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今、自分が出来ること。やれること。それを精一杯やっていかなくちゃ!!

コラム備忘録【1/6~1/7】

2021年01月08日 00時33分30秒 | マリーンズ2021
≪2021/1/6≫

佐々木朗希が書いた今年の漢字「発」に込めた想いとは?

―[17の閃光~佐々木朗希物語~]―
周囲からの注目による重圧も受け入れ、自分を見失わず

 ふと海が眺めたくなった。だから日が沈み、暗闇が広がる場所に佐々木朗希投手はいた。マリーンズの本拠地ZOZOマリンスタジアムのすぐ近くの海だ。東京湾が広がり、その向こうには東京の夜景が広がっていた。東京スカイツリーも、かすかではあるが見えた。

「ボク、結構こういう景色を見ているのが好きなんですよね。いいですよね。夜景って」

 ルーキーイヤーを静かに振り返るように、誰もいない静かな場所でただ夜景を見ている時間が過ぎた。

 思えば昨年はずっとメディアに注目され、追われた一年だった。1月の自主トレ。2月の石垣島での春季キャンプ。キャッチボールをしているだけで騒がれ、ブルペンに入ると周囲は人で溢れ返った。

 キャンプを打ち上げてからも今後、エースとなる素材として一軍の流れ、雰囲気を知ってもらうために一軍に帯同しての調整を続けた。練習試合で行く先々でブルペンに入ると相手チームの選手まで見学に来るほどの注目を集めた。まだ18歳の若者は誰もが感じたことがないような重圧を背負っているようにも見えた。ただ本人はそれをすべて受け入れているようだった。

「プロ野球選手である以上、発信してもらうこと、そして自分の口から発信することはとても大事な役割、義務だと思っていますし、見られている自覚をもって日々、取り組んできたので、大変という感覚はありませんでした」

 シーズンオフに“令和の怪物”と言われ続けた若者はそう口にした。高校時代から注目を一身に浴びてきた中で、徐々に培われてきた自分自身の立ち位置だった。

 だからメディアからデビューはまだかまだかと急かされるように注目を浴びる中でも自分を見失うことはなかった。体力作りと肉体強化を最優先とするチーム方針に今季の実戦登板は見送られたが、それを受け入れ地道な練習に積極的に取り組んだ。他球団では同じ年の選手たちがデビューしていく中でもペースと心を乱すことはしなかった。

「来年の一字」はすでに決めていた

 投げない分、野球を見る機会が増えた。プロ野球をこれほど生で見たことはなかった。海を眺めながらポツリと言った。

「野球って面白い。楽しいなあと改めて思いました。それは、いろいろなことです。野球における駆け引きはもちろん、野球場の雰囲気や演出も含めてです。パ・リーグだけでもそれぞれ本拠地はカラーが違う。本当に面白いと思いました。その中で自分は野球ができる。自分でも初登板が楽しみです」

 12月は遠投中心の日々を送った。60m程度の距離を保ち、強めの強度で投げ込んだ。時には時間を忘れ、軽く1時間を超えるほど投げた日もあった。

 1年の締めくくりは、初めて経験をする契約更改。12月14日に行われた会見で色紙とペンを渡され「来年の想いを漢字一字でしたためてほしい」とメディアから注文されると、躊躇なく「発」と書き込んだ。決めていた文字だった。

「先発の発ですし、実力発揮の発でもある。発見もまだまだしたいし、来年はまた新たな出発でもあります」

 若者は笑顔で抱負を語った。昨年は何度か海でたたずんでいた。夜景の時もあれば朝もあった。岩手県の海沿いで育った佐々木朗希にとって、やはり海の匂いを嗅ぎ、音を聞くと落ち着くのであろう。夜景を見ながら今年への想いを整理し、「発」という言葉に達した。

 しばし静かなオフを迎え、まもなく新たな出発の時を迎える。郷土でデビューを楽しみにしている人たちのためにも、2021年はいよいよ満を持して先発のマウンドを目指す。“令和の怪物”が本領発揮をする時が近づいている。

文/梶原紀章
―[17の閃光~佐々木朗希物語~]―
梶原紀章
千葉ロッテマリーンズ広報室長。1976年生まれ、大阪府出身。関西大学を経て1999年産経新聞社に入社。サンケイスポーツ運動部では仰木オリックス、野村・星野・岡田阪神を担当。2005年に千葉ロッテマリーンズに入団、広報担当として2005年・2010年の日本一を経験。2006年にはWBC日本代表の広報業務にも従事した。文藝春秋社、朝日新聞社、千葉日報社など各媒体でコラムを連載中。趣味は競馬で、2011年に解散したメジロ牧場の血統を引く馬を追い続けている。著書に『千葉魂』(千葉日報社・現在6巻まで刊行)など。

(日刊SPA)

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≪2021/1/7≫

ロッテ、リーグ制覇へ苦手球団の克服を!

リーグ制覇するための最低ライン

 昨季13年ぶりの2位で4年ぶりにAクラス入りを果たしたマリーンズ。今季は1974年以来の勝率1位でのリーグ優勝、2010年以来の日本一を目指す。

 60勝57敗3分。昨季は4年ぶりに貯金を作ってシーズンを終えた。リーグ優勝するためには、昨季の「3」から増やす必要がある。直近5年間で、リーグ優勝したチームの貯金数を見ると16年の日本ハムが「34」、17年のソフトバンクが「45」、18年の西武が「35」、19年の西武が「18」、20年のソフトバンクが「31」と、30近く貯金を作っている。勝ち数を見ても、120試合制だった昨季を除くと、リーグ優勝チームは全て80勝以上挙げた。リーグ制覇するためにも80勝、貯金30はひとつの目安となりそうだ。

 昨季のマリーンズの対戦別成績を見ると、王者・ソフトバンクに対し12勝11敗1分で2年連続勝ち越し、開幕2カード目の対戦で6連戦6連勝したオリックスには18勝5敗1分、日本ハムにも13勝11敗と勝ち越した。その一方で、西武に9勝15敗、楽天には8勝15敗1分と大きく負け越した。

 王者・ソフトバンクは昨季、オリックス(17勝5敗2分)、日本ハム(17勝6敗1分)の2球団から10個以上の貯金を作っていたように、マリーンズも大きく勝ち越す球団を最低でも2球団作っていく必要がある。また、ソフトバンクは負け越した球団がマリーンズだけで、マリーンズのように大きく負け越した球団がない。西武、楽天といった球団も、今季は最低でも5割で戦っていきたい。

西武に4年連続で負け越し中

 特に西武は17年から4年連続で負け越し。17年が8勝16敗1分、18年が8勝17敗、19年が8勝16敗1分、昨季も9勝15敗と全く歯が立たない状況だ。

 18年の榎田大樹、19年の本田圭佑とニールなど苦手投手を作ってしまう傾向が強く、昨季は高橋光成、今井達也、浜屋将太に翻弄された。高橋光は2勝1敗と勝ち越しているが、ZOZOマリンでは9月1日の7回一死までノーヒットピッチングをされるなど、同戦からの対戦成績は74打数11安打、打率.149と抑え込まれた。

 マリーンズ投手陣は、西武打線がリーグ連覇した頃に比べて、元気がなかったこともあり、被打率.231、防御率3.65に抑えた。特に150キロを超えるストレートと落差の大きいフォークを武器にする投手が好投した印象だ。種市篤暉が7月25日の対戦でプロ初完封勝利するなど2戦2勝、防御率1.80、岩下大輝も9月17日の西武戦で9回途中4安打1失点に抑えるなど3勝1敗、防御率2.53だった。同じくフォークを武器にする二木康太も昨季1試合に先発し、10月2日の登板で8回を3安打無失点に抑えている。昨季の打線と単純に比較はできないが、“強いストレート”、“フォーク”がひとつライオンズ打線を抑えるためのキーワードとなりそうだ。

 5年連続で負け越していたソフトバンクに、19年に17勝8敗と勝ち越すと、昨季もシーズン最終盤に7連敗ということもあったが、12勝11敗1分と2年連続で勝ち越している。マリーンズは投手陣が充実してきており、西武打線の傾向と対策をしっかり取り、打線も昨季より上積みがあれば、大きく負け越すということはなくなるだろう。

▼17年以降の西武との対戦成績
17年:8勝16敗1分
18年:8勝17敗
19年:8勝16敗1分
20年:9勝15敗

投打ともにやられた楽天

 問題は楽天だ。投手陣は防御率5.83、3割(被打率.296)近く打ち込まれ、打線も楽天投手陣の前に対戦別では最も低い打率.207だった。17年と18年は勝ち越し、19年は10勝13敗2分だったが、昨季は投打ともに一方的にやられた。浅村栄斗に打率.368、12本塁打、32打点と打ち込まれただけでなく、鈴木大地、ロメロ、島内宏明にも3割を超すアベレージを残された。

 打線も涌井秀章に開幕からの連勝をストップさせたが、勝てたのはその1勝のみ。5度の対戦で1勝4敗。岸孝之には10月15日の試合で2安打完封負けを食らうなど、3戦3敗。レギュラーの中村奨吾、マーティン、藤岡裕大は岸に対し、シーズン通じて1本も安打を放つことができなかった。マリーンズ打線といえば、ファウルで粘り、ボールを見極め、球数を投げさせチャンスを作り、走者を還すという攻撃が目立ったが、涌井に対しては球数を投げさせてもここぞという場面で1本が出ず、岸に対してはストライク先行の投球でマリーンズペースにもちこませてもらえなかった。

 楽天戦は昨季打たれている打者、抑え込まれている投手が多く、18年までのソフトバンクや日本ハム、4年連続で負け越している西武のように苦手球団になってしまう可能性もある。開幕2カード目、本拠地最初の3連戦となる3月30日からの3連戦で勝ち越したい。振り返れば昨季も、開幕2カード目となったオリックス戦に同一カード6連勝した後の、楽天6連戦で1勝5敗と負け越した。最初が肝心だ。

 戦力も異なり昨季と今季では戦い方も変わってくると思うが、47年ぶりに勝率1位でのリーグ優勝するためには、苦手球団をなくし、得意球団を増やしていきたいところだ。

文=岩下雄太

(ベースボールキング)

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≪2021/1/7≫

ロッテ東妻に手応え、小野が刺激/担当記者イチオシ

<担当記者が選ぶ21年ブレーク期待選手:ロッテ編>

21年シーズンのブレークが期待されるイチオシ選手を各球団の担当記者が紹介します。ロッテからは東妻勇輔投手(24)です。

   ◇   ◇   ◇

ロッテの右腕・東妻のブレークに期待したい。智弁和歌山から日体大を経て18年ドラフト2位で入団。速球と投げっぷりの良さが買われ、1年目には24試合に登板した。DeNA東妻純平捕手(19)は実弟にあたる。

ロッテは昨季、強力リリーフ陣の活躍もあり、2位に躍進した。ただ、異例のシーズンだったこともあり疲労度は未知数だ。オフには沢村拓一投手(32)が海外FA権を行使。去就にかかわらず新たなリリーバーの登場は必須で、東妻はその有力候補になる。

昨年も順調だった。3月22日のソフトバンクとの練習試合(ペイペイドーム)では153キロをマーク。失点が少なく、回またぎの起用も試されるなど、2年目のステップアップが見えていた。ところがコロナ禍で開幕が延期になり、歯車が狂った。

活動再開後、球速が戻らない。東妻のそれは特に顕著だった。5月30日の紅白戦、145キロの球が乱れる。制球を整えた140キロ弱を打ち込まれた。

「振れない腕をより振ろうとしてしまったところでコントロールが悪くなり、逆にスピードも出なかった。焦らず体を作り直せば良かったのに、近回りをしようとしちゃってそうなったのかなと思います」

客観的に反省し、改善へつなげられるのが強みだ。秋の秋季教育リーグでは「変に力みすぎてるよね」と吉井投手コーチから助言され、力の抜き方を学んだ。「球速表示が出ない球場が多かったので、表示を気にせずに逆に集中できた。球の質を磨けたのかなと思います」と手ごたえもある。

自身が苦しむ中、同い年の右腕小野が速球で押すリリーフとして台頭した。それを「嫉妬」「焦り」と素直に表現しエネルギーに変える。2人の競い合いは、チームの未来にも大きい。【ロッテ担当 金子真仁】

(日刊)

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