Capriccioso 街角の本屋 +++ miyu's room+++

「ひとりごと」を言うのではなく書こう☆という感じの日記です。
我がまま、気ままに、そこはかとなく…

6/29放送 街角の本屋さん~Book Garden~

2009-06-30 | 街角の本屋さん
今週の放送は、角田光代さん『八日目の蝉』

不倫相手の子どもを堕胎した女が、相手の生まれたばかりの子どもを
誘拐してしまう話です。
爆笑問題の太田光さんがTVでおすすめしているので、
ご存知の方も多いのでは

2章立てで、1章目が誘拐した女性の視点で逃亡生活を、
2章目が誘拐された子どもの視点で、その後の事が
描かれています。

誘拐という決して許されない行為を通して、
愛情という曖昧な概念を、優しく、時には鋭く描写しています。

本の帯には「長編サスペンス」と書かれていますが、
サスペンスだと思って読むと、期待はずれになってしまうかもです
それより、生きることへの肯定、愛情・家族、
分かっていてもどうにもならない弱い心…
などが描かれている作品です

タイトルになっている『八日目の蝉』
蝉が地上に出てから1,2週間しか生きられない事を、
本文中で7日としているのですが、主人公に

「みんなが7日で死ぬならその方がいい」

といった意味のことを言わせるんですね。
でも最後の方でその友人に

「8日目の蝉はみんなが見れなかったものが見れる。
 見たくないって思うかもしれないけど、
 ぎゅっと目をつぶらなきゃいけない程、
 ひどいものばかりじゃないと思うよ」

と言わせるのです。  
ぜひぜひ、この部分まで読んでみて欲しいなぁ

角田光代さんの本は女性ファンが多いのですが、
太田さんがおすすめしてくれているので、
男性も沢山手にとってくれていて、とても嬉しいです

機会があったらぜひ読んでみて下さいね