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小麦句会 on blog

俳句「麦の会」の句会のひとつです。 ネット句会を月二回行っています。 この句会は誰でも参加できます。

第516回小麦句会結果発表(1)

2024年01月08日 10時42分28秒 | 1日句会

能登の震災の被害状況がどんどん広がっている。

地域差があって、近年の災害での被災者数などの数字の比較はできないが、やはり救援、復旧に向けた動きのスピードが遅く感じる。

やはり道路の問題だろう。

山間部に限らずだろうが、たった一本の道があちこち崩壊し、その先に点々と住宅があるような場所がたくさんあると想像できる。

物を運び込む、ひとを運び込む、、、、結局、道路が必要なのだ。

いくら応援が来ても、先に進められない現実がそこにある。

元旦から少しずつ熊本地震の記憶がフラッシュバックしてくる。

自分にはたいして被害がなかったという他人との比較でクリアしていくことに懸命だった。

「大変でしたね」と心配の手紙やメールなどが届くことさえ、プレッシャーになっていく。

特別な立場になっていく自分たち。

精神的な疲労が溜まっていった。

もし、北陸方面にそういった方がいるとしたら、普通に接してあげてほしい。

そして、日常を取り戻せそうなひとたちがなるべくプレッシャーを受けずに身軽に日常に戻れるようにと願う。

 

句会の結果を今回も二回にわけて・・・・。

 

結果発表

 

年新た野猫(のら)とへぼ句とふるき妻    瞳人

◎(カンナ)平穏な雰囲気が伝わります。

 

賀状配る村出身の郵便夫   餡子

〇(春生)村出身だと村の隅々まで分かっているので安心ですね。

〇(カンナ)「村出身の郵便夫」に村の暮らしが見えてきます。

○(藤三彩)「村出身の郵便夫」が味噌ですね。『イル・ポスティーノ』という映画がありました。

○(卯平)この季語「はだれ雪」が上五中七の景を支えている。「斑雪」でなく「はだれ雪」で詩情を得た。

〇(仙翁)年賀状、書く人も少なくなってきたようで。

 

鴉にも村はふるさと冬霞   宙虫

〇(珠子)確かに。鴉も代々この村で命をつないできました。季語が深く優しい。  

○(アネモネ)気づきの一句でした(笑)

◯(道人)嫌われ者の鴉への眼差しが優しい。こういう視点は好き。

○(餡子)童謡の「七つの子」の歌の世界!鴉は都会では嫌われていますが、こんなのんびりとした空気もいいですね。 

〇 (多実生) 子供の頃見ました昼間平野で過ごし、夕方数百の鴉が順次山の塒へ整然帰る姿を。

〇(あき子)フルサトの懐の大きさが心地よい。

 

「ギャアー」車内から悲鳴 熊の足跡  カンナ

〇(瞳人)しずうかあに、しずうかあに、逃げましょ

 

小春日の午后の配送終へにけり  卯平

○(藤三彩)土日の配送はなくなり、労働環境が緩和されるといいですね。

〇(まきえっと)お疲れ様です。午後は事務仕事でしょうか?

 

杣人の拝む老樹や斧始       春生

〇(楊子) 森には森の神聖な儀式があることに気づかされました。アニミズムは肯定されるべきです。

◯(道人)格調なお高い句。「拝む」がいい。今の日本にもこういう景は残っているのだろうか。

○(卯平)如何にも新春の句。衒いのない句。

◎(あちゃこ)静もる山に斧の音。山への感謝が伝わります。

◎(仙翁)山を敬い、感謝する。自然は強大です。

〇(ちせい)自然に感謝しているのでしょう。特に歴史の古い樹木に。

◎ (アゼリア) お正月にふさわしい神聖な句と思いました。

○(宙虫)深い森のなかの絵が見える。

 

雪を踏む足跡危い地方戦    藤三彩

 

軽トラは日本の宝大根引く   泉

〇(瞳人)うーん、ダイハツさんよ

○(藤三彩)軽トラと言えばダイハツだったのに不正行為が判明して大変に。

○(卯平)今アメリカなどで日本の軽トラが人気らしい。まさに「日本の宝」とは言い得て妙。この季語で誇らしげな軽トラの姿。面白い句。

〇 (多実生) 農業の改革を支えた一つが軽トラです。大根引くが適切。

◎(めたもん)「軽トラは日本の宝」という大胆な断定。可笑し味も魅力。「大根引く」との取り合わせも上手い。 

 

溶け残る雪を踏みしめ松迎へ  アネモネ

○(餡子)全く経験のないことです。門松も子供の頃は、花屋で買ってきましたし、今は市から配られる紙の絵。良いですね親子で山に松の木を伐りに行く風習!

 

隆々と冠雪人を寄せつけず   楊子

 

畑過る農夫の歩幅斑雪    珠子

〇(めたもん)いかにも俳句という感じの詠みぶりは、新年の句会に相応しい。

〇(仙翁)冬にも、畑でやることはありますね。

〇(まきえっと)農夫の歩幅から情景が目に浮かびます。

 

(選外)(卯平)中七下五の関係は面白い。上五の説明が少々冗漫では。

 

細雪行方の知れぬ旅の果て   仙翁

 

(選外)(卯平)中七下五は更に整理出来ないか

 

初雪や大きな靴の男の子    幹夫

○(泉)元気の良い男の子ですね。

〇(春生)将来有望、頼もしいですね。   

○(卯平)幼児が大人の靴を履いて初雪を喜んでいる景。初雪が「男の子」の景を明確にしている。

〇(ちせい)印象的だったのでしょう。雪対策や防寒の大靴だったのかもしれません。

○(宙虫)大きな靴にいろんなことを考えられる。雪がいいアクセント。

 

海底の静かな鼓動山は雪    まきえっと

◎(楊子)海と山を対比させて詠んだところがいいです。「静かな鼓動」という言葉が控えめな躍動を醸し出している。

◎(春生)大自然の神髄を捉えて妙。            

○(幹夫)壮大な景が詠まれており共感を覚えた。

○(泉)海底の鼓動は大地震になるかもしれません。

 

つづく

 

 



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