統一地方選の後半戦が昨日行われた。即日投開票の結果、民主が伸び悩みを見せ、国民の期待が同党から離れていく結果が見て取れた。自民党は候補を絞り込むなど守りに徹した選挙を行い民主より優位には立ったが、流れを引き寄せるには至らなかった。自民・民主の対決型市長選では8選挙区のうち、民主が4、自民が2となり、現職の強みを生かした民主がかろうじて面目を保った。しかし、民主単独候補及び国民新党との推薦による5つの市区長選挙では全敗した。
衆院愛知6区の補欠選挙では、民主が候補を擁立することができず不戦敗となった。補選は、自民元議員、減税日本、共産、その他の候補による5人の戦いとなった。結果は、自民元議員の圧勝。2位の減税日本候補に対し、ダブルスコアを超える大差をつけた。
国政に勢力拡大をもくろんだ減税日本だが、今回は手痛い敗北となった。愛知県民の判断は、必ずしも減税オンリーではなかったようだ。東日本大震災の復興のためには、増税策もやむをえないものと考えた結果かもしれない。
もう一つの注目点が地域政党の伸張。特に大阪の統一地方選前半戦で大旋風を巻き起こした大阪維新の会の勢いが継続するか否かに関心がもたれていた。吹田市長選には橋下知事が率いる大阪維新の会が、地方選後半戦で唯一の公認候補として井上前府議を送り込んだ。
橋下知事は吹田市を大阪市に並ぶ全国一給料の高い「役人天国」と訴え、その支持を受けている現職候補では市政改革はできないと主張。その是正にはそれを成し遂げることができる人を選ばなければならないと市民に訴えた。一方、知事の提唱する大阪都構想に真っ向から反対する現職の阪口市長は、「吹田市を大阪都構想から守らなければならない。」「一人くらい大阪都構想に反対するものがいても良いだろう。」などと、徹底して戦う姿勢を見せていた。
結果は、維新の会の井上候補が橋下知事の人気をかって現職の壁を打破。8千票余りの差をつけて快勝した。読売新聞は社会面で、「維新の看板敵なし」との大見出しをつけた。「政党不信票 吸収」「橋下知事 『秋の陣』攻勢」のサブタイトルもそのものズバリの表現だ。
敗れた現職の阪口市長は、「私の力不足。市長選まで風で決まってしまうのは不本意」とのコメントを残した。これは半分当たっていて、半分はハズレだ。何故なら橋下改革は『風』ではなく、実質だからだ。大阪府政における改革の実績を知っているからこそ、橋下知事に住民の支持が集まっているのだ。その点ではハズレ。
一方、維新の会としては知事の人気による支持が集まっているだけで、ほとんど実績はない。この点では当たっている。だから、維新の会は先行する人気に「実績」と言う肉付けをしていかねばならない。そのためには議員のあるべき理想像を自分たちのものにしていかなければならない。さもなければ、風だけで政権政党の座に着いた民主党と同じ轍を踏むことになる。
当選した井上氏には、このことを銘記しておいてほしい。橋下知事と同様の手法で市政運営を行う上では、かなりの困難が予測されるからだ。知事が府政改革に臨んだときは、誰もが『様子見』だった。しかし、橋下知事は果敢に改革を進めた。はじめは「お手並み拝見」「いずれ泣きがはいる」と甘く見ていたものたちの予想は大きく覆されてしまった。
その上で、地方自治を住民の手に取り戻すために結成された大阪維新の会。
維新の会が橋下知事の指導の下にある以上、改革は必ず実施されるものと考えるならば、既得権益を持っている者たちは強力な抵抗勢力となる。井上新市長には、「様子見」からではなく、はじめから徹底した抵抗を示すだろう。何より市長の手足たるべき市職員が真っ向から立ち向かうだろう。これを粉砕するのは並大抵ではない。今から心しておいて欲しい。
さて、地域政党では大阪維新の会が「向かうところ敵なし」の勢いをみせたが、他の地域政党は全く振るわなかった。実績がないことや支援組織を持たないことが敗戦の要因だろう。地域政党としての支持基盤を、議員活動という実績を積み上げることにより形成していく必要があるだろう。或いは、地域政党同士で手を握り合っていくことだ。
吹田市長選に挑んだ「龍馬プロジェクト×吹田新選会」は、「橋下知事のようにトップダウンで物事を決めるのではなく、住民サイドからのボトムアップ型の市政運営」と呼びかけた。この考え方は一見、正しいのだが、組織が爛熟期にあって既得権が特定の集団にばら撒かれるようになっていると、その集団の結束を破り、あるべき政治運営に戻すのは並大抵のことではできない。
今は橋下改革の手法がベスト。一定の改革が進んだ後、今後どうするかの選択の際には龍馬プロジェクトの手法が望ましくなる。どちらも現状打破を目論んでいる地域政党だけに、ばらばらに活動するのは惜しい。龍馬プロジェクトは若さがあり、教育の重要性も理解している。吹田市を、そして大阪を変えていくために龍馬プロジェクトは大阪維新の会と連携していくべきだ。
衆院愛知6区の補欠選挙では、民主が候補を擁立することができず不戦敗となった。補選は、自民元議員、減税日本、共産、その他の候補による5人の戦いとなった。結果は、自民元議員の圧勝。2位の減税日本候補に対し、ダブルスコアを超える大差をつけた。
国政に勢力拡大をもくろんだ減税日本だが、今回は手痛い敗北となった。愛知県民の判断は、必ずしも減税オンリーではなかったようだ。東日本大震災の復興のためには、増税策もやむをえないものと考えた結果かもしれない。
もう一つの注目点が地域政党の伸張。特に大阪の統一地方選前半戦で大旋風を巻き起こした大阪維新の会の勢いが継続するか否かに関心がもたれていた。吹田市長選には橋下知事が率いる大阪維新の会が、地方選後半戦で唯一の公認候補として井上前府議を送り込んだ。
橋下知事は吹田市を大阪市に並ぶ全国一給料の高い「役人天国」と訴え、その支持を受けている現職候補では市政改革はできないと主張。その是正にはそれを成し遂げることができる人を選ばなければならないと市民に訴えた。一方、知事の提唱する大阪都構想に真っ向から反対する現職の阪口市長は、「吹田市を大阪都構想から守らなければならない。」「一人くらい大阪都構想に反対するものがいても良いだろう。」などと、徹底して戦う姿勢を見せていた。
結果は、維新の会の井上候補が橋下知事の人気をかって現職の壁を打破。8千票余りの差をつけて快勝した。読売新聞は社会面で、「維新の看板敵なし」との大見出しをつけた。「政党不信票 吸収」「橋下知事 『秋の陣』攻勢」のサブタイトルもそのものズバリの表現だ。
敗れた現職の阪口市長は、「私の力不足。市長選まで風で決まってしまうのは不本意」とのコメントを残した。これは半分当たっていて、半分はハズレだ。何故なら橋下改革は『風』ではなく、実質だからだ。大阪府政における改革の実績を知っているからこそ、橋下知事に住民の支持が集まっているのだ。その点ではハズレ。
一方、維新の会としては知事の人気による支持が集まっているだけで、ほとんど実績はない。この点では当たっている。だから、維新の会は先行する人気に「実績」と言う肉付けをしていかねばならない。そのためには議員のあるべき理想像を自分たちのものにしていかなければならない。さもなければ、風だけで政権政党の座に着いた民主党と同じ轍を踏むことになる。
当選した井上氏には、このことを銘記しておいてほしい。橋下知事と同様の手法で市政運営を行う上では、かなりの困難が予測されるからだ。知事が府政改革に臨んだときは、誰もが『様子見』だった。しかし、橋下知事は果敢に改革を進めた。はじめは「お手並み拝見」「いずれ泣きがはいる」と甘く見ていたものたちの予想は大きく覆されてしまった。
その上で、地方自治を住民の手に取り戻すために結成された大阪維新の会。
維新の会が橋下知事の指導の下にある以上、改革は必ず実施されるものと考えるならば、既得権益を持っている者たちは強力な抵抗勢力となる。井上新市長には、「様子見」からではなく、はじめから徹底した抵抗を示すだろう。何より市長の手足たるべき市職員が真っ向から立ち向かうだろう。これを粉砕するのは並大抵ではない。今から心しておいて欲しい。
さて、地域政党では大阪維新の会が「向かうところ敵なし」の勢いをみせたが、他の地域政党は全く振るわなかった。実績がないことや支援組織を持たないことが敗戦の要因だろう。地域政党としての支持基盤を、議員活動という実績を積み上げることにより形成していく必要があるだろう。或いは、地域政党同士で手を握り合っていくことだ。
吹田市長選に挑んだ「龍馬プロジェクト×吹田新選会」は、「橋下知事のようにトップダウンで物事を決めるのではなく、住民サイドからのボトムアップ型の市政運営」と呼びかけた。この考え方は一見、正しいのだが、組織が爛熟期にあって既得権が特定の集団にばら撒かれるようになっていると、その集団の結束を破り、あるべき政治運営に戻すのは並大抵のことではできない。
今は橋下改革の手法がベスト。一定の改革が進んだ後、今後どうするかの選択の際には龍馬プロジェクトの手法が望ましくなる。どちらも現状打破を目論んでいる地域政党だけに、ばらばらに活動するのは惜しい。龍馬プロジェクトは若さがあり、教育の重要性も理解している。吹田市を、そして大阪を変えていくために龍馬プロジェクトは大阪維新の会と連携していくべきだ。