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ハイブリッドバイクとハイブリッド飛行機
自然・科学
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2016年06月30日
以前このブログで、ハイブリッドカーの起源である「
ミスクテ
」について調べたことがあるが、ともかくハイブリッドカーは世の中で一般的となった。そうなると他の乗り物にもこの技術を活かすことができないかと考えるのは当然の流れである。
鉄道では、ディーゼルカーに対するハイブリッド気動車「キハE200形」が、JR東日本の小海線で営業運転されている。
https://www.jreast.co.jp/nagano/koumi/hybrid.pdf
キハE200形は、ディーゼルエンジンで発電機を回し、発生した電力でモーターを回転させて走行する。
キハE200形はバッテリーを搭載しており、モーターを回すエネルギー源として、エンジンからの電力とバッテリーからの電力を組み合わせる (ハイブリッドする) 仕組みになっている。
減速時の車輪の回転力で発電機を回し、発生した電力をバッテリーに蓄えることができ、また低速時もエンジン回転数を高めてフル発電し、余った電力はバッテリーに蓄えることができる。そしてそのバッテリーの電力を駆動力に利用するため、従来のディーゼルカーより約10%の省エネルギーを実現できている。
また、従来のディーゼルカーは低速時はエンジン回転数が低くなり、有害排出物が出やすかったが、E200形は排気ガス対策機構付きのエンジンを常に効率的な回転数で稼働できるため、従来のディーゼルカーよりも有害排出物と粒子状物質を約60%削減できるという。
バイクでは、イタリアのPiaggio (ピアジオ) 社のMP3 Hybridが、リチウムイオン電池を使用した世界初のハイブリッドスクーターとして販売されている。
電池の充電は内蔵ジェネレーターによる充電と家庭用電気ソケットからも直接充電が可能で、ピアジオ社によって開発された独自の複合型ドライブシステムは、従来型のガソリンエンジンと環境にやさしい電気モーターを結合したものだ。
ピアジオ MP3 ハイブリッド 300ie 試乗インプレ・レビュー
http://www.bikebros.co.jp/vb/bigscooter/bimpre/bimpre-20110714/
またHONDAは2015年の東京モーターショーで、ハイブリッド三輪バイク「NEOWING」を発表するなど、開発を進めており、SUZUKIもバイク用ハイブリッドシステムの特許を取得したとの報道がある。
しかし、バイクをハイブリッドとするためには、発電用または走行用のガソリンエンジンと走行用のリチウムイオン電池の両方を積む必要があり、車はともかくバイクに搭載する場合は重量が重くなることでバイク特有の燃費が悪くなってしまい、コストもかかりハイブリット化する意味が薄れてしまう。
また搭載のスペースも限られており、MP3もNEOWINGも二輪ではなく三輪となっている。 バイクはハイブリッドよりも電動が普及しそうだ。
それでは飛行機はどうだろうか。
一般的にハイブリッドの利点は減速エネルギーを回収できることであり、着陸時以外に減速をしない飛行機にハイブリッドは適用しにくく、メリットが少ないというのが一般的な見解であるのだが、ここにきて開発が進んでいる。いくつか記事を参照してみよう。
WIRED.JP 2013/7/5 電動ファン搭載のハイブリッド航空機:離陸する「E-スラスト」計画
http://wired.jp/2013/07/05/eads-ethrust-hybrid-airliner/
ジェットエンジンと電動ファンを組み合わせた、新しい「ハイブリッド航空機」のコンセプトがヨーロッパの「EADS」によって提唱された。分配型電力航空宇宙推進系「E-スラスト」だ。斬新な設計思想で、2050年の実用化に向けて燃費、排出物そして騒音の大幅な低減を目指している。
「E-スラスト(電気推力)」と呼ばれるこのプロジェクトは、EADSイノヴェイション・ワークス・プログラムのひとつとして、英国のエンジンメーカー、ロールス・ロイス社と共同で進められている。2社が模索するのは、排出物や騒音の大幅な低減などを含む、欧州委員会による将来の航空機への要望を満足させる方法だ。
E-スラストのコンセプトでは、複数の電動ファンが推力を発生する。そしてその駆動力をガスタービンエンジンが供給することで、巡航を続けることが可能だ。より大きな推力が必要な離陸時や上昇時は、「エネルギー貯蔵システム」(すなわちバッテリー)からも駆動力がファンに供給される。
マイナビウーマン 2014/12/30 車だけでなく飛行機もハイブリッドに―イギリスで飛行実験成功!
http://woman.mynavi.jp/article/141230-86/
ケンブリッジ大学とボーイングの研究で、電気モーターと石油エンジンを組み合わせたハイブリッド飛行機が誕生しました。実用化にはまだまだ時間がかかりそうですが、環境にやさしい画期的なアイデアです。 この世界初のハイブリッド飛行機は、モーターとエンジンが一緒にプロペラを動かし、飛行中に充電します。石油エンジンを搭載した同様の飛行機よりも、燃料の消費量が30%少なくないそう。
離陸時から機体を上昇させるまでは最大限のパワーが必要とされるため、モーターとエンジンを同時に使用しますが、一定の高度に達したら電気モーターを充電モードに切り替え、燃料消費を最小限におさえることができます。
研究を主導したケンブリッジ大学のロバートソン氏は、ハイブリッド飛行機や電気飛行機の開発が遅れているのは、電池によるものだと語っています。
「最近まで電池は重く、エネルギー量も十分ではありませんでした。しかしノートパソコンなどにも使われているリチウム電池の改良により、ハイブリッド飛行機は実用化に近づいています。」
Gigazine.net 2015/5/4 世界初の「ハイブリッド飛行機」を可能にする飛行機用モーターの開発が進行中、2015年には新たな実機テストも実施予定
http://gigazine.net/news/20150504-siemens-aircraft-motor/
ドイツの大手企業「Siemens」は従来の性能を大きく上回る航空機用電気モーターの開発に成功しており、世界初となる電力を用いた旅客機の実現も徐々に視野に入るようになってきています。その本体重量はわずかに50kgというもので、従来の航空機エンジンよりもケタ違いに小型・軽量になっている模様。
重量50kgという本体から実に260キロワット(kW)という高い出力を得ることが可能となっています。出力を重量で割った1kgあたりの出力キロワット数を示す「出力重量比(パワーウェイトレシオ)」は約5.2kW/kgとなるのですが、これは従来の電気モーターのおよそ5倍に相当することからも、その性能の高さを垣間見ることができます。
この高い性能のおかげで、電気モーターで飛ぶ航空機としては初めて離陸重量2トンまでの機体を飛ばすことを可能にしました。
Siemens社の「eエアクラフト」部門を率いるフランク・アントン氏は「この技術開発により、発電用エンジンを積むタイプのシリーズ・ハイブリッド方式を採用して4名程度の乗客を乗せて飛ぶ航空機の製造が可能になるでしょう」「中期的な可能性として、50名から100名クラスのリージョナル機での使用を視野に入れています」と語っています。
日本経済新聞 2016/4/9 エアバスとシーメンス、ハイブリッド飛行機開発で提携
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM09H0U_Z00C16A4NNE000/
欧州航空防衛大手のエアバス・グループと独シーメンスは8日までに、電気と従来型エンジンを組み合わせたハイブリッド飛行機の開発で提携すると発表した。両社の技術者ら200人で専門チームをつくり、2020年までに飛行試験をめざす。航空会社の燃料費負担や騒音を抑える技術の開発に向け、欧州の製造業大手が手を組む。
両社は出力が数百キロワットから最大1万キロワットのハイブリッド推進システムを共同開発し、短距離移動の小型機やヘリコプターなどへの応用を見込んでいる。
エアバスのトム・エンダース最高経営責任者は「30年までに100席未満のハイブリッド旅客機が生まれる可能性がある」との見通しを示した。両社は11年にオーストリア企業とも協力し、最初のハイブリッド飛行機を披露している。その後の主要部品の開発などで成果を出しており、今回の長期にわたる開発提携を決めた。
シーメンスは社内に新たに立ち上げた、最新の技術・サービスを事業化するイノベーション部門の活動の一環として位置づける。重電業界のライバルで、航空機エンジン大手の米ゼネラル・エレクトリックへの対抗という面でも注目されそうだ。
このように、数年前まではコンセプトの域だったハイブリッド飛行機が、ここにきてヨーロッパで具体的な開発フェーズに入ってきたことがわかる。試験飛行そして営業飛行が実現の前倒しも充分に可能性がある。
自動車、鉄道、バイク、飛行機の各々に対して、ハイブリッドのみでなく、有効なエネルギー効率化のための技術進化を期待したい。
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