このところ叩かれっぱなしだった鳩山首相が退陣を表明した。この事態を「突然の投出し退陣」と見るか「ようやくの退陣」と見るかは、評価が分かれるところだろう。
「普天間問題が地元に受け入れられなかった時点で退陣すれば潔かった」と言う人もいれば、「ここまでよく辛抱した。小沢氏と刺し違えたのがせめてもの救いだ」と言う人もいる。
それぞれをひっくり返した表現をする人もいる。すなわち、「普天間問題が暗礁に乗り上げたときに退陣表明していれば、それこそ投げ出しと映っただろう」というのと、「あれだけ毎日愚政を叩かれながら首相の座に未練があったのか」というものだ。
いずれにしても国民の側からみれば、なんとも情けない退陣表明だった。
都市部の主要ターミナルでは号外が配られた。号外は首相の退陣表明を大きく扱っていたが、国民の大半は驚いていないようだ。退陣表明の報を受けて、「ああ、ヤッパリ」とか「やっと辞める気になったか」の声がもっぱらだったのは、国民の一人として何とも残念だったし、繰り返すが情けのないことだった。
がっくりきているのは首相や民主党ではなく、むしろ国民の方だ。今回の退陣の種を蒔いたのは首相自らと、民主党の議員達であって、いわば「身から出たさび」だからしかたがない。しかし、国民は自民党に代わる政権として大きな期待を持って民主党を選択してきたのだ。それが僅か1年にも満たない間に、期待は裏切られ、将来への不安は増大させられた。
戦略も戦術もない、ましてや行政との連携や閣僚間での根回しもないままに、根拠のない政策運営がうまくいく筈がない。金の問題も、それが身内から出たものであれば許してもらえるとの甘え、普天間問題での信念も確信もない根拠もない腹案による対応、政権獲得後の民意に耳を傾けない頑ななマニフェスト至上主義など、問題のあるものばかりだ。
鳩山政権が国民に植え付けた政治不信は自民党に向けられていたもの以上に大きくなっていることを思えば、首相の政治責任は重大だ。混乱を招いた責任をとっての辞任は当然である。むしろ遅きに失したといってもよいかも知れない。。
今となっては、「こんなはずではなかった。」の声ばかりがあちらこちらから聞こえてくる。次の政権にはもう少し大人になって、現実的な対応をしていただくようお願いするよりない。
民主党は目前の参院選より、国民の声に耳を傾け堅実な政策を実行することがより重要であることを知るべきだ。ポスト鳩山でごたつくようだと、国民の心はいよいよ民主党から離れてしまう。職を退いたとはいえ党内に及ぼす力の大きい小沢氏の影響を極力排除し、挙党体制で新政権を送り出してほしい。それこそが国民に残されたささやかな望みだからだ。
さて、今回の退陣表明について、橋下大阪府知事は自分の立場ではコメントできないことを表明したが、今後については次の二つのコメントを出している。一つは「沖縄の基地負担軽減の全国的な流れは止まらないだろう。」というもので、もう一つは「業界団体や労組の声は無視して、全国民の声を汲み取る新しい政権を期待したい。」というものだ。
どちらも橋下知事らしいコメントだが、沖縄の負担軽減は全国的な流れにはならないだろう。都道府県知事の時代の変化に対する頭の切り替えが遅れているためである。少なくとも橋下知事の思考方法を必死になって追いかけるのでなければ世界の時代の流れに追いつくことはできないし、沖縄の負担軽減の問題について真正面から取り組もうという思考方法は出てこないからである。
今後の知事会での協議を見守るより仕方がないが、「基地の肩代わりを沖縄以外で」というのはそう簡単なことではない。この問題はやはり国の主体的な活動の中で対応が図られるべきだろう。
二つ目の「業界団体や労組の声は無視して、全国民の声を汲み取る新しい政権を期待したい」というのは実感がこもっている。特に前段の「業界団体や労組の声は無視して」という部分は、それらが改革を進める上で障害になることのほうが多いことを知っている橋下知事ならではの発言だ。民主党が労組等に支持されていることを理解した上で、支持母体の発言より国家として大所高所からの政策運営が必要なことを示したもので、民主党にとって一番必要な考え方なのだ。
同時にこの言葉は、これまでに進めてきた大阪府の改革を今後も強力に推し進めていくことを自らに言い聞かせているようでもあり、大阪の将来を考える上で非常に心強い。
橋下知事には、引き続き大阪府の改革をどんどん進めていただきたい。また、国の生ぬるい対応やフットワークの悪さをどしどし指摘し、改善して欲しい。そのことが今回の情けない首相退陣によりもたらされた国民のストレスの緩和につながることを信じて。
「普天間問題が地元に受け入れられなかった時点で退陣すれば潔かった」と言う人もいれば、「ここまでよく辛抱した。小沢氏と刺し違えたのがせめてもの救いだ」と言う人もいる。
それぞれをひっくり返した表現をする人もいる。すなわち、「普天間問題が暗礁に乗り上げたときに退陣表明していれば、それこそ投げ出しと映っただろう」というのと、「あれだけ毎日愚政を叩かれながら首相の座に未練があったのか」というものだ。
いずれにしても国民の側からみれば、なんとも情けない退陣表明だった。
都市部の主要ターミナルでは号外が配られた。号外は首相の退陣表明を大きく扱っていたが、国民の大半は驚いていないようだ。退陣表明の報を受けて、「ああ、ヤッパリ」とか「やっと辞める気になったか」の声がもっぱらだったのは、国民の一人として何とも残念だったし、繰り返すが情けのないことだった。
がっくりきているのは首相や民主党ではなく、むしろ国民の方だ。今回の退陣の種を蒔いたのは首相自らと、民主党の議員達であって、いわば「身から出たさび」だからしかたがない。しかし、国民は自民党に代わる政権として大きな期待を持って民主党を選択してきたのだ。それが僅か1年にも満たない間に、期待は裏切られ、将来への不安は増大させられた。
戦略も戦術もない、ましてや行政との連携や閣僚間での根回しもないままに、根拠のない政策運営がうまくいく筈がない。金の問題も、それが身内から出たものであれば許してもらえるとの甘え、普天間問題での信念も確信もない根拠もない腹案による対応、政権獲得後の民意に耳を傾けない頑ななマニフェスト至上主義など、問題のあるものばかりだ。
鳩山政権が国民に植え付けた政治不信は自民党に向けられていたもの以上に大きくなっていることを思えば、首相の政治責任は重大だ。混乱を招いた責任をとっての辞任は当然である。むしろ遅きに失したといってもよいかも知れない。。
今となっては、「こんなはずではなかった。」の声ばかりがあちらこちらから聞こえてくる。次の政権にはもう少し大人になって、現実的な対応をしていただくようお願いするよりない。
民主党は目前の参院選より、国民の声に耳を傾け堅実な政策を実行することがより重要であることを知るべきだ。ポスト鳩山でごたつくようだと、国民の心はいよいよ民主党から離れてしまう。職を退いたとはいえ党内に及ぼす力の大きい小沢氏の影響を極力排除し、挙党体制で新政権を送り出してほしい。それこそが国民に残されたささやかな望みだからだ。
さて、今回の退陣表明について、橋下大阪府知事は自分の立場ではコメントできないことを表明したが、今後については次の二つのコメントを出している。一つは「沖縄の基地負担軽減の全国的な流れは止まらないだろう。」というもので、もう一つは「業界団体や労組の声は無視して、全国民の声を汲み取る新しい政権を期待したい。」というものだ。
どちらも橋下知事らしいコメントだが、沖縄の負担軽減は全国的な流れにはならないだろう。都道府県知事の時代の変化に対する頭の切り替えが遅れているためである。少なくとも橋下知事の思考方法を必死になって追いかけるのでなければ世界の時代の流れに追いつくことはできないし、沖縄の負担軽減の問題について真正面から取り組もうという思考方法は出てこないからである。
今後の知事会での協議を見守るより仕方がないが、「基地の肩代わりを沖縄以外で」というのはそう簡単なことではない。この問題はやはり国の主体的な活動の中で対応が図られるべきだろう。
二つ目の「業界団体や労組の声は無視して、全国民の声を汲み取る新しい政権を期待したい」というのは実感がこもっている。特に前段の「業界団体や労組の声は無視して」という部分は、それらが改革を進める上で障害になることのほうが多いことを知っている橋下知事ならではの発言だ。民主党が労組等に支持されていることを理解した上で、支持母体の発言より国家として大所高所からの政策運営が必要なことを示したもので、民主党にとって一番必要な考え方なのだ。
同時にこの言葉は、これまでに進めてきた大阪府の改革を今後も強力に推し進めていくことを自らに言い聞かせているようでもあり、大阪の将来を考える上で非常に心強い。
橋下知事には、引き続き大阪府の改革をどんどん進めていただきたい。また、国の生ぬるい対応やフットワークの悪さをどしどし指摘し、改善して欲しい。そのことが今回の情けない首相退陣によりもたらされた国民のストレスの緩和につながることを信じて。