YOSHIの果てしない旅(人々との出会い、そして別れ)

ソ連、西欧列車の旅、英国滞在、欧州横断ヒッチ、イスラエルのキブツ生活、シルクロード、インド、豪州大陸横断ヒッチの旅の話。

エローラの遺跡見学と食堂での水の出し方~アジャンタ、エローラ見物とインド横断鉄道の旅

2022-02-21 09:33:42 | 「YOSHIの果てしない旅」  第10章 インドの旅
   △エローラ石窟群の中の一部、カイラーサナータ寺院)-CFN

・昭和44年2月22日(土)晴れ(エローラの遺跡見学と食堂での水の出し方)
 6時30分に起きて、駅前から7時30分の『一日周遊観光バス』に乗り込んだ。このバス代は3.4ルピーで安かったが、本当はこれぐらいが妥当な運賃であった。昨日のアジャンタ石窟群前の停留所からアウランガーバードまでのバス代4.2ルピーは『ヤラレタ』と言う事だった。
 周遊観光バスが最初の寄った箇所は、アウランガーバードから直ぐ近くの小高い山の上にある『ダウラタバード城』と呼ばれ、11世紀頃の自然の地形を利用したイスラム系最古の城であった。


     △イスラム最古のダウラタバード城-CFN

 次に1時間半位でElora(エローラ)に到着した。AD580年から850年までの間に造られたエローラ遺跡は、ヒンドゥ教、大乗仏教、それにジャイナ教の石窟寺院群であった。一枚岩で出来た巨大なカイラーサナータ寺院は、まさに圧巻であった。その内部回廊にはヒンドゥ教の神々の像が彫られ、神秘的な世界、仏教的で言うなら極楽浄土の世界を抱かせる、空間的世界がそこにあった。


         △エローラ石窟群-CFN

 今日も一段と暑い日で、見学するのも疲れた。私と荻はお昼に遺跡近くの食堂へ入った。イギリスから来た年配の団体客(婦人が目立った)15人程も、店内に居た。我々が席に着くと20歳位の男の〝店員〟(インドでは何処でも、どんな店へ行っても、女性が働いている姿が見られなかった。)が、水が入っている2つのコップの中に〝右指〟(『左手は不浄の手』とみなされている。)を突っ込んで運んで来た。
「いくら右手は不浄ではなくても、コップの中に指を突っ込むな、不潔だ。」と注意した。
そうすると、「そうだ、その通り。」とイギリス団体客のおばさん達も後押ししてくれた。彼はイギリス人団体客にも、指をコップの中に突っ込んで運んだのであろう。彼等もインド人に腹を据えかねていたのだ。しかし彼は私が言った事が分ったのか分らなかったのか、キョトーンとしていた。荻が再度、ジェスチャ交えて言ったのであるが、彼は理解出来ない感じであった。勿論、新たに持って来る訳でもなかった。お客さんにコップの出し方も分らない、衛生観念が違うインド人にこれ以上言っても仕方ないし、それに生水を飲む気もなかった。インド人にはギブアップであった。しかしインドではこの様な出し方は普通で、珍しくなかった。
 エローラ石窟群見物の後、Bibi Ka Maqbara(ビービー・カー・マクバラー、ムガール帝国の王妃の廟墓。)と言う、タジ・マハールに似た回教寺院を見物して、我々を乗せた観光周遊バスは、アウランガーバードに着いた。一日遺跡巡りしてバス代は3.4ルピー、妥当な運賃、そして良い観光めぐりであった。


    △ビービーカーマクバラー回教寺院-CFN


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