≪7/11≫
15打席目で待望のプロ初ヒットが生まれた。ドラフト2位ルーキーの宮崎竜成内野手が、7月9日のファイターズ戦(ZOZOマリンスタジアム)に8番セカンドでスタメン出場すると、七回に相手先発の山崎福也投手から中前打を放ち、プロ初ヒットを記録した。
「前の打席で焦って当てにいっていたので、とにかく初球から思いっきり自分のスイングで振っていこうと。いろいろと考え込んでも一緒だなと。そう決めて腹をくくって打席に入って振り抜けたのがよかった。一本出てマジでマジでうれしいです」と宮崎。初球のカットボールを強引に打ち返さずにセンター返しを心がける意識で打つと、一塁ベース上で控えめに喜び、宮崎コールでたたえるライトスタンドのファンに右手を掲げて応えた。
社会人を経て即戦力として期待され24歳でのプロ入団。同期入団でドラフト1位ルーキーの西川史礁外野手に、その前年に入団した19歳の寺地隆成捕手、そしてプロ5年目ながら二つ下の山本大斗外野手など年下の選手たちが先に続々と1軍で活躍する姿を刺激に、出番を虎視眈々(たんたん)と待った。
5月11日に初めて1軍昇格した際は3試合に出場し、8打数無安打5三振。「やっぱりプロは甘い球、狙い球がきたら一発で確実に仕留めないといけないと思った。それができるように練習をして出番がいつ来てもいいように準備をしてきたつもり」と振り返る。
7月8日に1軍合流した際にはサブローヘッドコーチから「調子がいいのだから、自分のスイングで思いっきり振ってこいよ」とアドバイスされ、この日も「まだヒットを打っていないのか。きょうは打てよ」と笑顔で送り出してもらえたことで気持ちが楽になった。そして本人もチームメートもファンも待っていた待望の一打が生まれた。
「本当にファンの方の応援がすごくて、うれしかったです。もっと応援してもらえるような選手になれるように頑張りたいです。やっと一本、出たので次はチームの勝利に貢献できる一打を打てるように。チームにとって必要な選手となれるように頑張ります」と宮崎は試合後に気持ちを入れ直した。
その打撃力だけではなく、明るいキャラとしてもチーム内では注目されている。1軍合流初日には試合前円陣で声出し。「めちゃくちゃ緊張しているので叫んでもいいですか? 緊張していま~す! さあ、行こう」と大声を出し、仲間たちの笑いを誘った。若い力が少しずつ躍動しているチームにムードメーカー的なキャラクターである背番号「44」が加わる。夏真っ盛り。若武者たちがマリーンズの夏を熱くする。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)
(千葉日報)
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≪7/12≫
ロッテの横山陸人は先発を経験し、再び一軍に戻ってきてからは、力感のないフォームで150キロを超えるストレートで相手打者をねじ伏せている。
「先発をやって自分が思ったより力まなくても球速とかも出ていましたし、バッターの反応もファウルが多かったり、フライアウトが多かったので、せっかく先発の経験をさせてもらったので、実際に中継ぎでもやらなきゃ意味がないと思うので、それを実践している感じです」。
横山は11日の西武戦、2-1の7回に登板し、先頭の外崎修汰を1ボール2ストライクから外角の152キロストレート見逃し三振に仕留めると、続く渡部聖弥を152キロのストレートで右飛、セデーニョに外角のスライダーを見極められ四球を与えたが、代打・山村崇嘉を151キロのストレートで中飛に打ち取り、1回を無失点に抑えた。これで横山は4試合連続無失点となった。
力感のないフォームでも150キロを超えるストレートを投げている。「力んでしまうとコントロールのばらつきが出てしまうので、そこをしっかりコントロールしながら、出せる範囲で球速を出していくというところで今は突き詰めてやっています。もっとコントロール、力感なく投げて球速がしっかり出るようにやっていければいいのかなと思います」。
力感のないフォームで投げる中で、打たれたら怖いなと思ったりすることはないのだろうかーー。
「もちろんめちゃめちゃありますね。力ない球がいくんじゃないかという思いもあるんですけど、そういうところはしっかり長打がないコース、高さを間違えないように投げている感じです」。
◆ イニングまたぎも
11日の西武戦は1イニングの登板だったが、5日のオリックス戦では2イニングを投げるなど、1イニングだけでなく、複数のイニングを投げる日もある。難しさはないのだろうかーー。
「だいたい試合展開でもう1イニング行きそうだなというのがわかるので、あらかじめ心の準備をしていますし、特に回またぎをするかと言って自分の投球を変えることもないです。球が2イニング目に悪くなるということもないので、そこは全然意識していないというか、なんとも思わず投げています」。
イニングまたぎでの登板の時は、1イニング目を投げ終わった後に、1回スイッチを切ったりするのだろうかーー。
「スイッチは切りますね。リラックスというか、いったん良かったなという感じで、はい。ベンチにいます」。
様々な役割を柔軟にこなす横山。「今やっているみたいにイニングまたぎもあるでしょうし、短いイニング、ワンポイントからのイニングまたぎも、もしかしたらあるのかなと思うので、そういうところは自分の中でも想定しながら、しっかり結果を出していければいいかなと思います」。状況や場面に応じて役割を果たし、スコアボードに“0”を並べていく。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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≪7/13≫
「早くここで投げたいなというか、戻ってきたいなと思いました」。
ロッテの早坂響は1年目の昨季、ZOZOマリンスタジアムで行われた新人合同自主トレの際、本拠地でのマウンドに上がりたいという思いを口にしていたが、その目標が達成された。
ZOZOマリンスタジアムで行われた12日の西武戦、0-5の9回に登板。先頭の渡部聖弥を147キロのストレートで二飛に仕留めると、続く長谷川信哉をストレートで左飛、最後は古賀悠斗を146キロのストレートで右飛に打ち取り、一軍公式戦初めてのZOZOマリンスタジアムでのマウンドは1回を無失点に抑えた。
◆ ファームで課題を持って過ごす
早坂は高卒2年目の今季、5月11日に一軍登録され、同日の西武戦で一軍デビューを果たし、同月14日の楽天戦で1回を無失点に抑えたが、同月16日に一軍登録抹消された。
実際に一軍登板して、「真っ直ぐは自分の武器だと思うんですけど、それもしっかり前に弾き返されたりしたので、そこはまだ練習してレベルアップしていけないところかなと思いました」と課題を口にし、「細かいことよりも四球を減らす、ファーストストライク取るとか、ピッチャーとしてのシンプルだけど難しいようなところを一番意識して、とにかくゼロで抑えていくことを意識してやっています」とファーム降格直後に話していた。
5月16日に一軍登録抹消されてから7月11日に再昇格するまで早坂は、「ファームでしっかりゼロで抑えられているところがあるので、少しずつ結果を出せるようになってきたかなと思います」と、ファームで8試合・12回2/3を投げ、防御率0.71、7被安打、10奪三振、3与四球という投球内容と、課題を克服した印象だ。
四球が減少し、2イニング投げた6月10日のDeNA二軍戦こそ37球だったが、6月22日の西武二軍戦が2回・23球、7月2日の楽天二軍戦が2回・19球、7月5日のヤクルト二軍戦が2回・27球、7月8日の日本ハム二軍戦が2回・26球と、少ない球数で抑えていた。
その理由について「今までボール1球投げたら、そのボールの残像というか、イメージみたいなものを引きずってしまって、よくない方にズルズルいくことがあったんですけど、気持ちの切り替えだったり、四球を出しても次のバッターでしっかり勝負する気持ちでやれているところが良い方向に行っているのかなと思います」と説明した。
ファームでは2イニング投げた登板の多くが、1イニング目は「自分の持ち味としてストレートを磨いていきたいところがあるので、ストレートで勝負していくところをキャッチャーと話しています」と、ストレート主体の投球で、7月2日の楽天二軍戦が1イニング目の7回に14球中12球ストレートを投げれば、7月5日のヤクルト二軍戦は1イニング目の6回は9球全てストレートだった。
変化球でもフォークで空振りが奪え、本人も「最近だと安定してカウントを取れているかなと思います」と話し、スライダーも「空振り取れたりとか、カウントを取れたりもできるようになってきているかなと思います」と良い感覚で投げられている。
前回昇格した時よりも、「数字的なところでも防御率も下がってきていて、打たれているところも最近は連打されなくなってきている。変化球もそうですが、劇的という感じではないですけど、少しずつ良くなっているかなと思います」と成長して一軍の舞台に戻ってきた。
「1日でも長く、ずっと今シーズン一軍で投げ続ける気持ちでやっていきたいと思います」と力強い言葉を残した早坂。同学年の寺地隆成、木村優人は一足早く一軍で活躍している。「自分は自分みたいなところはあるんですけど、たとえば木村、寺地が活躍していたら刺激になる部分はありますね」。同学年の寺地、木村とともに一軍で躍動する姿、ZOZOマリンスタジアムで活躍する姿がそう遠くない未来に訪れるはずだ。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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