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小麦句会 on blog

俳句「麦の会」の句会のひとつです。 ネット句会を月二回行っています。 この句会は誰でも参加できます。

第547回小麦句会結果発表

2025年04月23日 21時50分23秒 | 小麦句会への参加方法
チューリップをより楽しめるようにフォトスポットの設置してある公園へ。
白いフリフリの洋服を着ている人がたくさんいました。


兼題:遠
赴任地のアパート二間遠蛙  楊子
○(泉)二間は狭いですね。単身者用でしょうか。
◎(幹夫)独身時代或いは、単身赴任での赴任だろうか。状況に共感する。
◎(吾郎)帰るに帰れぬやるせなさ
◎(餡子)アパートという言い方に郷愁を感じます。二間ですから今言うところの1Kでしょうか?夜になると寂しげに蛙の鳴く声。第二の人生の出発地点。この後も、転勤が続いたでしょう。振り返っていま感懐にひたっていらっしゃる作者。充実感を感じます。
◯(道人)分かり過ぎる句だが共感。
◯ (アゼリア) 私の住む街に赴任されたのかと思いました。もう少しすると蛙が鳴き始めます。
〇(アネモネ)ちょっと寂しい赴任地です。

遠州に森の石松茶摘唄  春生

遠縁を訪えば石蓴干す港  宙虫

○(吾郎)人生リセット的映画のファーストカット

遠州から虎造啖呵新茶来る  瞳人

春風や原発は遠い大都会  泉

この関係断ち切ろうかな遠い雷  カンナ

○(吾郎)優柔不断に天誅の雷鳴か。不穏
〇(めたもん)少し面倒くさそうな「この関係」。その関係に決断を迫るように「遠い雷」が聞こえます。 

天国へ行く道遠し花薊  幹夫
○(仙翁)天国への道、地獄への道どちらでしょうね。
〇(ちせい)地獄も同様なのかもしれません。

遠き過去遠き未来に散るさくら  仙翁
○(宙虫)日本人の桜への想いが伝わる。ソメイヨシノの未来はなさそうなんだが。
○(幹夫)皇紀2685年、永い日本史の中のそれぞれの時代、様々の花七日。
○(藤三彩)ソメイ吉野の寿命が来ているそうだ。高校の街路樹の桜が朽ちている。
○(あき子)大きな空間に散るさくらが見えてきて、気持ちが良いです。
○(あちゃこ)類句はありますが、桜に永遠を感じる思いに共感です。
◯ (アゼリア) 樹齢千年という桜もありそうですよね。
○(まきえっと)桜に感動する自分でありたいです。

花流る河口の騒めき遠からず  藤三彩

蛇穴を出て遠足の列乱す  餡子

〇(瞳人)おいらがいりゃあ、しっぽつかんで、振り回し、遠くへポーンと投げてやらあ
○(泉)季語の使い方が、参考になりました。
〇(春生)子どもたちがキャッキャッと騒ぐが聞えてきます。   
○(アダー女)女の子達の「きゃ~!」という声が聞こえて来る様です。私も一昨年の秋、日光戦場ヶ原で穴にまだ入りそびれている赤い蛇に遭遇!三婆で「ぎゃ~!」という可愛くない叫び声をあげました。
〇(アネモネ)子どもたちの驚きぶりが見えてきます。

手にノオト春と看取るは遠野にて  吾郎
○(宙虫)ノオトとの表記に少しドキリとしたけれど、しみじみした。
〇(カンナ)面白い回文
○(餡子)看取りのことばが色々に想像をさせます。良い方にも哀しい方にも。遠野が効いています。
〇(めたもん)晩春の遠野の吟行でしょうか。回文故の「ノオト」がいい味です。
○(あちゃこ)遠野のイメージが効いていますね。

遠く見る赤坂離宮緑立つ  アネモネ

湘南は早サーファーの群れ遠き富士  アダー女

◯ (アゼリア) 江ノ島でしょうか?連休は益々混むでしょうね。
海に浮く能登を包(くる)みて遠霞  めたもん
○(楊子)直接ではない能登への想いが詠まれています。
○(吾郎)ウインド・オーケストラ卒業公演あとの空虚
◎(あき子)遠霞が能登を「包む」という描写から、幽玄な雰囲気が立ち上がるように感じました。
◯(道人)どこから見た能登半島だろうか?行ってみたい。

遠くなる縁林檎の花盛り  珠子 
〇(春生)離れ離れになってしまった親族や友人、寂しさがつのります。 
○(吾郎)儚い白色が沁みる
◎(あちゃこ)自分自身にも重なり、共感。林檎の花はもうすぐに。
(選外)(めたもん)「遠くなる縁」と「林檎の花盛り」。故郷の親戚、友人との関係の薄れへの諦念。共感します。

花吹雪遠来の友待ちかねて  あき子

永遠の契り詠うや夕ざくら  あちゃこ

ふたつめの故郷も遠し亀の鳴く  道人

◎(宙虫)現代、故郷をいくつも持っている人は多そうだ。なのに、どの故郷も遠くなっていく。亀の鳴く・・・が想いをうまく抱えている。
○(卯平)転勤族の家族だった景だろう。「亀の鳴く」はどうであろうか。この季語を前提に解釈するには至らない。
〇(ちせい)のんびりとした鳴き方を思いました。

遠方(おちかた)のうつし世舞ひし桜の夜  卯平
◎(仙翁)現世に花の舞う、いいですね。
○(あき子)映像は自分の中にうまく結べないのですが、音調の美しさと桜の夜の儚さに魅了されました。

遠くから風に乗る声花吹雪  まきえっと
〇(瞳人)あちらは、にぎやかだなあ、こちら一人、それもいいか
○(仙翁)そんな光景ありそうですね。

遠くから飛燕の鳴き声道の塵  ちせい

遠浅間麦畑裂き一両車  アゼリア

○(アダー女)麦畑を二分するように一両電車が走って行く。その向こうには遠く浅間山が・・・・ああ、そんな旅がしたい!


テーマ:乗り物
おほらけく車内けさうず夏近し  瞳人

ジェットコースターの悲鳴を乗せて咲くみずき  宙虫

ふんわりと空飛ぶクルマ陽炎いぬ  道人

〇(瞳人)ありゃあ、ドローンの親玉ですね
○(あちゃこ)話題を取り入れてリアル。季語はあるかなしかの未来予想。

逝く春の逆方向の電車乗る  まきえっと
○(楊子)どっち行きなのか不明ですが、面白い発想です。
○(卯平)例えば「逝く春や逆方向の電車乗り」であればさらに詩情を深くする。
○(餡子)何か考え事をしていたのでしょうか。或いは、憂きことがあり、気を紛らわせるために態とでしょうか。山手線一周も、いいもんですよ。
〇(めたもん)もう少し春を味わいたくても、季節は待ってくれません。いかにも俳句らしい味わいです。
○(あき子)逝く春に逆らおうとしている気分に共感しました。

横は花縦はみちのくハイウエイ  めたもん

牡蠣舟や雨漏りもまあ屋根葺きか  吾郎

○(泉)のんびりとした、リズムが良いと思います。
◯(道人)茅葺の牡蠣舟であろうか。しかも雨漏りとは風流もここまで書くのは現代俳句では難しい。名回文句。
◯ (アゼリア) このおおらかさ良いですね。
○(まきえっと)雨漏りなんてなんのその。

花仰ぐクルーズの風ビルの谷  あちゃこ
○(幹夫)隅田川を連想した。

空を飛ぶ自動車虻の唸りをり  春生
◎(藤三彩)大阪万博で初回はダメも後に人が乗って見せたそうだ。
◯(道人)飛ぶ自動車と虻の高さが同じとは、危なかっしい。

軽トラの荷台の仔犬飛花落花  卯平 
○(楊子)もらわれた仔犬なのか。飛花落花だから喜びなのでしょう。
〇(ちせい)荷台の仔犬も飛花落花を浴びたのでしょうね。

幸せ行きの汽車が着くまで石鹸玉  幹夫
○(アダー女)メルヘンの世界。シャボン玉を膨らませて飛ばして遊んでいるのは作者あなたですか?幸せ行きの電車が来るまでの時間。いや、辛いことがある今、面白くないことがある今、そのうち運が向いてくるからのんびり待つ構えなのでしょう。

自動車が未来を目指す初揚羽  ちせい

花散って免許返納の思案かな  泉

〇(カンナ)季語が適っていると思います。
○(藤三彩)自民党の誰かが免許証は自己IDには使用させないと言っているそうナ。

船頭の棹はゆるりと花見舟  楊子
〇(春生)のどかな風景です。絵になりますね。               
○(仙翁)ゆったりとした花と水の景色が見えますね。

鳥帰る万博の空飛ぶクルマ  餡子
〇(ちせい)未来志向の「クルマ」がいいと思いました。季語の「鳥帰る」が効いています。

吊革に任す体幹日永し  珠子
○(楊子)前句はすごく納得します。日永しがいいかどうかは不明です。
○(卯平)上五中七の景はなるほど。下五「春の昼」の斡旋は考えたのか、否か。その結果の「日永し」か。季語には不同意。
〇(めたもん)少し疲れた夕刻、空席のない電車。吊革にもたれて斜めになるしかありません。
〇(アネモネ)いかにもです。季語の斡旋がなかなか。
(選外)(アダー女)吊革に身を任す。よ~くわかります。まさにぶるさがっているんですよね。楽ちん!体幹の使い方が上手いと思います。

盗まれた黒いママチャリ鳥雲に  カンナ

日帰りの観光バスの花と酒  仙翁

◎(泉)花よりお酒。酒が飲めれば大満足ですね。

配布待つ花見ボートの整理券  アネモネ

花嵐空飛ぶクルマどうなった  藤三彩

○(餡子)私も空飛ぶクルマで一句つくりました。万博の初日は天候悪く飛びませんでしたが、二日目に一台がひょろひょろと。何十年後かには空いっぱいに飛ぶそうです。 

夫の愛車で三回忌へと花の雨  アダー女
〇(カンナ)向かう先はお寺でしょうか? 俳句は主語を省くので想像するしかないですが、夫の三回忌なら切ない句。

未来まで自動運転風薫る  あき子
◎(道人)久しぶりに明るい未来が見えた。

揺れ止まぬ自動車の街燕来る  アゼリア


雑詠
シーサーの二体向き合ひ花の昼  アネモネ
○(幹夫)意味は魔除け。口が大きいほうがシーで歯が欠けているのがサーであって2つ合わせてシーサーと言うそうだ。沖縄の郷土色が豊かに詠まれる。
◎(アダー女)昔、沖縄で二体対で買ってきましたが外階段の上に向き合いでなく並べてどっちが雄か雌かも考えず、石に接着剤でくっつけました。守り神として。花の昼がシーサーのあの強面のくせにユーモアのある表情にピタリです。向き合っているのも面白いなあ。もう剥がせないけど・・・

補助席を畳む小さな春の旅  まきえっと
○(楊子)「畳む」ということは旅が終わったのですね。「開き」だと出発ですね。出発のほうが前向きな感じがしますが。「補助席」で身近な人との旅だということがわかります。
○(宙虫)隣に座る人がこない。小さいけどゆったりとした旅・・・・。
○(あき子)補助席を畳むという発想が、春の旅にリアル感を与えています。

押印のかすかな疑心ヒヤシンス  アゼリア
◎(楊子)なんといっても取り合わせの妙をいただきました。季語の音(おん)が効いています。
◎(カンナ)背景を想像させる、奥の深い句だと思います。
○(藤三彩)ほんとうに押印はこわいよね。荷物が届いたときには押すけど。
〇(珠子)押印の機会はぐんと減りましたが、押印・電話番号・メールアドレス・・・何でも一旦疑うようになりました。ヒヤシンスがとぼけていますが、風信子の「信」から?
○(餡子)この心理よく分かります。いいのかな?だまされてないかな?不安です。ヒヤッとしたなんていうしゃれではありませんよね。
◯(道人)ドラマ仕立てで、如何にもヒヤシンスという句。

花は葉に変わらぬものにサユリスト  道人
◎(瞳人)小百合もこの3月で80路に入るも、いい人には、いいんだ、ここにもいるよ、その一人だよ
○(泉)「サユリスト」いや、懐かしいです。
〇(カンナ)わかりやすくて良いと思います。
◎(アネモネ)サユリストは永遠です。

寄生木に宿る寄生木風光る  春生

〇(珠子)複数の寄生木のことかもしれませんが、単体の寄生木として鑑賞しました。あのまんまるは多分そうやってできるのだろうなと思ったのですが。いいえ。寄生した1本の枝が2本に別れ、2本の枝がそれぞれ2本の4本に。4本の枝が8本に・・・・規則正しく倍倍に増えていくので、どこも同じ半径でびっしりと表面が枝で覆われるのですって。球状だとどの方向からの風にも強いのだそうです。宿る側の知恵。でも、俳句は科学ではなく詩ですので。
○(仙翁)寄生木に宿る寄生木、なさそうでありそうで。

禁煙は夏まで待つな半延期  吾郎

九分遅れがさらに遅れるバス桜  宙虫 
 
欠伸してレジ去る人や春の昼  卯平

○(アダー女)「春眠暁を覚えず」と言いますが、昼間だって眠いのです。春はうらうらと一日中ぼ~っとしている私です。
〇(珠子)あの日の私が見られていた?
○(仙翁)暖かくなってきた景色ですね。
◎(ちせい)春のような人だったのかもしれません。春昼と言う季語を深く考えさせられました。
(選外)(めたもん)ありそうで意外な場面にリアリティーがあります。季語もぴったり。

桜散る少女の膝のサキソフォン  あちゃこ
○(卯平)景は綺麗。「桜散る」も中七の少女から納得。
○(吾郎)ウインド・オーケストラ卒業公演あとの空虚
◎(珠子)少女のサキソフォンかっこいい! 桜の下でさらにかっこいい!少女期の現実にはいろいろありましょうが…
〇(めたもん)金色に磨かれたサキソフォンに散る桜。吹奏楽部の少女でしょうか。雰囲気があります。
◎ (アゼリア) 取り合わせが新鮮で惹かれました。
○(まきえっと)ちょっとした愁いを感じました。サキソフォンの音色が聞こえてきそうです。

おしつこの遠ほ比べつこ柏餅  瞳人

子の肩に花片叱りそびれている  楊子

◎(めたもん)子と親は時にナーバスな関係。叱ることをためらう親の微妙な思い。「ためらい」を伝える五七五のリズムの崩れがいいと思います。
○(まきえっと)桜の花びらを見たら、叱ろうと思ったことが些細なことに思えたのでしょうか?

指にまだ甘い綿飴花の夜  めたもん
〇(瞳人)ああ、幼稚園の頃のこと、にわかに思い出しました
○(宙虫)綿飴と花の夜の取り合わせ、どこかべとつく感覚がいい。
◎(春生)桜祭りの出店で買った綿あめ、楽しかった一日を思い出しています。 
◎(卯平)青春の一頁。どうぞこの恋が成就することを祈る。「桜の夜」で詩情が増した。
〇(珠子)二人でひとつの綿飴を食べていたんだろうなぁ。
◎ (まきえっと)この甘さがいいですね。

自らは知らず影射す野地菫  仙翁
○(アダー女)野に咲くあんな小さな菫にも春のお日様はその影を作っているのですね。菫本人(本花?)は気が付かないけど。良い句ですね。

出奔は本多く持ち田の燕  ちせい
〇(瞳人)1冊というわけには、いかないわけがあるのです

春雨や猫の隠れる喫茶店  藤三彩
○(泉)何となくホノボノです。
○(幹夫)流行りの猫カフェ。猫が可愛い。
○(卯平)猫を句材にすると大方の句は誰でもがおやと思う。揚句もその一つ。中七下五に詠み手の発見。

駄々っ子に黙るほかなし四月馬鹿  泉

地虫出づ騙されていたことを知る  カンナ
○(幹夫)ずっと信じていた楽園とは全然違った戦いばかりの地上だった。

長い名の新駅五年くれの春  あき子
○(餡子)我が市の隣の線路続きに長い駅名の駅が誕生したのが、5年ではありませんが、平成17年。「ながれやまおおたかのもり」です。 因みに日本一は27文字とか。色々調べる機会をくれた一句でした。

富士望む三浦の畑の春キャベツ  アダー女

△(藤三彩)のどかですね。

平凡を信条として木瓜の花  幹夫
〇(カンナ)季語が良いと思います。
〇(春生)生きることへの自信が感じられます。
〇(ちせい)信条に生き方が表れていると思います。
○(アネモネ)ふむふむ。
(選外)(道人)共感の句意だが「信条として」が理屈かと。


落花急隠れし思慕が疼き出す  餡子
○(あちゃこ)疼き出すのですから、辛さを伴う思いですね。似たような心境を感じています。
◯ (アゼリア)落花急の季語が効いていると思います。
○(アネモネ)「隠れし思慕」なかなかです。

朧月露店に爆ぜるポップコーン  珠子
◎(宙虫)夜店のポップコーンの弾ける景色は俳句として多そうだが、朧夜にはやはり似合う・・・。
○(藤三彩)神社のお祭りは久しい。マスクを持ち歩くのが性になる。
○(あき子)映画のワンシーンのような勢いのある景。
○(あちゃこ)連なる露店をみてきましたが作句に至らず。参考になりました。
○(まきえっと)明るい気持ちになれます。


☆☆次回をお楽しみ。




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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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ご苦労様でした ()
2025-04-24 14:35:46
まきえっとさん、句会当番のお役目ご苦労様でした。今後とも、よろしくお願いいたします。

広島は初夏の陽気になってきました。ゴールデンウイーク中は、広島市内でお祭りがあるのですが、混雑するでしょう。家にいる方が気楽です。
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