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今年5月15日にアマチュア画家の後藤はつのさんが113歳で亡くなった。

上越タウンジャーナル 2017年7月18日 郷愁あふれる絵画 妙高市出身の後藤はつのさんが113歳で死去
https://www.joetsutj.com/articles/81532295

子供の頃に遊び回った明治時代の赤倉温泉の自然などを、郷愁あふれるタッチで描いた新潟県妙高市出身の画家、後藤はつのさんが2017年5月15日、誤嚥性肺炎のため東京都墨田区の自宅で死去した。113歳だった。このほど親族が明らかにした。
後藤さんは1903年9月2日生まれ。実家は現在の赤倉ワクイホテル。脳の老化防止に73歳で油絵を始め、81歳から99歳にかけて100号以上の大作に挑戦し、作品を展覧会に出品した。1986年、82歳で描いた作品が現代童画展で新人賞を受賞。1996年、96歳のとき「明治42年の遠足 苗名の滝」(以下画像参照) が現代童画展で文部大臣奨励賞を受賞した。102歳のとき銀座で初個展、108歳で諏訪市の原田泰治美術館で絵画展を開催。地元妙高市でも2度の個展を開催し、多くの人が足を運んだ。
100歳を越えてからも好奇心いっぱいで、絵筆を置いてからも海外旅行や、百人一首、詩吟、書道などに次々と挑戦。2011年には、読売新聞社が主催するニューエルダーシチズン大賞を108歳の最高齢で受賞した。
2015年2月には、そのスーパーレディぶりを紹介した「111歳、いつでも今から」(河出書房新社刊)を発刊。著書の帯には、2012年に聖路加国際病院名誉院長の日野原重明氏が、「はつのさんは私にとって人生のモデルです」と推薦文を寄せている。



後藤はつのCollection はつのおばあちゃんのプロフィール
http://www.akakura.gr.jp/wakui/mama/entry1.htm

絵を始めたのは73歳の時でした。きっかけは長男の 『年をとって何もしないとボケちゃうよ、絵でもやったら!』という一言。 それまでは絵を描いた経験もなく、最初は戸惑いながら近くにあった絵画教室に通い、絵の手ほどきを受けるうちに、描くことが楽しくなり、油絵に熱中するようになりました。しかし、一時は家族と一緒に海外へ赴くことになり、習い始めた絵も中断再び絵筆を握ったのは帰国後、80歳になってからでした。はつのおばあちゃんが主に描くのは、ふるさとの懐かしい風景や凧揚げ、スキー、お祭り、柿もぎといった子供時代の思い出です。『絵を始めてからは、昔のことがいろいろ、それも鮮明によみがえってくる。今はそれが描きたくて仕方がない』とはつのおばあちゃんは言います。 カンパスの上に再現された思い出の数々は、細やかな描写と鮮やかな色づかいで、いずれも見事な出来栄えです。はつのおばあちゃんは年末の現代童話展に出品するために、毎年必ず100号の大作に挑戦してきました。カンパスに向かう はつのおばあちゃんは元気そのもの。 気分が乗ると、昼頃から夕方まで半日近くもほとんど立ちっぱなしで、絵を描くこともあるそうです。

長寿もすばらしいが、73歳から絵を始めてそこから多くの作品を作成したという点がすばらしい。 
絵の内容ははつのおばあちゃんの幼少期の思い出を描いたもので、子供目線の明治末期の素朴な情景が鮮やかなタッチで描かれている。誰にとっても子供の頃に見た景色の印象は強く大人になっても残っているものだ。ただそれはとても曖昧で、なかなか細部まで表現することは難しい。いろいろと記憶を甦らせながら描いたものだろう。

まさに後藤はつのさんは日本のグランマ・モーゼスと言うべき方だった。



グランマ・モーゼス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%82%B9

アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス(Anna Mary Robertson Moses、1860年9月7日 - 1961年12月13日)はアメリカ人なら誰もが知る国民的画家。通称グランマ・モーゼス(モーゼスおばあちゃん)。
ニューヨーク州グリニッチの貧しい農家に生まれたモーゼスは12歳から奉公に出て、27歳で結婚。しかし子供を産んでも働き詰め。子供が10人できたがそのうち5人は幼児期に夭逝。70歳で夫を亡くす。
バーモント州ベニントンへ移り住み、リュウマチで手が動かなくなってからリハビリをかねて、油絵を描き始めた。
絵を描き始めて3年後、ひとりのコレクターが彼女の絵に目をつけ、1940年に80歳にて個展を開く。この個展に大手デパートが注目して一躍名画家となる。89歳の時には当時の大統領ハリー・S・トルーマンによってホワイトハウスに招待されるほどである。
101歳で死去するまで約1600点の作品を残した。


ヨコハマNOW セカンドライフ列伝 第6回 グランマ・モーゼス
http://yokohama-now.jp/home/?p=8277



後藤はつのさんもグランマ・モーゼスも、高齢で体力的には大変だったと思われるが、80歳代から新しい世界が開けたこと、そして何よりも自分の頭の中にある情景を形にできたということで、日々を楽しく過ごすことができたと、いい人生を送ったのではないだろうか。
人生はいつ何が待っているかわからない、いつからでも新しいスタートができる、ということを改めて感じた。



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