。と返しても、そんなはずはない。私を見るCEOの顔、すごく怖かったもの。あなた、狙われてるわよ! CEOの噂、知らないの?なんて・・・。
どう答えていいのかわからなくなって、ごめん。明日も仕事が早いから。と、返事を切り上げた。
「ふぅ・・・どうしたらいいのかな」
「何が?」
食事の後、部屋に戻りシャワーを浴びに行っていたMewさんがタオルで髪を拭きながら、ソファで独りごちる僕の横に座る。
「・・・あ、ううん。 なんでもない・・・」
「ほんと?」
こんなこと、Mewさんに言えないよな・・・。 Silviaのこと、すごく気にしてたみたいだったし。
「友だち?」
僕の手の中の携帯を見て、誰かと連絡してたのはわかってしまったみたい。
「うん・・・」
「そっか」
Mewさんのおっきな手が、僕の手から携帯を取り上げる。
コトリ。とテーブルに置かれたそれを見送る僕の顔を、その手が包んだ。
あ、と思う間もなく、Mewさんの大きな目で見つめられて、僕はもう、囚われたネズミのように見つめ返すことしかできない。
「俺といる時は、俺のことだけ考えて?」
甘い言葉を囁く唇。 その唇が僕のそれに重なる。
チュ・・・チュ・・・
キスは元々そんなに得意じゃなかったんだけど、Mewさんとのキスはなんだかふわふわして、すぐにのぼせたようになってしまう。 呼吸さえも包み込まれるように奪われて、思わずMewさんの肩にしがみついた。
クス・・・
小さく笑ったMewさんが僕を見つめる。
「慣れない?」
「う、うん・・・」
「可愛い・・・」
さらに深く重ねられるキスに呼応するように、体が少しずつソファに沈んでいく。 僕を押し倒したMewさんの唇が、唇から頬に、そして首すじへと進んでいく。
「ん・・・ふ・・・」
自分の口から変な声が出て、慌てて抑える。 首すじにかかるMewさんの息がくすぐったくて。
すくめた僕の肩の辺りに、Mewさんが額をこすりつけた。
「ん〜!! Gulf、可愛い・・・」
まるで大型犬みたいな動きに、つい笑ってしまう。
「Mewさんこそ、可愛いよ」
「そう?」
「うん。 でっかい犬みたい」
「これ?」
またぐりぐりと頭をすりつけてくる。
「あは、くすぐったいよ」
「わんわん♪」
天下のCEOがこんなお茶目な姿を見せるなんて。 それを見られるのはこの世で僕だけなんて。
まだ少し水気の残るMewさんの髪を指ですいてみた。 Mewさんは、目を閉じてされるがままになってくれる。
「・・・Gulf」
「ん、なに?」
「急がないからさ、いつか俺のものになってくれる?」
「・・・え」
Mewさんのものに。っていうのは、つまり・・・
「――俺に抱かれてくれる?」
開かれた瞳にまた絡めとられる。
「だ、だ・・・?」
「そう。 Gulfは今までは普通の恋愛しかしてないでしょ? 男同士のこういうこと、したことないよね?」
「う、うん・・・」
「俺はさ、Gulfが抱かれるのが嫌だったら、逆でもいいと思ってる。 ただ、俺はお前のことを抱きたいと思ってる」
ストレートな言葉に、胸が詰まる。
たしかに、キスの先を考えたことはなかった。 今までの彼女とは、もちろん僕が抱く側だったわけだし、逆の立場になる可能性なんか想像もつかなかった。
まさか、Mewさんが僕に抱かれてもいいとまで言ってくれると思わなかった。
止まっていたMewさんの頭を撫でる手を取られて、そこにキスをされる。
「待つから。 Gulfの気持ちが決まるまで」
「うん・・・」
暖かな唇の感触を指に感じながら、僕はいつかこの人に抱かれるんだろうなと確信した。
しばらく僕の胸の上に乗っていたMewさんが、おもむろに顔を上げた。
「ところで、さっきの呟きはなに?」
「え?」
「誰かと連絡してたでしょ?」
は、Silvia・・・。 剣呑なMewさんの雰囲気にゴクリと喉が鳴った。
「どうしよう。って言ってたよね。 なにか困ってるんじゃないの?」
「・・・・・・・・・」
「言って。 俺に解決できることならなんでもする」
「・・・実は・・・」
ここまでくるとごまかすことはできないと悟った僕は、身体を起こして携帯を取り、SilviaからのLINEを見せた。
「・・・ふ〜ん」
画面にさっと視線を走らせたMewさんが物憂げに目を細める。
「俺の噂、か・・・」
ため息をついて、軽くうなだれるMewさん。
「・・・ごめんね? 俺が悪いね」
「そんなっ、Mewさんが悪いわけじゃないです・・・」
「ううん。いい噂じゃないし、そんな風に言われるのは俺の力不足だから。 Gulfに嫌な思いをさせてしまってるね」
「Mewさん・・・」
しばらく考え込んでから、僕はMewさんにある提案をした。
「俺たちのことを公表するだって?」
「うん。 正式に付き合ってます。ってみんなにちゃんと伝えた方が、噂じゃなくなるし、きちんとしてるって伝わると思う」
「Gulf・・・」
みるみるMewさんの目が潤むのを見て僕は慌てた。
「み、Mewさん?」
「Gulf〜!! 愛してる!!」
きつく抱きしめられて、息ができない。 もがいても全然離してくれなくて、思わずペンペンとMewさんの肩を叩く。
「いててっ! Gulf、なんで叩くのっ」
「だってMewさんが離してくれないから!」
「だって愛してるんだもん!」
「僕だってです!」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
やっと離してくれた。 ホッとする僕に、Mewさんが少しかしこまった様子で、
「・・・ありがとう。 俺にちゃんと向き合ってくれて」
両手を取って握り合う。
「僕こそ、いつも大切にしてくれてありがとうございます」
「・・・こんなこと言うのは気がひけるけど、今までの恋はずっと、CEOという立場から公表できなかったんだ。 バイということにしてるけど、本当のところ俺は男性しか愛せない。 だからこそ、言えなかった」
「そうだったんだ・・・」
「ゲイとバイでは、世間の風当たりが全然違うからね・・・」
少し切なそうな表情なのは、きっとMewさんなりの色んな経験があったんだろう。
「だから、嬉しいんだ。 Gulfが俺とのことを公表しようって言ってくれて」
握られた手が、さらに強く握られた。
「でもGulf。 俺と付き合ってるのを公表するってことは、Gulfもその風に当たらなきゃいけなくなる。 いいの?」
たしかにそうか。 タイでは、同性愛は他の国よりかは受け入れられているけれど、未だ根強く嫌悪感を持つ人も多い。 Mewさんはそこまで考えて生きてきたんだ。
「・・・大丈夫。 人を愛する気持ちに、性別も、人種も、何も関係ない」
Mewさんの両手で包まれた僕の手に、そっとキスが落とされた。
「Gulf。 おまえを一生守り抜くよ。 どんな風にもさらさない。 誓う」
ヌフぉ、、グフフ( ´∀`)なんです?この多幸感な話は。
てか?「逆でもいいから」って、、
CEO💖それは、それで、、、もの凄い妄想が湧く💖だわ
gulfくん、、男前やねえ‼︎公表しましょうだなんて
(色んな壁はあれど、、その心意気に惚れるわ)
さあ、、次がまたまた楽しみになりました💖
(ななりんさま、、正座して待機します🧎♀️よ)
コメントありがとうございます♪
多幸感、感じていただけましたか??
ヌフォ…( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
なんだかんだで少しずつ2人の心の距離は近づいているのです…💕
案外男前ながるぴと、恋愛体質なぴみゅの恋の行方は…!
お次はななりんのターンですわ…♪
私も全裸で正座待機しております(笑)