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翻れ、橋下維新旗

地方自治改革に取組む 橋下徹氏と大阪維新の会、並びに橋下氏と共に自治体改革に取り組む大阪府職員、同市職員を応援します。

歴史を刻む自覚を持って改革に取組め

2011年11月29日 | 日記
 大阪府知事と市長を同時に選出する大阪ダブル選は、大阪維新の会の圧勝に終った。この結果を受けて、今後、橋下氏による大阪市役所の改革が急速に進められることが期待される。また、維新の会が掲げる大阪都構想の実現に向けた動きが現実的になってくるだろう。

 特に都構想の実現には地方自治法をはじめとする関係法令の改正や新規法案の制定が必要になる。そのためには、国会議員を有する既存政党との調整が必要になるが、それらと連携してというのはできれば避けたいところだ。錆付いた機械は無理が利かないし、効率も悪い。新しい部品の性能を低下させることにも繋がりかねないからだ。老朽化した頭脳に頼るより、維新の会から若手を育成しつつ構想実現を目指されることを期待したい。維新の会が自前の国会議員勢力を持つことが構想を計画どおり確実に実現していくことにつながると思うからだ。

 とはいえ、これからの4年間で成立を目指すとなると、スケジュール的には大変厳しい。私たちの思いは別として、都構想の早期実現のためには、既存勢力の協力は不可欠だ。都構想実現には関係法案の新設改廃が必要になるが、維新の会は国会議員を擁していないため、地方勢力をまとめただけでは実現できない。国会を動かす必要があるのだ。そのためには、都構想に理解を示し始めた自民、民主各党本部その他に協力を求めていく必要があるだろう。

 その一方で、維新の会と同様の考え方に立ちだした、多くの地方組織とも連携を図っていくべきだろう。橋下氏や維新の会の考え方を学びたいという若手も多数存在するはずだ。地方制度を変えていこうと考える組織や議員は多ければ多いほど良い。そのような新しい勢力の育成にも力を貸していくべきだろう。

 国会を動かすには、現行地方自治制度が地域社会の実態に適合しなくなってきているという声を多くの地方から上げていくことが必要だからだ。それらの声が大きくなればなるほど、国会もそれを無視することはできなくなるだろう。橋下代表には、維新の大きな波を全国に作り上げていかれることを期待したい

 その過程で、維新の会は同会の政策に賛同して既存勢力から流れてくる議員の受け入れを避けるべきではないだろう。既存勢力の中にも、民意に反する政治は住民から支持されないことを理解している議員は多い。既存政党に愛想を尽かして民意に従おうとする議員たちを受け入れることに吝かであってはならない。それが、民意を探る努力を怠ってきた既存政党を覚醒させることにもつながるからだ。

 官僚や有識者に住民代表などを交えて、今後、都構想の内容が具体化されることになるだろう。そこでは、維新の会の構想どおりにならないことも生じるかもしれない。しかし、それも民意だ。肝心なことは、政治と行政の役割分担を住民に周知させることと、公約実現に向けた取組みを住民の眼に見えるように進めていくことだ。それが維新の会への信頼につながることになるし、延いては失われた政治への信頼を取り戻すことにもつながるからだ。

 橋下新市長、松井新知事と維新の会の皆さん方には、これから大変多難な時期を送られることになるが、平成維新という大きな改革に取り組むという覚悟と、内政における新たな歴史の一ページを記すという自覚をもって頑張られることを期待したい。

橋下維新、大阪ダブル選に完勝

2011年11月28日 | 日記
 27日に投開票が行われた大阪府知事と大阪市長のダブル選挙は、大阪市長選で大阪維新の会を率いる橋下徹氏が、知事選では維新の会幹事長の松井一郎氏がそれぞれ当選した。反橋下・反維新で結束した既存勢力の意図を粉砕する維新の会の圧勝に終った。

 投票日直前までは接戦との情報も流れていたため、当確が出るのは27日の深夜になるのではないかと思っていたが、意外にも結果は投票終了直後に報道を通じて流された。午後8時をまわるや、テレビ画面に「大阪府知事に松井一郎氏が当確。」続いて「大阪市長に橋下徹氏が当確」との文字情報が流れた。

 マスコミ各社は複数投票所での出口調査をもとに、橋下・松井コンビへの支持が多いとの選挙結果を投票終了前に把握していたようだ。開票0%の段階で当確が出たのは、橋下氏と大阪維新の会への有権者の期待がそれだけ強いものであったことを表しているといえるだろう。

 このことは、地域別の確定得票数を見れば明白だ。橋下候補は大阪市内全区で現職の平松候補を下す、完全勝利だった。また、知事選では松井候補が、自民、民主、共産の既存政党と府下ほぼ半数の首長を味方につけた倉田氏に圧勝。得票数も大台の200万票に乗せ、取れなかったのは倉田候補の地盤・池田市と大阪の最北端の能勢町の2箇所だけだった。

 大阪のほぼ全域に、私たち多数の府民が期待する大阪維新の会の旗が翩翻と翻える結果となった。さあ、これからが本格的な大阪の改革のスタートだ。わが国の政治を大阪から変えて行こうではないか。

ダブル選挙の選管確定投票数は次のとおり。

大阪府知事選  投票率 52.88%  投票数 1,282,318 
大阪市長選   投票率 60.92%  投票数 3,718,858 

候補者の確定得票数
大阪府知事選 
松井一郎(当選) 2,006,195 
倉田 薫      1,201,034
梅田章二      357,159
岸田 修        29,487
高橋正明        27,809
中村 勝        22,347
マック赤坂       21,479

大阪市長選
橋下 徹(当選)  750,813
平松邦夫      522,641

大阪ダブル選、審判を待つ

2011年11月27日 | 日記
 40年ぶりとなった、大阪府知事と大阪市長のダブル選。最終日の26日、各候補が最後の支持を各地で訴えた。

 17日間を戦い抜いた7人の知事候補。14日間の「死闘」に終わりを告げた二人の市長候補。それぞれが工夫し、考えに考えた論戦を繰り広げてきた。言いたいことはすべて言い尽くせたのだろうか。有権者に伝えたいことはすべて伝えることができたのだろうか。

 逆に、私たち大阪の有権者は各候補者の主張の意図を正確に受け止めることができたのだろうか。対立候補自身を何者かに決めつけることや、その主張を意味のないことのように非難することなどを別にして、政策の中身を十分に吟味することができたのだろうか。人物と公約の内容によって、後悔することの無い人を選びたいものだ。

 さて、燃え上がった選挙戦も昨日までのこと。今日は候補者自身も一有権者として投票に行かれることだろう。有権者に訴えるべきことは全て語りつくしたとの思いをもって投票に臨んでいただきたいものだ。

 選挙の結果は、泣いても笑っても本日の深夜に決することになる。果たして大阪の住民の選択はいかなるものなのか。府市再編を目指す大きな改革を望むのか、現状維持を図る緩やかな改革を望むのか、住民の審判はどちらに傾くのであろうか。まずは投票を終えてから、審判結果を静かに待ちたい。

半世紀も続いている大阪の不幸せ構造

2011年11月23日 | 日記
 22日の読売新聞に面白い記事が掲載されていた。「考座」という欄で、半世紀も前に大阪で知事・市長のダブル選があった記事が掲載されている。大阪府に大阪都構想があり、特別市になろうとした大阪市との間で対立が生じていたというものだ。

 同新聞によれば、元愛知県知事、小畑忠良の伝記の中にそのことが記録されているようだ。54年当時、過去数年にわたって大阪市を圧迫してきた赤間知事の3戦を阻止するため、時の大阪市議は気炎を上げたらしい。戦災復興期、市は特別市になるためPRを展開。49年に16市町村の編入計画を立案。52年3月には周辺7町村の合併を府に申請するも、赤間知事はこれを9か月放置した上、同年末に大阪市が行政単位として過大との意見書を付け府議会に上程。却下に追い込んだ。これで市に怨念が残ったと説く書物もあるらしい。

 この頃、赤間知事は52年2月に「貿易の振興と世界的産業都の建設」構想を府議会に披露。府市の経済政策を一元化する考えを深めていく。翌年12月には議員提案の「大阪産業都建設に関する決議」が可決され、構想が一気に具体化する。

「府市を廃止し、都を置く。解体した市には区を設置し議会を設け、区長は区議会が選出する。」と、何やら今回の大阪都構想にかなり近い内容だったようだ。55年4月のダブル選では市長選で有力候補がいなかったことから中井市長が再選される。

 中井は知事選に、赤間に対抗し府・市政の円満な運営が期待できるパートナーとして、小畑を引っ張ったのだ。市長選が無風だったために、府市対決の場は知事選となった。結果は約10万票差で赤間知事の3選となった。半年後に府は、有識者で「地方自治研究会」を設置。府市を再編する大阪商工都構想を提唱する。これで都政への移行かと思われたが、現実はそうならなかった。行政や、それに関わる様々な組織と人が抵抗。強固な既得権の前に計画や構想は太刀打ちできなかったと分析する専門家もいるようだ。

 一方、知事選に敗れた市側も56年に阪神間4都市、府内12市町との間で、それぞれインフラ整備や行政課題に連携して取り組む協議会を設置するなどしたが、こちらも自治体間の思惑の相違から進展しなかったとある。

 このことから、利害が絡めば都構想も実現困難だし、市町間連携も簡単には実を結ばないことが見て取れる。利害関係の壁も既得権の壁も木っ端微塵に打ち砕くことのできる強いリーダーシップの持ち主こそが、この難題を解決できるのではないか。

 それにふさわしいのは、果たして橋下氏なのであろうか。それとも平松氏なのであろうか。審判が下るのは、あと4日後のことだ。府市合せ(不幸せ)の構図を打破するためにも、有権者の1票1票にモノを言わそうではないか。27日には是非、投票に行こう。

維新対反維新が鮮明に、中盤の大阪ダブル選

2011年11月21日 | 日記
 中盤戦最後の日曜となった20日、ダブル選各候補者は選挙区を駆け巡った。気になるのは選挙戦の情勢分析だが、新聞各社や週刊誌などが逐次調査を行い、結果を伝えてくれている。

 今朝の新聞にも分析記事が掲載されていた。それによると、大阪市長選では、橋下前大阪府知事が先行。平松現大阪市長が激しく追い上げているとの分析。知事選では、大阪維新の会幹事長の松井候補がややリード。倉田前池田市長が激しく追う展開となっている。

 今回の選挙の特徴は、従来とは異なる内容が含まれていることだ。まず、有権者が重要視する政策課題では、上位に上げられた経済活性化、医療・福祉などの問題で候補者間の対立が見えにくい。このため、都構想が有力な判断材料になっていることがあげられる。

 次に有権者の支持先では、市長選で橋下氏を上げた人の7割強が知事選の松井候補に流れ、市長選で平松氏を支持する人の7割が倉田候補支持をあげている。「橋下―松井の維新コンビ」と、「平松―倉田の反維新コンビ」をセットで考える有権者が多いことを浮き彫りにした。

 政党支持者のどれだけをまとめることができるかも注目されるが、無党派の有権者も多い。ここからは無党派層の取り込みが選挙結果に結びつく可能性が高いと考えられる。その無党派層の支持だが、市長選では橋下氏が5割、平松氏が4割を占めている。知事選では松井、倉田両氏が各5割で伯仲しているとの結果になった。

「知事-市長のダブル選」に持ち込んだ「橋下流の仕掛け」については、「評価する」が52%となり、「評価しない」の44%を上回った。維新の会が成立を目指す「教育基本条例案」についても、賛成派が54%で反対派の34%を引き離していることなども分かった。

 注目すべきは、選挙に関心を有する人が90%にものぼっていることだ。「投票に必ず行く」と答えた人も72%で、10月末時点の調査から7ポイントも伸びた。勢力が互角の中、激戦が予測されることもあって、有権者の関心が急速に高まっているのが見て取れる。48.95%に終わった前回知事選の投票率も5割越えが期待されており、市長選については大幅アップにつながるのではないかと見込まれている。

 これからの大阪のあり方を、私たちの意思で変えていこう。そのためにも夢と期待に満ちた1票を投じようではないか。

中盤戦、燃え上がる大阪ダブル選

2011年11月20日 | 日記
 大阪府知事と大阪市長を選出する「大阪ダブル選挙」は、投票日まであと1週間。各陣営とも舌戦に拍車がかかってきた。新聞によると、知事選、市長選とも、大接戦になっているようだ。これからの1週間の戦いぶりによって帰趨が決まることになるのだから、力も入ろうというものだ。

 今回の選挙結果によっては、自治のあり方が根底から覆される場合も考慮される。それだけに、有権者にとっても主要候補者の戦いと投票の事前調査結果には注目せざるを得ないのだ。国会議員も地方議員も、勝手連も、それぞれに支持候補の応援に走りまわっている。

 各新聞社も主要候補者の論点を整理した記事を掲載したし、有識者や著名人の意見も紹介してくれている。自治政策の構想を内容とする書籍や、特定候補者の批判本なども出版されている。週刊誌の中には依然として各候補者に関する記事を掲載しているものもある。

 不在者投票に出かけた人もかなりの数に上っているようだ。不在者投票をする人の数は毎回のように増え続けている。これはとてもよいことだ。これからの4年間を託す人を自らの意思で選出すべく投票したほうが良い。誰が当選するにせよ、投票率が高い中での最高得票が信任の度合いを示すことになるからだ。

 投票率が高いほど住民の意思が明確化するし、その中での当選者に対する信託の度合いが深くなる。だから、好ましい候補者がいないと感じた場合でも投票しないより、投票したほうが望ましいのだ。投票すれば、その結果も気になるだろうし、その後の自治体運営にも興味が湧くだろう。結果として、地方自治や民主主義に注目するようになるのだ。

 地方自治は住民自治により運営されるべきものだから、ぜひ、投票に行って欲しい。誰が勝利の美酒に酔いしれることになろうとも、高投票率の中での結果のほうが有権者にとっては納得できるものとなるだろう。

 さて、告示後の各陣営の戦略と戦いぶり、それに周辺の諸々の動きが選挙結果にどう作用するか。
大阪の自治運営の舵を大きく切るのか、それともゆっくりとこれまでの流れの中に身を置くことになるのか。

 その結果は神のみぞ知るものであるが、それは確実に私たち有権者一人ひとりの投票結果による。
是非、投票に行こう。

橋下―平松ラストウォー、スタート

2011年11月14日 | 日記
 都市経営のあり方をめぐっての大阪の未来を占うことにつながる大阪市長選挙が13日、告示された。届出を済ませたのは、当初予測どおり。橋下徹前大阪府知事と現職の平松邦夫大阪市長の二人。他の出馬予定者が立候補を見送ったため、この二人の一騎打ちが確定した。

 橋下氏は自ら率いる地域政党「大阪維新の会」公認の新人として出馬。大阪の地盤沈下にストップをかけ、日本の第二首都機能を持った国際的な都市として再生させることを目指している。その処方箋として示されているのが「大阪都構想」。

 全国を一律に統べる現行地方自治制度はすでに破綻していると言えるだろう。補助金や交付金を全国にばら撒き、箱ものも自治体の規模を無視したかのように整備させてきた。しかし、それらは無駄になっているものが大半だ。人も物も金もすべてが大都市に集中してきている。若者も都市に集中し、田舎は過疎化又は高齢化が加速している。均衡ある地方づくりは無理なのだ。地方自治のあり方を根底から考え直す時期に来ている。

 地方制度改革が小手先の改善にとどまっているのは、官僚の横並び意識と既得権確保の考えが改まらないからだ。霞ヶ関では地方の実態はほとんど見えていない。最早霞ヶ関の支配下から地方は脱出すべきときなのだ。だが、地方自治制度が重石になっている。

 この重石を取り除くには、地方の側から「新しい地方の形」をしめし、国にそれを認めさせなければならない。その過程で地方自治法ほかの関係法令の改正が必要になる。これまでは、その必要性の議論は行われていたが、具体化はされなかった。今回の橋下候補の主張は、その具体化のためのものであり、選挙に勝利すれば国に制度改正を求めていくということになる。

 橋下候補の主張で争点とされるのは、他に教育改革や職員改革がある。しかし、橋下氏の訴えは、それだけではない。詳しくは大阪維新の会のマニフェストで確認して欲しい。対立候補は現行の運営を是とし、大阪の抱える問題には眼を向けようとしていない。橋下氏の案では大阪市がバラバラになるとか、その政治手法を「独裁」と決め付けたりに終始している。政策面では、橋下案に対する二番煎じの「対抗のための対抗案」にとどまっている。

 市長選は、去る10日に告示された大阪府知事選とともに、今月27日に投開票される。大阪の大改革を掲げる橋下候補は、知事選に望む松井一郎候補とともにダブル選勝利を目指す。一方、平松市長は民主・自民府連の支持・支援、共産党の実質支援を受け、知事選に望む倉田前池田市長と連携し選挙に臨む。

 大阪の住民としては、個人攻撃に終始するのではなく、現行府政・市政の課題、お互いの政策を明確にし、これからの大阪をどのような都市にしていくのか、その中で住民の果たすべき役割は何なのか、自治体職員や教員はいかにあるべきか、府政・市政をどのように変えていこうとするのか。それらを明確にしていただくことを望みたい。

 これまで続けられてきた橋下―平松両氏によるバトルもいよいよ決着のときを迎えた。ラストウォーに対する府民・市民の審判はどうなるのだろうか。

大阪都構想の核心3

2011年11月13日 | 日記
 従来の不幸せ(府市合せ)の構造と今回のものとは異なるものだ。橋下氏が凋落の激しい大阪を再生させる方策として「大阪都構想」を提唱したことが、新たな府市合せの要因となっているのだ。大阪府という行政組織の徹底した改革だけでは大阪の浮揚にはつながらない。それは大阪市という行政組織をとってみても同じ。

 現行の地方制度システムの枠内での改革では最早限界であることを、橋下氏は海外視察を通して実感してきた。そして今後、大阪の活性化を図り、大阪を国際的都市として再生させる方策として橋下氏が打ち出したのが大阪都構想なのだ。

 この構想には、そのような大阪の成長戦略だけではなく、東京都と並ぶ日本の第二首都としての機能も用意されている。東日本大震災を持ち出すまでもなく、一極集中の危険性は大災害が発生すれば直ちに現実のものになってくる。首都機能を分散しておく必要性があるのだが、これまでは議論倒れに終わってきた。と言うより、その議論は無視されたかのように東京一極集中が進められてきた。

 首都機能が働かなくなったときに、それを保管する機能を相当の距離を隔てた場所に設置する必要があるのだ。大阪都構想には、そのような首都機能の受け皿づくりをしようという意味合いも含まれている。

 世界は今、国家間競争では効率的でないことを理解し始めている。主要な都市を更に巨大化して都市活動を活性化させることにより国家間・都市間競争に打ち勝ち、これからの国際社会をリードしていこうとしているのだ。ロンドンしかり、パリしかり、上海、シンガポール、ソウル、台湾、ほかにも巨大都市化をめざしているところはいくつもある。

 無論、巨大都市を率いる者だけが世界のリーダーにふさわしいのではない。それは一つの要素に過ぎない。巨大都市には、ヒト、モノ、金、情報がふんだんに飛び交うことだろう。しかし、それだけではもの足りない。それは巨大であると同時に、更に世界中の人たちを暖かく迎えることができる魅力あふれる都市でなければならない。

 幸いなことに、外部の人々をお迎えする「ヒト」の面では大阪人は世界一だ。本音で語ることができるのが大阪の住民。持ち前のサービス精神は天下一。真面目もイチビリもブラックユーモアも、一切合財を呑み込んで「お笑い」にして吐き出す。これが大阪人の真骨頂。

「モノ」も「金」も大阪には十分にある。府と市のモノと金が整理され効率よく使われるなら、もっと多くのモノと金を呼び込むことができるだろう。モノと金の効率的集積とその有機的な活用が課題といえるだろう。

 情報は、東京に比べると著しく遅れをとっている。大阪からの情報が世界を駆け巡ることはめったに無い。情報収集は遅ればせながら何とかなるが、発信となると何も無い。あってもインパクトのある伝え方ができていない。これも大阪の課題だ。

 魅力ある都市という点では大阪は恵まれている。1時間以内の至近距離に京都、奈良という良質の観光地を有し、また、異国情緒あふれる神戸という都市を持つ。外来者を受け入れる関空を拠点に見てみれば、自然資源の豊富な和歌山も眼と鼻の先だ。

 それらA級の資源だけでなく、大阪府下には知られざるA級、B級の自然環境、資源、文化財があまたひしめいている。橋下氏は知事就任中に「大阪ミュージアム」構想として、大阪の資源の発掘とPRに力を注いできた。(しかし、府民に十分に浸透しているとは言えない。基礎教育での郷土の取り上げ方に問題があるのかもしれないが。大阪の府民・市民に郷土の資源をしってもらうことも課題だ。) これらも内外の大阪訪問者を魅了することだろう。(続く)


大阪都構想の核心2

2011年11月12日 | 日記
 大阪府と大阪市の関係は、直接の利害が絡まなければ良好に運営される。歴代の知事と市長は、いつも良好な関係を結びたいと願っていたはずだし、就任当初は、その方針で臨んでいた。しかし人は変われど、常にその関係は「不幸せ(府市合せ)」に終わってきた。

 橋下知事と平松市長の組合せになった時には、民間出身者同士ということで、これまでにない良好な関係が築かれるものと大いに期待されたものだった。事実、うまくいきかけたようにも見えた。

 今となっては決定的に反目しあう形の橋下―平松関係であるが、両者の利害が一致するものであれば何でも仲良く円滑に進めることができることは明白だ。御堂筋カッポから先日の大阪マラソンまで、その好例は幾つも上げることができる。

 しかし、両者の関係からは利害が一致するものばかりではない。4年の任期の間には、利害の対立する事業が現行地方自治制度上、必然的に生じてくる。それらの中には、橋下―平松以前の、知事・市長の時代から手をつけることができないまま何十年間も先送りされてきたものもある。橋下―平松コンビをもってしてもその壁は破ることができなかった。

 ドーナツ型の内と外とを所管する者が異なること、その権限が同等であることが原因なのだ。ドーナツの内外に貫通する事業を実施しようとするとき、一方がもう一方の計画(提案)を受け入れる場合はすんなりと進む。しかし、一方の計画を他方が受け入れないときは、その事業は計画倒れになってしまう。仮に一方が将来を見越して先行的に事業を進めたとしても、相手がその事業に乗ってくれるまでの間は機能不全のままにとどまってしまう。

 反目しあうのは、双方の利害が対立するものにとどまらない。一方にとって利益(府市以上のもっと広い区域の利益)になる内容であっても、府又は市の利益にならないものについては、お互いに非協力的であった。そのことが府市合せ(不幸せ)の基となってきたのだ。

 また、知事や市長の知らないところでの、府職員と市職員とのプライドのぶつかり合いもあった。自分たちの(仕事の進め方)の方がより優れているとの自負心だ。事務事業の効率性の分析や効果の予測などを自分たちに都合の良いデータで固めることなどを通じ、主導権を握ろうとする双方職員の態度も「不幸せ」の基になっているのだ。

 ここまでは府市関係が従来の不幸せの結果に終わる理由である。ただ、今回の橋下―平松関係の破綻にはもう一つ、決定的な理由がある。それは、橋下氏が提唱している「大阪都構想」の存在である。(続く)

大阪ダブル選スタート

2011年11月11日 | 日記
 橋下前大阪府知事の任期満了前辞任に伴う大阪府知事選が10日告示された。午後5時の締切りまでに7人が立候補の届出を済ませた。

 立候補者は次の方々。

 松井一郎 (47歳)  大阪維新の会幹事長
 倉田 薫 (63歳)  前大阪府池田市長  
 中村 勝 (60歳)  政治団体代表  
 マック赤坂(63歳)  スマイル党総裁  
 岸田 修 (70歳)  元大阪府職員    
 梅田章二 (61歳)  弁護士・共産党推薦
 高橋正明 (69歳)  不動産賃貸業  
   
 新聞報道では松井、倉田、梅田の3氏による三つ巴の戦いになると予想されている。しかし私たちは、今回の選挙が「維新勢力対既存勢力」の戦いであると想定している。存在意義が薄くなった共産党候補は、今回の選挙で得票数を落すことになるだろう。したがって、実質上、松井氏と倉田氏の一騎打ちとなるだろう。

 結果の予測は大変難しい。選挙期間中のマスコミや既存政党の動きの予測も難しいし、候補者もどのように戦うのか、投票日までの流れを静観しているより仕方がない。

 結果は二つに一つなのだが、結果が出てからのシナリオについては幾つも考えることができる。はっきりしていることは、維新勢力の勝利にならない限り大阪の凋落は止められないということ。維新勢力が勝利したとしても、国会を動かす勢力にならなければ「大阪都構想」を実現することは不可能ということだ。

 もう一つ付け加えるならば、仮に維新勢力の勝利に終わったとし「大阪都構想」が実施に向けて動き出すならば、大阪の広域行政一本化による効果だけで国内における大阪の浮揚に確実につながると断言できる。橋下氏の、大阪を核とする成長戦略に期待できるからだ。

 泣いても笑っても、あと16日後に府民の結論が出る。維新叩きに向かう各勢力には、冷静に日本や大阪の将来のことを考慮していただきたい。世界的に二流国に陥落しかけている現状に待ったをかけ、再び世界をリードし得る一流の国家に返り咲くには、私たち日本人自らが維新の生みの痛みに耐えていかなければならない。

 その始まりが今度の大阪ダブル選になるのだ。痛みを恐れることはない。それは所詮、システムとして動き出すまでのことであり、ほんの一過性のものであるのだから。

大阪都構想の核心1

2011年11月08日 | 日記
 このところ、新聞各社は「橋下―平松」座談会での論戦の内容を連日にわたって掲載している。選挙を前に、大阪市政運営をどのように捉え、今後、どのように動かしていくのかが両者に問われており、それを有権者に知らせる必要があるからだ。

 紙面では、両者の論戦は控えめだが、市政の個別施策についての考え方の相違は際立たせられている。平松市長は現職であり市政を担当してきたのであるから、現対応とその継続で良しとしており、当然自讃の姿勢は崩せない。一方の橋下氏は、前大阪府知事として、大阪市を包摂する大阪府の組織を運営してきた。その眼には、大阪市が基礎的自治体としての機能を遥かに超えたものになってしまっている、と映じているのであろう。

 大阪府全体を所管する大阪府の広域行政が、大阪の中心部において大阪市の行政運営によって寸断されてしまう現状があるからだ。これは、現行の政令指定都市という地方制度の中ではどうしようもない問題なのだ。

 国際戦略の観点からも問題だ。現在の日本は、世界的に見て産業経済も文化学術もその他あらゆる面で一流の座から転落してしまっている。世界中が都市間競争の時代に移行しつつあるといわれる中で、大阪市が市域主体の運営に固執するならば、衰退とまではいわないにせよ、遅れをとることは必至だろう。

 国内競争上も問題だ。大阪はかつては東京都と並び立つ都市であったが、東京一極集中のあおりを受けて、日本第二の都市から第三の都市に転落してしまった。うかうかしていると、第四以下の都市に落ち込みかねない。

 国家としてのセキュリティ上からも問題なのは明白だ。国内の主要都市が東京とその周辺に集中するのは危険性が高い。東日本大震災のような大災害が発生した場合を想定するならば、一国の主要機能が特定の地域に偏在していては壊滅的被害を避けることはできない。

 このようなことからも、大阪を東京に次ぐ第二首都として成長させる必要性があるのである。

 しかし、それを阻むことになっているのが現行の政令指定都市制度なのだ。大阪府知事が府全域を対象とした広域行政を計画しても大阪市内には実行できない。大阪市には大阪府と同等の権限があたえられているため、府と市が合意した場合に限ってでないと計画が実施に移されないのだ。

 ところが、従来の府と市の関係は「不幸せ(府市あわせ)」と言われてきたように、決してうまく機能しては来なかった。府市間の主導権争いだけでなく大阪市の市域優先の思想が、周辺都市との戦略的施策形成を阻んできたのだ。そのことが、大阪をあらゆる競争から遅れをとらせることにつながってきた。(続く)

大阪ダブル選、新旧体制派による対決に

2011年11月07日 | 日記
 今月27日に投開票が行われる大阪府知事選及び同市長選の立候補予定者が固まりつつある。
注目すべきはどちらの選挙も、大阪維新の会VS旧勢力派の構図が一層鮮明になってきたことである。

 知事選では、維新の会の松井一郎氏VS自・民が支援する倉田薫氏のほぼ一騎打ち。
市長選でも、維新の会代表橋下徹氏VS自・民が支援する平松邦夫現大阪市長の一騎打ちに。市長選では共産党の渡司考一氏が立候補を予定していたが、急遽取りやめて平松支援に回ることを決めたためだ。

 公明党は国政選挙への影響を考慮し、維新の会との対話路線を守るのか反維新でまとまるか模索中とされる。結論は知事選の告示前ころとされているが、まとまった組織票をもつ公明党の決断が選挙結果に大きく影響する可能性が出てきている。

 どちらの勢力が優勢かについての世論調査では、「維新の会の圧勝」とするものや先日の読売新聞の「ほぼ互角」など評価が分かれている。ただ、ここへきての一部マスコミの橋下批判や維新の会バッシングの動きが府民の選択に影響しだしていることは否定できないだろう。それだけに、共産党が平松支援に回ったことや公明党の決断の如何では、橋下維新の会の苦戦もありうる。

 共産党は、再編前の政党組織の運営を含め、一貫して自・民の政治に反対を表明していたが、見せかけだけの反対で実は自・民に迎合してきた政党であることを露呈してしまっている。

 これに公明党も反維新の意思決定を行うならば、ダブル選の性格がもっと明確になる。即ち、閉塞感に満ちた大阪の現状を打開するために体制を変えようとする維新の会と既得権益を擁護していきたい旧体制派との戦いになっていくのだ。大阪の自治のあり方を巡っての新旧体制派による対決ということになる。

 この戦いは大阪だけでなく、わが国にとっての地方自治のあり方を考える上で大きな意味を持つ。現体制を少し手直しすることで地方の活性化が図れるのか、それとも明治以来の体制を今日的な社会経済情勢に即したものに作り直していかなければならないものなのか、を結論付けることができる可能性があるからだ。

 その具体的手法として、平松市長の特別自治市がよいのか、橋下徹氏の大阪都構想がよいのかの選択でもある。特別自治市の考え方は、大阪都構想に対抗する意味で急遽持ち出されたもので、内容が煮詰まっていない。ただ、特別自治市の考え方自体は大阪以外の政令市においても検討されているだけに、荒唐無稽の案と言うわけでもない。

 いずれの手法がとられることにせよ、地方自治のあり方が大阪から変わっていくことには間違いない。
 ただ、この大切な判断のときに当たって、我々大阪府民がよく考えなければならないのは、橋下氏と平松氏のいずれが改革の名にふさわしい行政運営をしているかだ。

 大阪府政と大阪市政という行政体としての違いはあるが、両者の4年弱の任期中における首長としての活動実績を冷静に眺めてみれば、誰もが橋下氏に軍配を上げるであろう。橋下氏の府政改革は、単に大阪府政にとどまらず、全国の自治体に影響を及ぼしているからだ。

 この一戦、何があっても橋下維新の会の勝利であらねばならぬ。若しも敗れるようなことがあれば、国と地方の政治がどちらも破綻の憂き目を見ることにつながることが予測されるからだ。老い先短い私たちは良いが、若い世代を借金返済(高負担、低福祉)で苦しめさせるわけにはいかない。

橋下氏、知事としての最後の怒り

2011年11月04日 | 日記
 昨日の小稿に関し、府職員のH君から連絡が入った。
週刊誌記者批判が知事のツイッターに記載されているというものだった。
「知ってるよ。10月29日にツイートされていたね。」と、私。

 するとH君は、「いや、その後に続編が載っていましてね。週刊誌の記事に知事が怒りを爆発させているんですよ。」と言う。「府政に益するところのない、あんな内容に橋下氏がいつまでもこだわるはずはないのだが・・・」と思いつつ、私はすぐにパソコンを起動させた。

 橋下氏のツイッターをツィログ形式に変えて読む。なるほど、10月30日から11月3日まで連日でツィートされている。大阪都構想その他の政策に関するもの、ダブル選挙を巡る関係者の動向、その他がポンポンと打ち出されている。これらはマスコミが記事にしてくれない、しかし住民に最も知って欲しい内容のものだ。橋下氏に批判的な声に対しても根拠を示しつつ回答されている。

 問題の週刊誌関連の記録は、31日と11月2日に載っていた。31日の内容は、某週刊誌からの取材要請。30日にファクスで依頼されたものと言う。その内容は、

 「橋下知事の生い立ちとダブル選挙に関し取材しており、11月2日発売の弊誌にとりあげる。ついては、29日のツイッター記載の「メディアによる権力チェック」と「公人の子供でもその権利は最大限尊重・配慮されるべきだ」ということについて、見解を求める。」というもの。

 その取材方法についても、知事退任前日の30日にファクスし、31日までに面談せよ。」という一方的なもの。知事への取材については、公務に支障が生じないようルールが定められている。まして、退任直前の時間的余裕の無い時期に雑誌社の都合で一方的に面談を要請するなど非常識だ。

 橋下氏は回答するか迷った挙句、「選挙の前に有権者の皆さんに選択するための情報をできる限り提供しなければならないが、要請してきた雑誌社だけに情報提供するのはもったいないのでツイートする。」ことにした。「記事がどのようなものになっているか、その評価も皆さんに委ねたい。」と結んである。そして以下には、質問に対する回答が記載されている。

 もう一つは11月2日のツィート。橋下氏ははじめに大阪都構想実現に向けての必要性を熱く述べている。その練りに練った案を「大阪維新の会の知事・市長マニフェスト」として維新の会のHPに記載しているので、大阪の将来ビジョン、大阪の将来像を是非ご覧ください。」と訴えている。これはいつもの通り、政治家橋下氏の誠実かつ熱い思いを綴ったものだ。

 その後に続くのが、某週刊誌の批判となっている。この日発売された週刊誌の記事を読んだ直後の感想なのだろう。いや、感想などという生易しいものではなく、怒り心頭なのが文面からびんびん伝わってくる。

 公権力の行使に当たる者が報道の厳しいチェックを受けることは当然だし、また、そのチェックが最大限尊重されるべきことはいうまでも無いことだ。だからこそ橋下氏は、咲洲庁舎への府庁全面移転撤回や公務員制度改革・教育委員会改革のための条例案提出など、多くの批判記事は当然のこととして受け止め、丁寧に反論を行っている。このような議論を通じて民主主義が住民のものとして根付いていくことをご存知なのだ。

 しかし、某週刊誌の記事は、公権力行使者のチェックというにはあまりにお粗末過ぎる。報道の権力チェックなどという文句を盾に、橋下氏と維新の会の評価を貶めることを目的としたような記事を、私たちは真に受けることは無い。バカ週刊誌の売り上げが一時伸びたとしても、長くは続かない。この国の政治を本来あるべき姿に正していくためにも、まっとうな取材・誌面作りをされることを願いたいと、改めて思った次第である。

  橋下氏のツイログはこちらから。  http://twilog.org/t_ishin/month-1110

文化の日に思う、見苦しい橋下批判記事

2011年11月03日 | 日記
 「こんな記事でてるけど、読んだ?」
友人が持参してきたのは、名前のよく知られた複数の週刊誌だった。
新聞広告が掲載されていたことは知っていたが、まだ読んではいなかった。

 早速、記事に目を通してみた。
わずか数ページの記事だが、内容の取り扱いには差が感じられる。
しかし、どれも橋下批判の方向であることは明白だ。

 出自を巡っての噂、行き来のない近親者の犯罪、居候弁護士時代の引受事件、影響力を持たなかった恩師の話など。
調べ上げた結果は正しいのだろう。(橋下氏自身もツイッターの中で、知っている範囲のことでは否定していない。公人として記事にされることもやむをえないものと言っている。)

 聞き取りした記事内容も、「その人はそう言っていた。」というだけで、取材したものの責任は問われない。
一見して誤解を招くことを意図したような記事も、後段では「逃げ」の言葉を連ねている。
それにしても「橋下落とし」の意図が見え透いている。

 なぜ、選挙を1か月後に控えたこの時期に、このような記事が掲載されたのか。
単独でばら撒かれていれば、選挙妨害の怪文書扱いされても仕方のないような内容が含まれている。
表現のされ方が、大変、見苦しい。「売らんかな」の意図で掲載されたのであれば、あまりに悲しい。

 これらの週刊誌には、著名な作家や随筆家の作品も掲載されているし、政治以外の良質な記事が満載されてもいる。
それだけに、橋下批判のためにつくられたような低レベルの (いや、質の悪いと言ったほうが当たっているかもしれないが) 記事が掲載されているのは残念だ。

 編集過程で何らかの力が作用しているのであろうが、このような記事は記者仲間だけでなく、同じ出版社内で働く多くの職員に後味の悪い思いをさせているのではないか。

 私たちは、出版社の作る記事に注文をつける権利は無い。しかし、購読者としての立場から、読むことに価値を見出せるような紙面づくりをお願いしたい。

 「読むのがいやなら買わなければよい。」と開き直られればそれまでだ。
とは言え、読者の限られた週刊誌ではあっても情報文化の担い手の一員であることを自覚するならば、やはり掲載記事は良質なものであって欲しい。時間はかかるが、良質な記事が良質な社会形成につながっていくことは疑いの無いところだからだ。

 「今日は文化の日。たまたまもたらされた週刊誌の記事から、文化の一端を考えさせられることにつながった。」

 などと書いておくならば、小稿を批判してくれる現大阪府職員のH君やOBのSさんから新たなお小言をいただくことになるかも知れない。「○○の日だからといって、無理から絡めた文章に過ぎるんじゃないですか。」と。

分裂選挙は避けそうだけれど・・・

2011年11月02日 | 日記
 大阪府知事選出馬への意向を見せていた自民党参議院議員の丸山和也氏が、1日、都内で記者会見し、出馬断念を表明した。丸山氏は、自民党大阪府連・谷川会長に出馬の意向を示したものの、既に同党府議員団などは大阪府池田市長の倉田薫氏支持を決定した後だった。

 一旦は丸山氏擁立の方向で動いた谷川会長だったが、同党議員団の反対の前にあえなく沈没。丸山氏も支持基盤のない大阪で、政党の支援のないままに立候補するのは困難と見ての決心だった。自らの決意表明が遅れたとはいえ、丸山氏にとっては、不本意なことであったろう。「大阪のために一肌脱ごうと思ったが、現場の都合(自民党府連内部のごたごた)にかき回された感じがする。そういう経過の中で出るのはばかばかしい。」と不満をぶちまけたのも無理からぬことであった。

 府連は、今後、大阪府知事選で倉田氏を、大阪市長選では平松邦夫氏を支援していくものの、同党本部や同党国会議員は橋下氏と大阪維新の会を敵に回すことにためらいを見せている。ダブル選での分裂は避けられそうな見込みだが、党内は支持対象を巡って混迷が続く模様だ。

 組織基盤が揺らいでいるのは、大阪の民主党も同様。府議員団は倉田氏を、市議員団は平松氏の推薦を決定しているものの、党本部・府連はどちらにも推薦を出していない。樽床幹事長代行は平松市長に全面的支援を約束したようだが、府連レベルにとどまるとされる。党内に維新の会などと将来の連携を期待する向きがあることも、支援のあり方に影響しているものと見られている。

 元はといえば、大阪改革の青写真を持たない両党が、橋下維新に対抗するためだけの理由で選挙に取り組もうとしていることから、このような党内のネジレにつながっているのだ。大阪都構想に対抗するための平松案も、後出しじゃんけんのような手でありながら、グーチョキパーのいずれとも言い難い不明瞭な手だ。

 平松市長は、大阪都構想を内容が不明確だとか、橋下氏を独裁者と決め付けたりの批判をしているが、大阪の明日をどうするのかについては明確な指針を示していない。「これまでに行ってきた行政運営を継続するだけ」というのでは、大阪の未来は全く見えてこない。

 現状維持・継続のうたい文句しか出せないようでは、たとえ選挙に勝ったとしても住民に笑顔をもたらすことはできないだろう。支援政党とともに、「これこれの方法で明日の大阪を世界的な先進都市にしていく」というような夢と具体性のある構想を出して選挙戦に望むべきだ。

 投開票までの期間は1か月を切った。制限時間はいっぱいだ。待ったなし!! 自民、民主、それに倉田、平松両候補とも、相手方の批判ばかりでなく、自らの政策を打ち出しての横綱相撲に取り組んで欲しい。それでこそ、どちらが勝利しても住民には納得がいく。それこそが大阪市民、大阪府民の望みなのだ。