goo blog サービス終了のお知らせ 

デンカの宝刀(弁護士・不動産鑑定士・大東流合気武道教授代理の資格三冠王)

特定分野の記事を集中的に読まれる場合は、「カテゴリー」を御利用ください。

日本の伝統芸能としての古武道「 各論⑨ 柳生心眼流 (2) 」

2010年11月30日 | 武道・武術

    

        

    「 甲冑拳法 柳生心眼流 」

     島津兼治 著 (日東書院)

   

柳生心眼流は技術体系的に

前に紹介した立身流(たつみりゅう)と通じるところがある。

  

立身流は、向(むこう)・圓(まるい)という2つの形(かた)が

基本にあり、

立身流の居合・剣術の全ての形がこの2つの形の応用として

体系づけられている。

  

柳生心眼流素振りという基本の独演形があり、

相対形(あいたいかた)は、この素振りの動作をそのまま使って

行われる。

また、武器の形も、この素振りの形を武器を所持した状態で

行うように体系化されている。

  

中国拳法の場合だと、套路と呼ばれる独演形と相対形との間に

やや飛躍がある。

そのため、

套路の「用法」ということを別途口伝で習う必要があったりして、

独演形をそのまま対人技法として使えば良いというようには

なっていないらしい。

  

空手の場合も、独演形を対人技法として使うには

空手型の解釈や意味づけが必要で、

その解釈・意味づけについて色々と説があったりする。

  

これら中国拳法・空手に比べると

柳生心眼流の独演形から相対形への体系は

極めて分かりやすくできている。

 

柳生心眼流の場合、素手の体術だけではなく、

鎧組打ち、太刀、十手、棒、半棒、火縄銃などの技法も含んだ

膨大な体系であるため、

汎用性の高い形を基本として、全ての技法はその応用という体系

にすることが最も妥当・適切であったためかもしれない。

  

技術の体系化という点で

柳生心眼流立身流は日本武道・武術の双璧であると思われる。

この記事についてブログを書く
« 日本の伝統芸能としての古武... | トップ | 日本の伝統芸能としての古武... »