第547回小麦句会投句一覧（4月22日選句締切）

大阪・関西万博が開幕しましたね。
なかなか興味深いパビリオンもありますね。


兼題:遠
赴任地のアパート二間遠蛙　　
遠州に森の石松茶摘唄　　
遠縁を訪えば石蓴干す港　　　
遠州から虎造啖呵新茶来る　　　
春風や原発は遠い大都会　
この関係断ち切ろうかな遠い雷　
天国へ行く道遠し花薊　
遠き過去遠き未来に散るさくら　　　　
花流る河口の騒めき遠からず　
蛇穴を出て遠足の列乱す　　　　　
手にノオト春と看取るは遠野にて　
遠く見る赤坂離宮緑立つ　　　　　
湘南は早サーファーの群れ遠き富士　　　　　
海に浮く能登を包（くる）みて遠霞　　　
遠くなる縁林檎の花盛り　　
花吹雪遠来の友待ちかねて　
永遠の契り詠うや夕ざくら　
ふたつめの故郷も遠し亀の鳴く
遠方（おちかた）のうつし世舞ひし桜の夜　　
遠くから風に乗る声花吹雪　　
遠くから飛燕の鳴き声道の塵　　　　
遠浅間麦畑裂き一両車　　　　　


テーマ:乗り物
おほらけく車内けさうず夏近し　　　
ジェットコースターの悲鳴を乗せて咲くみずき　　
ふんわりと空飛ぶクルマ陽炎いぬ
逝く春の逆方向の電車乗る　　
横は花縦はみちのくハイウエイ　　　
牡蠣舟や雨漏りもまあ屋根葺きか　
花仰ぐクルーズの風ビルの谷　　
空を飛ぶ自動車虻の唸りをり　
軽トラの荷台の仔犬飛花落花　
幸せ行きの汽車が着くまで石鹸玉　
自動車が未来を目指す初揚羽　　　　
花散って免許返納の思案かな　
船頭の棹はゆるりと花見舟　　
鳥帰る万博の空飛ぶクルマ　
吊革に任す体幹日永し　
盗まれた黒いママチャリ鳥雲に　
日帰りの観光バスの花と酒　　　　　　
配布待つ花見ボートの整理券　　　　　
花嵐空飛ぶクルマどうなった　
夫の愛車で三回忌へと花の雨　　　　　　　
未来まで自動運転風薫る　
揺れ止まぬ自動車の街燕来る　　


雑詠
シーサーの二体向き合ひ花の昼　　　　　
補助席を畳む小さな春の旅　　
押印のかすかな疑心ヒヤシンス　　
花は葉に変わらぬものにサユリスト
寄生木に宿る寄生木風光る　
禁煙は夏まで待つな半延期　
九分遅れがさらに遅れるバス桜　　　
欠伸してレジ去る人や春の昼　
桜散る少女の膝のサキソフォン　
おしつこの遠ほ比べつこ柏餅　　　
子の肩に花片叱りそびれている　　
指にまだ甘い綿飴花の夜　　
自らは知らず影射す野地菫　　
出奔は本多く持ち田の燕　　
春雨や猫の隠れる喫茶店　　　
駄々っ子に黙るほかなし四月馬鹿　
地虫出づ騙されていたことを知る　
長い名の新駅五年くれの春　
富士望む三浦の畑の春キャベツ　　　
平凡を信条として木瓜の花　
落花急隠れし思慕が疼き出す　　　
朧月露店に爆ぜるポップコーン　　


★選句要領
選句数６句（うち特選１句）
締切　4月22日（火）24時
選句コメントをつけて送ってください。
選外のものでもコメントしたい句がありましたら、コメントを受け付けています。