日 常 生 活 密 着 型 異 種 格 闘 技 バ ー
M's Bar 営業中
ACM初体験~前編
皆さんはACMってご存知ですか?
今日ね、用事があって銀行に行って来たんです。
『ACMでお手続きお願いします』って案内されて初めて知ったんですが、『ATM』じゃなくって『ACM』っちゅう機械が出来たらしいんですよ。その手の省略称号が異様に気になるわしが帰宅後すかさず調べたところ、
ATM=Automated Teller Machine『現金自動預入れ及び引出し機』
ACM=Automated Consulting and contract Machine『自動応対サービス機』
っちゅう事なんですが、まぁ英語はさておき。
ACMって何じゃ?と首を捻るわしが係員に連れて行かれたのは、ATMが並んでるコーナーの片隅の、ちょっとした個室ブース。
中に入って椅子に腰掛けると、丁度顔の前の位置にATMのタッチパネルみたいなヤツがあり、その下には書類を出し入れするための、ATMの現金出入口みたいなのが付いている。
机の上はコピー機のようになっていて、扉をぱかっと開けるとスキャナーが現れ、身分証明書等をスキャン&リアルタイム送信できるようになっている。これらを使って、口座開設や住所変更やローン申込等の各種手続きが、窓口で順番待ちをすることなく機械で簡単に出来ちゃうらしいんです。
…ぬぉぉぉう。何てハイテクな世の中になったんじゃぁ。
わしがヒキコモリ生活してるうちに、外界はどんどん進化しておるのぉ。
すごいぞすごいぞ。なんだかドラえもんの世界っぽいぞ。
これじゃぁ、全ての銀行が無人化される日もそう遠くはないなぁ。
…などと感心しながら、画面の指示に従ってタッチパネルのボタンを押していくと、突然画面上に子画面が出現して
『お待たせ致しました。本日担当させて頂きます○○と申します』
と、こぼれんばかりの営業スマイルのおねいさんが登場したではないか。
ぬぉぉぉ!こいつはテレビ電話になっとるのか!
しかも、ほとんどタイムラグのないスムーズなテレビ電話ではないか。
ぬぉぉぅ、すごい。すごすぎる。ますますドラえもんワールドだ。
オペレーターが画面上で親切に指示してくれるなら、お年寄りでも安心だしなぁ。それにしても、なんとも初々しいおねいさんであることよ。新卒ほやほやかなぁ?スレてないっちゅぅか、まだ板に付いてないぎこちない営業スマイルがオヤジ心をくすぐるっちゅぅか。まぁ手っ取り早く言えばわしの好みの顔だ。
そんなわしの感動を知ってか知らずか、インカムを装着したオペレーターのそのおねいさんは、子画面いっぱいに笑顔を振りまきながら言います。
『まず左手にございます受話器をお取り下さい』
おお?これか?なんで受話器?自分はインカム付けてるくせに。
わしもインカムがええなぁ。インカムの方がかっこええのになぁ…などと不満に思いながらも、受話器を取りました。
これ以降、子画面の中のおねーちゃんの顔を見つつ、音声は受話器でやりとりするわけです。
『はい、それではお客様番号をお教え下さい』
『えっと~、××××、△△△△、○○○、・・・・です』
と十数桁の数字を答えながら画面を見ると、おねーちゃんはうつむき加減でカチャカチャ入力してる様子。と同時に、メイン画面の顧客番号の欄に、わしが今言ったばかりの数字が次々と表示されていくではないか。
うぉぉぉぉ。おねーちゃんが入力してる文字が、リアルタイムで画面に出るんだ。すんごいなぁ~画期的。ビバハイテク!ビバおねいさん!
…それにしても、ちょっと入力遅いなぁ。
これじゃぁわしの方がまだ早いんでないかい?
テンキーでこれじゃ、文字入力はもっと遅そうだなぁ。
まぁ、可愛いから許しちゃうけど。
やっぱ新人さんなんだろうなぁ。
…あっ!そこは200じゃなくて020なのに。
ちゃんと復唱までしてたのに、なんで間違っちゃうのん?
これ…間違い指摘していいもんなんかなぁ?
一生懸命やってるのに、おねいさん傷つくよなぁ…。
『うぅっ(泣)私、辞めますっ』とか泣いちゃわないかなぁ。
でも最初に顧客番号を聞いてきたってことは、その番号から顧客データを呼び出すってことだよなぁ。
この画面にある、住所・氏名・電話番号・生年月日とか空白の欄はさぁ、顧客番号から呼び出されて一気に自動入力されるようになってるんじゃないのかなぁ。
その検索キーの番号が間違ってたんじゃこの先進めないもんなぁ。
やっぱ教えてあげなきゃマズイよなぁ。
『すいません。私番号言い間違えちゃったみたいです』
とか言えば、おねいさんもプライドが傷つかなくていいかなぁ?
それともズバリ『そこ間違えてますよ』って言った方が、おねいさんの今後のタメかなぁ。う~むむぅぅ。
…などとわしがあれこれ悩んでいると、
『お待たせ致しました。ではデータを検索しますので、受話器を置いてしばらくお待ち下さいませ』
と言い残し、おねいさんの子画面はフッと消えてしまいました。
あっ。あっあっあっおねいさーん!ちょっとちょっと!
検索しても出ないってばぁ!と言う隙も与えられず、ポツンと取り残されたわし。
…ぬ~むむぅ。まぁこうなったらしょうがないか。
検索に失敗すれば、番号が間違ってる事に気付くだろうしな。まぁ待ちましょ。
それにしても、よう作ったなぁ、こんな機械。
むっちゃ高いんだろうなぁ。数千万円単位?
おぉう、ちゃんと朱肉と印鑑拭きティッシュも設置されてる。
この印鑑拭きティッシュというヤツは、銀行用に特別生産されてるのかなぁ?
それとも暇な時に行員が手分けしてちまちま切って作ってんのかなぁ?
新人さんの役目なのかも。
『あ~ぁ毎日毎日印鑑ティッシュ切らされてぇ~チョームカツクぅ~』
などと給湯室で愚痴ってるのかなぁ。
…おっと。あんまりキョロキョロしとると、挙動不審で係員がすっ飛んで来ちゃうな。どっかに隠しカメラが仕込んであってこっちの様子はどっかで監視されてるんだろうからなぁ。
…それにしても遅いなぁ。遅すぎるよなぁ。
間違った顧客番号で検索かけても『該当するお客様は存在しません』とか出てるんだろうなぁ。おねいさん困って泣いてるのかなぁ。
大丈夫かなぁ?それとも懲りずに何度も検索かけてるのかなぁ?
何度やっても出ないもんは出ないんだけどなぁ。番号違うんだから…
『大変お待たせして申し訳ございませんでした』
キタキタキタァァァァ。
おねいさん、やっと登場。
…ぬ?
子画面の中の彼女の額が、なにやらキラキラ輝いている。
ま…まさか…汗…?
汗かくほど何度も検索かけてたというのか?
わ…悪い事しちゃったなぁ。
さっさと教えてあげれば良かったよ。
ごめんよぉ、おねいさん。
あ~ぁ。なんかこの数分の間に、3つも4つも年とっちゃったみたいにヤツレてるなぁ。
相当困ってパニクっちゃってたんだろうなぁ。
営業スマイルも強ばって、なんか目がオドオドしちゃってるし。
これからわしに顧客番号をもう一度言わせて、再検索してる間また待たせなきゃならないんだから、ビクビクしてるんだろうなぁ。
きっと前にも『貴様のミスで客を待たせるとはけしからん!』とか怒られた苦い経験があるのかもしれないしなぁ。
でも大丈夫だよ、おねいさん。わしはそんなに意地悪じゃないよ。
もう一度顧客番号言い直すくらい、屁でも…
長いので後編に続く。
今日ね、用事があって銀行に行って来たんです。
『ACMでお手続きお願いします』って案内されて初めて知ったんですが、『ATM』じゃなくって『ACM』っちゅう機械が出来たらしいんですよ。その手の省略称号が異様に気になるわしが帰宅後すかさず調べたところ、
ATM=Automated Teller Machine『現金自動預入れ及び引出し機』
ACM=Automated Consulting and contract Machine『自動応対サービス機』
っちゅう事なんですが、まぁ英語はさておき。
ACMって何じゃ?と首を捻るわしが係員に連れて行かれたのは、ATMが並んでるコーナーの片隅の、ちょっとした個室ブース。
中に入って椅子に腰掛けると、丁度顔の前の位置にATMのタッチパネルみたいなヤツがあり、その下には書類を出し入れするための、ATMの現金出入口みたいなのが付いている。
机の上はコピー機のようになっていて、扉をぱかっと開けるとスキャナーが現れ、身分証明書等をスキャン&リアルタイム送信できるようになっている。これらを使って、口座開設や住所変更やローン申込等の各種手続きが、窓口で順番待ちをすることなく機械で簡単に出来ちゃうらしいんです。
…ぬぉぉぉう。何てハイテクな世の中になったんじゃぁ。
わしがヒキコモリ生活してるうちに、外界はどんどん進化しておるのぉ。
すごいぞすごいぞ。なんだかドラえもんの世界っぽいぞ。
これじゃぁ、全ての銀行が無人化される日もそう遠くはないなぁ。
…などと感心しながら、画面の指示に従ってタッチパネルのボタンを押していくと、突然画面上に子画面が出現して
『お待たせ致しました。本日担当させて頂きます○○と申します』
と、こぼれんばかりの営業スマイルのおねいさんが登場したではないか。
ぬぉぉぉ!こいつはテレビ電話になっとるのか!
しかも、ほとんどタイムラグのないスムーズなテレビ電話ではないか。
ぬぉぉぅ、すごい。すごすぎる。ますますドラえもんワールドだ。
オペレーターが画面上で親切に指示してくれるなら、お年寄りでも安心だしなぁ。それにしても、なんとも初々しいおねいさんであることよ。新卒ほやほやかなぁ?スレてないっちゅぅか、まだ板に付いてないぎこちない営業スマイルがオヤジ心をくすぐるっちゅぅか。まぁ手っ取り早く言えばわしの好みの顔だ。
そんなわしの感動を知ってか知らずか、インカムを装着したオペレーターのそのおねいさんは、子画面いっぱいに笑顔を振りまきながら言います。
『まず左手にございます受話器をお取り下さい』
おお?これか?なんで受話器?自分はインカム付けてるくせに。
わしもインカムがええなぁ。インカムの方がかっこええのになぁ…などと不満に思いながらも、受話器を取りました。
これ以降、子画面の中のおねーちゃんの顔を見つつ、音声は受話器でやりとりするわけです。
『はい、それではお客様番号をお教え下さい』
『えっと~、××××、△△△△、○○○、・・・・です』
と十数桁の数字を答えながら画面を見ると、おねーちゃんはうつむき加減でカチャカチャ入力してる様子。と同時に、メイン画面の顧客番号の欄に、わしが今言ったばかりの数字が次々と表示されていくではないか。
うぉぉぉぉ。おねーちゃんが入力してる文字が、リアルタイムで画面に出るんだ。すんごいなぁ~画期的。ビバハイテク!ビバおねいさん!
…それにしても、ちょっと入力遅いなぁ。
これじゃぁわしの方がまだ早いんでないかい?
テンキーでこれじゃ、文字入力はもっと遅そうだなぁ。
まぁ、可愛いから許しちゃうけど。
やっぱ新人さんなんだろうなぁ。
…あっ!そこは200じゃなくて020なのに。
ちゃんと復唱までしてたのに、なんで間違っちゃうのん?
これ…間違い指摘していいもんなんかなぁ?
一生懸命やってるのに、おねいさん傷つくよなぁ…。
『うぅっ(泣)私、辞めますっ』とか泣いちゃわないかなぁ。
でも最初に顧客番号を聞いてきたってことは、その番号から顧客データを呼び出すってことだよなぁ。
この画面にある、住所・氏名・電話番号・生年月日とか空白の欄はさぁ、顧客番号から呼び出されて一気に自動入力されるようになってるんじゃないのかなぁ。
その検索キーの番号が間違ってたんじゃこの先進めないもんなぁ。
やっぱ教えてあげなきゃマズイよなぁ。
『すいません。私番号言い間違えちゃったみたいです』
とか言えば、おねいさんもプライドが傷つかなくていいかなぁ?
それともズバリ『そこ間違えてますよ』って言った方が、おねいさんの今後のタメかなぁ。う~むむぅぅ。
…などとわしがあれこれ悩んでいると、
『お待たせ致しました。ではデータを検索しますので、受話器を置いてしばらくお待ち下さいませ』
と言い残し、おねいさんの子画面はフッと消えてしまいました。
あっ。あっあっあっおねいさーん!ちょっとちょっと!
検索しても出ないってばぁ!と言う隙も与えられず、ポツンと取り残されたわし。
…ぬ~むむぅ。まぁこうなったらしょうがないか。
検索に失敗すれば、番号が間違ってる事に気付くだろうしな。まぁ待ちましょ。
それにしても、よう作ったなぁ、こんな機械。
むっちゃ高いんだろうなぁ。数千万円単位?
おぉう、ちゃんと朱肉と印鑑拭きティッシュも設置されてる。
この印鑑拭きティッシュというヤツは、銀行用に特別生産されてるのかなぁ?
それとも暇な時に行員が手分けしてちまちま切って作ってんのかなぁ?
新人さんの役目なのかも。
『あ~ぁ毎日毎日印鑑ティッシュ切らされてぇ~チョームカツクぅ~』
などと給湯室で愚痴ってるのかなぁ。
…おっと。あんまりキョロキョロしとると、挙動不審で係員がすっ飛んで来ちゃうな。どっかに隠しカメラが仕込んであってこっちの様子はどっかで監視されてるんだろうからなぁ。
…それにしても遅いなぁ。遅すぎるよなぁ。
間違った顧客番号で検索かけても『該当するお客様は存在しません』とか出てるんだろうなぁ。おねいさん困って泣いてるのかなぁ。
大丈夫かなぁ?それとも懲りずに何度も検索かけてるのかなぁ?
何度やっても出ないもんは出ないんだけどなぁ。番号違うんだから…
『大変お待たせして申し訳ございませんでした』
キタキタキタァァァァ。
おねいさん、やっと登場。
…ぬ?
子画面の中の彼女の額が、なにやらキラキラ輝いている。
ま…まさか…汗…?
汗かくほど何度も検索かけてたというのか?
わ…悪い事しちゃったなぁ。
さっさと教えてあげれば良かったよ。
ごめんよぉ、おねいさん。
あ~ぁ。なんかこの数分の間に、3つも4つも年とっちゃったみたいにヤツレてるなぁ。
相当困ってパニクっちゃってたんだろうなぁ。
営業スマイルも強ばって、なんか目がオドオドしちゃってるし。
これからわしに顧客番号をもう一度言わせて、再検索してる間また待たせなきゃならないんだから、ビクビクしてるんだろうなぁ。
きっと前にも『貴様のミスで客を待たせるとはけしからん!』とか怒られた苦い経験があるのかもしれないしなぁ。
でも大丈夫だよ、おねいさん。わしはそんなに意地悪じゃないよ。
もう一度顧客番号言い直すくらい、屁でも…
長いので後編に続く。
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