単相の力率改善回路は,小容量の場合は1石式の昇圧回路により実現する。
100W以下程度なら臨界モード(電流不連続)で簡易な回路とし,2kW程度までの場合は
電流連続モードの制御をし,ピーク電流を抑えることで高効率を実現している。
さらに電力容量が大きくなる場合は,フルブリッジの昇圧回路を用いている。
フルブリッジのアクティブフィルタ回路は,電力の流れを双方向に制御可能で,なお且つ
位相も電流波形も変えられるため,交流負荷装置にも応用が可能である。
フルブリッジ・アクテイブフィルタ回路のデジタル制御を実施したので紹介する。
PWMインバータによりV2を発生させることにより,ILを制御する。
(1)電流0[A]設定の時,V1=V2とすることで,電流0となる。
V1の値をそのままV2指令V2*とする。
(2)PI制御をしない(PIゲインを0)時,ILにより発生するVLを計算し,V2*をつくる。
(3)電流の向きと大きさにより,デッドタイム補正を行い波形歪を最少にする。
(4)ILをフィードバックし,PI制御により大きさ,位相,波形歪を制御する。
これらをプログラム作り込むことで,電流指令IL*通りの入力電流波形を実現できる。
ここでVdcはV1の最大値以上ないとV2を発生できず,制御できない。
一般的には240V*(√2) < Vdc ≒ 380Vdc~400Vdcとしている。
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