ドイツ時計の伝道師・南雲達也 / 南雲時計店【公式】三代目ブログ

日本人で唯一、Sinnの創業者のヘルムート・ジン氏よりジン氏の時計の公認修理士として認められています。

懐中時計のムーブメント

2010年02月08日 | インポート

※今回は長文ですみません。

昨日は手巻きの機械のロービートについて
書きました。
今日はその続きと言うか、少し関係してます
懐中時計について書きたいと思います。

懐中時計は今から約400年ほど前より作ら
れております。
腕時計の歴史がまだ約200年。
日本においてはまだ約100年。
このように懐中時計が携帯時計の原点です。

そしてこの懐中時計に使われる機械(ムーブ
メント)は現在でもゼンマイ動力で動く手巻き
式と電池で動くクォーツ式の2種類が主です。

しかし、電池式の歴史はまだ約40年、時計の
歴史の1割程度でしかないので、今回もまた
ゼンマイ動力の手巻きについて書きます。

前置きが非常に長くなりましたが、人が携帯
して時刻を知るようになった懐中時計。

今でも手巻きの懐中は作られております。
それはロービートの機械が奏でる音などが
人の耳と心に心地よいからなのです。

またその心地良さを懐中時計のようにポケッ
トの中に仕舞っておくより腕に付けたいと思う
時計愛好家のため・・・

って言うより時計製造者の多くが時計愛好家
なのでポケットよりも腕に着けたくなって、懐中
時計用の機械を使って腕時計を作っているメ
ーカーも少ないですが存在しております。

有名なのはエベラール社のトラベルセトロって
腕時計です。
これはイタリアの財閥の子息でフィアット自動車
の会長でもあったジャンニ・アニエッリって人が
着けていたので非常に有名になりました。

僕もこの時計は非常に好きな時計です。
けど僕はGUINAND-31シリーズを選びました。

有名他社の懐中時計の機械を使った腕時計
の多くの裏蓋は細く小さなネジ6~8個程度で
裏蓋をケースに留めており防水が2~3気圧て
いど、また秒針は9時位置などに小さく動いて
いるのが分かる程度なのです。

対するGN-31は懐中時計の機械を搭載してい
るのは同じなのですが、ケースと裏蓋はダイバ
ーズウォッチなどと同じネジ込み式の裏蓋とな
っており10気圧の防水性の確保とケースの剛
性アップに一役買っており剛性が上がる事で
気密保持が高く耐久性が伸びるからです。

また機械もギナーンは自社設計により、秒針が
真ん中に付いていて長くて見やすいのです。

このように懐中時計のムーブメントを使った腕
時計の見やすく耐久性の良いGN-31のロービ
ートでやさしい音がとても気に入っています。


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