ドイツ時計の伝道師・南雲達也 / 南雲時計店【公式】三代目ブログ

日本人で唯一、Sinnの創業者のヘルムート・ジン氏よりジン氏の時計の公認修理士として認められています。

ロービート

2010年02月07日 | インポート

ここで書く『ロービート』とは時計の精度を調整
する調速装置であるテンプと呼ばれる部品の
振動数です。

このテンプの動きの速度ですが、ロレックスや
オメガなど世の中の多くと言うかほとんどの機
械式時計が1秒間に8振動しています。

このブログで音まで表現出来れば良いのです
が、僕の技術では出来ません。
すみません。

そして、1秒間に8振動はかなり速い音で聞こえ
ます。
例えるなら『チャチャチャチャチャ』ってのをかなり
早口で言った感じです。

それに比べてドイツのギナーンの手巻きモデル、
GN-31シリーズやGN-90シリーズなどは
5振動のロービートの機械を搭載しており、音の
表現は『カチコチカチコチカチコチ』を少しだけ
早口で言った感じとなります。

私達の思う昔ながらの腕時計の音、よく映画
などで使われる腕時計のカチコチ音はこのよう
なロービートの機械でないと出せないのです。

腕時計の原点はロービートの手巻き式の懐中
時計にヒモを付けて腕に巻いたのが起源です。

その後、自動巻などハイビートで高精度な時計
が次々生まれましたが、僕はこのロービートの
『カッチン コッチン』音や手巻きでゼンマイを巻く
感触や音が自動巻には無い命を吹き込む感じ
がとても好きです。

百戦錬磨の時計愛好家の皆さん。
もし手巻きのロービートをお持ちでなかったら
すぐにお近くの時計店で手巻きのロービートを
味わってみてください。

僕が言う『ロービートはいい!!』って言う音や
手巻きの感触が分かりますので、ぜひ時計店
に足を運んでみて下さい。

※手巻きのロービートでも1秒間に6振動タイプ
 もあります。しかし、お勧めは5振動です。
 よりロービートの方が味わい深いですから。

コメント (2)
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