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Life Together...

命のこと、自然のこと、地球のこと、共生について。。。

動物愛護管理法改正に向けてのシンポジウム③

2010-09-23 18:24:25 | 動物たち
9/20に行われた「動物愛護管理法改正に向けてのシンポジウム」の紹介です。
今回でおしまいです。

今回は、成田司氏を紹介させていただきます。

シンポジウムで配布された講演者紹介より抜粋。

成田司
㈱コークア社長・元ペット販売業
ペット販売業経験。
その過酷な実態から、現在はペット用品販売などを手掛けながら、
日本版ティアハイム(ドイツの動物保護施設)設立を目指している。


パネラーの全員が、元々動物愛護・保護の観点から現在の職業に就いている中、
成田さんだけは、元ペット販売業者。
いわゆる法規制の対象となる側の職業に就いていた方です。
もちろん、現在は違います。

講演の時間は短かったのですが、ペット業界の裏側を端的にお話してくださいました。

上記の紹介にもあるように、現在は、日本版ティアハイム(ドイツの動物保護施設。下記参照)設立を目指しながら、
ブログなどに、過去に成田さんが経験したペット業界でのペットの扱いなどについて
紹介してくださっています。

成田さんのブログ
日本版ティアハイム建設を実現しよう!!
コークアペット用品通販ページ
ダイエットペット For Healthy Dog Life



シンポジウムでの話しは、成田さんがかつて働いていたペット業界でのことが大半で、
「ペットオークション」、いわゆる「ペットの競り」については、
非常に劣悪な環境で、ペットが売買され、そういった経路を通過し、
私たちがよく見る、明るくかわいらしいペット屋さんに、子犬たちが陳列されているのだ
ということがよく分かりました。

ペットショップに並ぶ子犬たちの一番の売れ筋は、生後50~80日。
そこから逆算して、ペットオークションに並ぶのは、生後25~35日。

今回の法改正でも焦点となっているのですが、8週齢(50~60日)までは、
親犬から引き離すべきではないということになっています。
理由は、犬の社会化や、免疫の問題です。
親犬や兄弟犬と引き離された子犬は社会性を身に付けることなく、
市場に出回り、飼い主の手に届きます。
社会性がないということは、しつけにおいても、困難を要することになり、
また、これだけ早いうちに引き離されると、本来生後42日前後に親犬からもらう
免疫力もなく、病気になりやすい犬になる恐れがあります。


しかし、ペットオークションでは、「流行の犬をたくさん繁殖させ、売り、儲ける」ことが目的です。

成田さんもお話されていましたが、オークション会場では、
「犬は命ではなくなる、単なる商品になっている」とのことです。

小さな子犬を片手で持ち上げ、おなかや耳やシッポを、買い手にざっと見せ、
「○○円から」という声から始まり・・・・
競り、そのままですね。


また、色々な理由で売れ残ったペットたちは、注射による安楽死だそうです。
成田さんもそれを何度も経験したそうです。

安楽死させられる犬をひざに乗せ、注射を持つわけですが、
ひざに乗せられた犬は、人間と触れられて、目の前に殺処分が待ち構えている状況であるにも関わらず、
成田さんの目を見て、ひざに乗せてもらったことを喜ぶそうです。

成田さんは、犬に注射をし、死の瞬間に感じるときは、
「一瞬軽くなり、その後どっしりと重くなる」そうです。

成田さんの言葉は、私にもずっしりと重くのしかかります。
ペットショップに並ぶ多くの犬たちは、こうした過酷な状況を乗り越えてきたのです。
またその犬たちの裏側では、多くの命が奪われていたのです。


ここには書ききれないほど、多くの裏の話をしてくださいました。
詳しいことは、上記の成田さんのブログにも紹介されています。

ペット業界の裏を充分知っている成田さんだからこそ、伝わってきた、
本当の業界の姿。
こういったことを知らずに、ペットショップなどから買ってしまう私たち。

業界の取り締まりも必要ですが、私たち消費者は、このような裏事情を知る必要があります。
この事情を知ったら、もうペットショップから犬や猫、ウサギやその他の小動物、野生動物を
購入することは避けたいです。
私たちが一人でも多く、ペットショップから買うことを止めれば、ペットオークションもなくなり、
利益だけのために繁殖させるブリーダーもいなくなるでしょう。


成田さんは、今の流通にメスを入れること、
販売時に、どのようなブリーダーにより、どの親犬から生まれた子なのかを明示すること、
(今の仕組みだと、これは非常に不可能だそうです。
 理由は、悪徳ブリーダーはできるだけ身を隠し、世の中に明らかにされないオークションで売買しているから。
 この明示を義務付ければ、ペットオークションと言う仕組み自体がなくなるはずだと。。)
など、繁殖側・販売側・流通側への規制の強化を訴えていました。

私は、できれば成田さんのように、かつてペット業界にいて、今はそこから離脱し、
その業界の闇の部分を明らかにしてくださる方が、たくさん声を上げていただけると、
私たち市民の認識も随分変わるのではないかと思いました。

成田さんのブログに、目を通してみてください。
成田さんが伝えたいことがたくさん、書かれています。






※ティアハイムとは
 ドイツ全域にある動物保護施設。
 ドイツ語で「動物の家」
 「help animals」参照。
 ドイツは、動物愛護の取り組みが非常に盛んな国です。

動物愛護管理法改正に向けてのシンポジウム②

2010-09-22 16:28:19 | 動物たち
9/20 @麻布大学で行われた「動物愛護管理法改正に向けてのシンポジウム」
のつづきです。




細川敦史氏
細川さんは弁護士です。
特に、動物やペットに関することを専門にされているのではないと壇上ではお話されていましたが、
細川さんが活動している「THEペット法塾」には、ペットやノラネコなどへの虐待などについて、
細川さんが関与した事件などが紹介され、声明などが発信されています。

今回は、シンポジウムでのお話ではなく、細川さんの活動(THEペット法塾)について
ご案内します。


THEペット法塾

おもな活動として、
「現実の事件や現場の問題事例をもとに、法律の専門家である弁護士と
 動物保護活動のボランティア、一般飼い主などが協力して、
 法的な解決に向けて取り組んでいます。
 そして、具体的な事件や問題事例を通じて、
 法律の内容や運用に関する問題・改善すべき点を明らかにし、
 これを『動物法ニュース』等の媒体やシンポジウムで広く発信することによって、
 よりよい法律の制定・運用につなげる活動を展開しています。」

ペット法塾とは より抜粋)

会場では、上記のボランティアの方と思われる数名の女性が、
細川さんに(静かではありましたが)エールを送るなど、ほほえましい場面もあり、
きっと、この活動は、弁護士先生と市民とが、ひとつになって、
動物たちを守る心のこもった活動をされているような印象を受けました。

拠点は大阪ですが、このような活動は素晴らしいと思います。
どちら(弁護士・市民)が上ということでなく、動物愛護、保護と言う観点で、
法からの視点、市民の視点をすり合わせながら、
参加しているボランティア市民は法についても知識を深めることができますし、
また弁護士も、市民(犯人然り)がどのような感情や動機で事件を眺めるかを
実際の声で受け止めることができるからです。

このような団体は全国にどれくらいあるのでしょうか。

/////

余談ですが、今回のシンポジウムは、大変勉強になったのですが、
スピーカー(主催側)と、聴衆者(市民)との間に、若干隔たりがあったことも肌で感じました。

そこに上下関係はないはずですし、さまざまな意見が交換されるべき場であるにも関わらず、
(時間の問題もありますが)
壇上にいる先生方と(今回の愛護法改正の市民代表である委員の方もいらっしゃいます)、
私たちとにどことなく距離感があるように感じました。
市民の代表として、声をあげるべきスピーカー(行政の方もいらしたので全員ではありませんが)が、
聴衆者側の話を聞くことができない場面もあり、個人的に
「愛護目的の集まりなのに、対人間には差別的意識が多少なりともある」と
感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。。

/////


そういう意味でも、異なる立場の人々が、動物を愛し、権利を守る というこのような活動が、
全国に広がっていけばいいなと思いました。

こちらの団体以外にも、同じような団体があれば、教えていただけると(コメントいただけると)ありがたいです。


動物愛護管理法改正に向けてのシンポジウム①

2010-09-21 22:00:51 | 動物たち
『動物愛護管理法改正に向けてのシンポジウム』に行ってきました。

9/20 @麻布大学(神奈川県相模原市)

午前9時~16時というまる一日、素人の私にも充実した内容でした。
パネラーには、愛護に向けてさまざまな活動をされている7人の方々。


兵頭哲夫氏(獣医師・兵頭アニマルケア代表)

西山ゆう子氏(アメリカ獣医師・Villege動物病院院長)

細川敦史氏(弁護士・THEペット法熟事務局長)

小林直人氏(神奈川県動物保護センタ業務課長)

成田司氏(㈱コークア社長・元ペット販売業)

渡辺眞子氏(作家・環境省中央環境審議会動物愛度部会動物愛度管理のあり方検討小委員会委員)

中野真樹子氏(獣医師・國際動物福祉基金日本事務所スタッフ)


どの方のお話も興味深いものでしたが、その中で、
西山ゆう子先生、細川敦史先生、成田司氏について、
紹介したいと思います。


西山ゆう子先生は、アメリカ在住の獣医師ですが、
今回はアメリカと日本の動物愛護のあり方の違いについて明確に
お話くださいました。

一番大きな違いは、3点。

一つ目は、【市民の意識】
二つ目は、【通称アニマルポリスの存在】
三つ目は、【法の規制の厳しさ】

三つ目【法の規制の厳しさ】については、飼うにも、繁殖させるにも、何をするにも、
規制規制規制。。。
登録も必要だし、様々な規制があるし、それを少しでも破ると、
罰金なり実刑なり。。。

またこの法律は、時代や状況によって、流動的で、
おそらく起こった虐待などの事件によってどんどん厳しくなっているのだと思います。

私は、どんなに法律が厳しくなっても、その業界が
「儲かる」業界であれば、必ず闇があると考えています。
法の目をくぐって、そういった人達はどんな方法でも儲かることをします。

そこで、一つ目の【市民の意識】です。
三つ目が有効的になるためには、一つ目、市民の意識の高さが必要になります。

ようは、ペットをむやみに欲しがらないということです。
特に、”かわいい”という理由で、生後2ヶ月ほどの子犬や子猫を欲しがることは、
犬猫の社会性を奪ったり、遺伝性の病気などを見つけにくくしたり、
ペットショップなどのざわついた環境での展示により、ストレスを与えるなど、
まったく犬猫の生活を考えない環境での売り買いということになります。

アメリカの場合、生体販売はほとんどないということです。

犬や猫がほしいときは、シェルター(迷子犬や猫、繁殖させられ育てきれなくなった
ブリーダーからの保護などがきちんと管理されている)
に行き、成犬や猫を求めることがほとんどだということです。

”かわいい”という衝動的なものはなく、むしろ、きちんと健康管理がなされ、
しつけもされている1~2歳の子を求めることがほとんどだそうです。

こうなると、三つ目の【法の規制の厳しさ】の網の目をくぐる悪徳業者はいなくなります。

さらに、二つ目の【通称アニマルポリスの存在】です。

彼らは、いわば、動物愛護・管理のプロです。
警察のようにパトロールし、虐待や管理に不行きがないかなどを見て周り、
あれば、注意喚起、状況によっては(またポリスの種類によって)現行犯逮捕もできる
権限を持っています。

日本にはまったくない仕組みです。

市民の意識が高いといっても、やはりアニマルポリスは必要なんですね。

たとえば、24Hを超えて、犬を放置すると、罰金または実刑だそうです。
たとえ、きちんとご飯や水を準備し、犬がストレスなく庭や家の中を歩き回ることが
できたとしても。。
日本などでは、土日をつかって家族旅行(土曜日の朝出発し、日曜日の夜帰宅)を
すると、もうそこでアニマルポリスが登場するわけです。


これだけの違いがあるアメリカと日本。
ここまでもっていくには、日本はまだまだ整備が必要です。

法律を制定することやアニマルポリスを設置することは可能であっても、
やはり一番肝心なのは、市民の意識の問題であると考えます。

消費者としての市民。
ブリーダーなどの業者としての市民。

ほとんどは消費者としての市民ですが、私たちが”小さくてかわいいから”とか、
”今この犬種が流行っているから”とかの理由で買ってしまうことは、
本当に命を大切にしていることなのか?

またブリーダーなどの業者としての市民(この話は成田さんの記事で紹介します)は
犬や猫を、命として扱っているか?

このあたりに大きな鍵があると思います。


今回の法改正が、どれだけアメリカ(全てが正しいというわけではありませんが)の
ような法律に近づけられるか。
道はほど遠いようですが、私たちにできることは、意識を高めることだと思います。
もう一度、今飼っている犬や猫やその他の動物の権利が守られているか、
ストレスなく生活できているか、
またこれから飼おうと思っている場合、その気持ちは、犬や猫の生涯(15~20年先)通じて
変わらないか。
などをきちんと考える必要があると思います。


次の記事で、あらためて細川先生・成田氏についてお伝えしたいと思います。



pawpads(ぱうぱっず) 里親会に行ってきました

2010-09-19 20:19:39 | 動物たち



9月17日、湘南エリアを中心に活動する、pawpads(ぱうぱっず)の
里親会が、辻堂海浜公園でありました。

pawpads(ぱうぱっず)のブログ
pawpads(ぱうぱっず)のホームページ

初めてのことだったので、私もちょっと緊張。
少しだけ、女性のスタッフさんとお話ができました。

「湘南」なので、てっきり神奈川県の収容センタからの引き上げが多いのかと
思っていたのですが、話を聞くと、
千葉や茨城が多いそうです。
理由は、神奈川県は収容される数がまだ少ないほうだし、他のボランティアさんの引き取りがあるため、pawpadsは、別のエリアからの引き上げをしているとのこと。

当然の話といえば当然なのですが、命に県境なんてないですものね。。
先日、神奈川県の保護センタに行ったばかりなので、この臨機応変さが、
さすが民間団体だなと、あらためて・・・。

(決して行政を責めているのではありません。これは本当に今は仕方のないことなので)

で、スタッフさんは、さらに、今は埼玉で、45頭の多頭飼い崩壊が起きている、
そこにレスキューに行かないといけないとも言っていました。

日本SPCA(日本動物虐待防止協会)より 45 頭ブリーダー崩壊

また、ブリーダーの悪徳業者の話はいろいろ聞きますが、経費削減などのため、
不必要になった犬を餓死させて、廃棄することもあるそうです。
この日見たシュナも、通常より痩せ気味だったのですが、このような業者から
保護センタを経由して、pawpadsのメンバーが保護したそうです。
保護当時は、シュナとは思えないほどガリガリだったそう。。

すべてのブリーダーではありませんが、やはり、現実に、こういう実態もあるのですね。
流行の犬種を、狭いゲージに閉じ込めて、交配させるときだけゲージから出す。
年に数回の交配。
ボロボロになった痛々しいメスの写真も時々見ます。

そして今回のシュナのように、もう使えなくなったら餓死させ廃棄処分。
生きたまま捨てると不法投棄になるため、死んでゴミと一緒に捨てるのでしょう。。
本当に酷い話です。

このシュナのように、運よく引き上げられる子もいれば、そのまま保護センタなどで、
殺処分されることもあります。
なんのために生まれてきたのか。。
こういう現実を聞かされると、人間って本当に身勝手な生き物だと思います。
自分たちの私腹を肥やすために、品種改良し繁殖させ、使い物にならなくなったら
殺して捨てる。。。

どう思いますか?

人間を責めても仕方ないので、仕組みや意識を変える努力をしましょう。。

話はpawpadsに戻りますが。。
私に出来ることって、どんなことがあるだろうと聞いて見ると、

今の現実を周囲に知らせることも、大切な役目なんです。
例えば、今日のような里親会の情報を近所の方や友達に知らせることによって、
悲惨な犬猫の現状を知ってもらうきっかけにもなるし、
そもそも私たちのような活動自体を知ってもらうことも大切です。
だから、マンションだからといって何も出来ないと縮こまる必要はないんですよ。
チラシ配りなどによる周知も立派な活動です。

私に何ができるだろうと考えている方。
例えば自分のブログやmixi、ツイッターで、
また家族や友達に、現状を知らせることも、充分一人ひとりの意識の向上につながります。

やはり現場の人の言葉は力強いです。
私もなんだかホッとしました。

そして一番嬉しかったのは、こういった問題は、厳しい規制を引けない国や行政を
責めるのでなく、個人個人の意識の問題だ という内容のことをおっしゃったことです。

私もすごく同意します。
国や行政というシステムを責めたとしても、捨てるのも個人、
悪徳ブリーダーも個人の集団。
関心を持たないのも個人なわけです。

勿論、国が先頭に立って愛護への積極的法改正を行うことが一番だとは思うのですが、
一人ひとりの意識や道徳感が向上しないことには、
本当の問題解決とは言えません。


次回のpawpadsの里親会は、
10/9(土)12:00~15:00 @辻堂海浜公園 です。

犬や猫を欲しいと思っていない方も、遊びにきてはいかがでしょうか。。


















犬や猫が迷子になったとき。。

2010-09-16 15:05:44 | 動物たち


環境省 収容動物データ検索サイト

犬や猫が迷子になったとき、各行政の窓口に問い合わせれば、
各行政の愛護センタや動物保護センタに収容されていなくても、
情報がセンタに入っている場合もあります。

保護してくれた個人の方が、センタに届出してくれていることもあるのです。

犬や猫、その他の動物が迷子になったら、まず、近くの行政の
センタに電話で問い合わせてみてください。

神奈川県の迷子犬の場合、約半数が、ちゃんと飼い主さんの
元に戻れているそうです。

きっとこれは時間との勝負もあると思います。

迷子として収容された子は、5日~2週間ほど、web掲載され、
飼い主が見つからないと、所有権が県(または市などの行政)に移ります。

所有権が県に移ると、状況に応じて、殺処分、譲渡犬・譲渡猫、
コンパニオン動物(老人ホームの慰問などをします)などになります。

所有が県などに移った後の、犬猫の行き先は様々なので、
一層探しにくくなります。

迷子になってしまった場合、すぐにセンタに
「こういう特徴の犬(猫)が迷子になった」と知らせておきましょう。

犬や猫は、飼い主だけが頼りです。
飼い主が探してあげなければ、永遠に飼い主の元に戻れないでしょう。
(戻れるケースももちろんありますが。。)

センタの犬舎や籠の中で、くんくん、みゃあみゃあ鳴き続けて、
怯えている犬や猫を想像してみてください。

小さな命も大切に。。。