種子島レポ第2弾。
実は昨日字数限界ギリギリまで書いたのに、記事をアップする段になってまたしても本文が消失・・・。これで何度目なんだ○ooよ…中秋の名月を双眼鏡で観察するのを中断してまで書いたつーのに・・・オレの3時間を返せって感じです。お絵かきが消えなかったのがせめてもの救いッす。でもまた同じ内容を今から打つんか・・・(遠い目)
という訳で。今日は無駄に長いですぜー。自分の記録用でもあるのでご容赦を~。
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9月13日(木)
イマイチ眠れなかったけど寝坊はしないで済む。
朝一の種子島行きのフライトの為、取り合えず鹿児島空港へ。朝御飯は空港のレストランで和定食を食べる。ロビーから見える外の天気は雨が窓に叩きつけた跡があり、昨夜の星空が嘘の様に宜しくない。うーむ。まあでも明日が天気良けりゃいいんだからと、搭乗案内を待ちながらロビーでぼんやり「首相辞任ニュース」の続報を見る。
ロビーで待つ人々の中にスーツ姿のサラリーマンが何人かいる。種子島に行くのにスーツ…明らかに不自然なその人々は「三菱重工業」系の方々と思われる。要するに関係者。他の乗客もほぼ同好の士。
でも13日は当初の予定日では打ち上げ当日だったので、さすがに人数もまばら(当然です)。この中の何人かは後ほどお見かけするのだろうとか考えるが、きっとお互い同じような事思ってるに違いない。
ところで、搭乗時間20分前になんだけど。何故に案内が始まらない?と思ってたらアナウンスが。
「種子島行きのお客様に申し上げます。只今種子島地方は悪天候の為、着陸できない場合、飛行機が鹿児島空港に引き返す場合もございますのでご了承下さい」
ちょっと待てやーーー!
朝の時点でそんなんだったら、熱帯低気圧が近づく昼やら夕方なんか、もっと上陸無理やんけ!!(まだこの時点では台風になってない)流石に飛行機が飛ばないのは想定外だったので軽くパニック状態。
此処まで来て「種子島に上陸できず、今回も打ち上げ見れませんでした」とかは勘弁してくれーー!!!
しかし。
ここで急に冷静になる自分も居て。「ここで自分が慌ててもどうにかなるもんじゃなし。
最初の予定通り13日だったら今頃「間に合わねえ!!」とか心臓バクバクもんだったんだろうし、まだ種子島に上陸できないと決まった訳じゃないんだから大丈夫。何とかなるさー」とか考えたら少し気が楽に。
その一方では「昨日の夕方既に海は時化てたというから高速船で島に渡るのも難しいかも…」と頭の片隅で代替案も思考中。
こういう時に脳味噌って「危機回避&実現可能な方法詮索モード」になってて面白いですね。一番理想的な方法を選び取るセンサーが働く感じ。自分の脳味噌は「飛行機は飛ぶであろうから海路は考えない」という結論に達した様で、その時点ではもう心配がないつーか。感覚の話なので上手く説明出来ないけど「大丈夫」だという根拠のない自信みたいなものがあって、落ち着いていられる。
そんな状態で待ってたら「搭乗案内」が始まり、どうやら飛行機は飛ぶ事に。
案の定機内はガラ空き。でも前日の最終便は満席だったに違いない。とりあえず定刻ギリギリに離陸。悪天候の中を飛ぼうとするプロペラ機って結構カッコいいっすよー(今なら余裕の発言)。でもしばらくは揺れましたーそりゃもう。
乗務員のお姉さんが配る飴が、あまりの揺れに籠から飛び散った位だから!!ようやく雲の上に出た時は正直ホッとしました…。
雲の上の景色は何度見てもいいもんですねー。本当に別世界。でも今回は何かいつもと違って見えて。
雲が「雲」に見えないというか…例えるならば「雪原」。
雲の峰が、吹き溜まりの雪の塊や樹氷があるような雪山の風景に見えて仕方なかった。
フイに『雨も天(あめ)も同じ物で出来てるとは、昔の人はよく言ったもんだね』と
よく沖縄に一緒意行った友達が窓の外の雲海を見てそう言ったのを思い出しました。
初めて「雲も氷も雪も海も同じもので構成されてる」事を実感しましたねー。
視界のずっと果てまで広がる雲の峰。見るともなしに見てたら
「ハイデってこういう風景を見ないで逝ったんだ」と急に思って。
飛行機にすら乗ってない時代の人だから仕方ないんだけど、こういう青と白の光景が一番似合う子なのに、この神の視点とも言える風景を知らずに逝った事を思ったら何だか目がうるうるしてきちゃって…。
そうこうしてる内に「まもなく種子島空港に着陸いたします」のアナウンスが。いつの間にか静かに飛んでた飛行機。どうやら無事に種子島に降りれそうです。
雲の切れ間から種子島が見えてきて、飛行機は左に旋回。どうやら東の海岸方向に旋回してから着陸する模様。自分はちょうど左の窓際だったので眼下に海岸線が近づいて来て、「今どの辺りを飛んでるやら」と思って目立った建物もない島を上から見下ろしてると・・・。
あれ?あの四角い白い建物なんだろう・・・?ホテル・・・?え?でも鉄塔が対で建ってる・・・
もしかして「種子島宇宙センター」!?
果たしてそれでした。四角の大きな白い建物は「ロケット組立棟」で今まさにあの中に「13号機」が入ってる!!(外からは見えません)ゆっくりとぐんぐんとセンターに近づいて・・・管理棟もセンター内の道路もはっきり見える。まるで飛行機がそこに「寄ってくれた」様。組立等の上を通り過ぎる時、ちょいと目頭が熱くなりました…先ほどのハイデの事も相まって・・・所詮はオタクです・・・。
しかもその後更に「増田宇宙通信所」の真上も通り!衛星の追跡をするパラボラアンテナのある場所で、空港の近くだった事を思い出し、思わぬおまけのかなりなラッキー感でいっぱいに。でもセンターの事を知らなかったら上空を飛んでても分からなかった。運がいい。
結局何事もなく定刻どおりに種子島空港に到着~。お天気は今にも降りそうな空模様でしたが上陸できたので結果オーライ。早速予約レンタカーのカウンターへ。飛び込みで借りようとした人もいたけど島内のレンタカーは全て埋まってました・・・打ち上げを侮っちゃいかんよ。手続きを待ってる間、到着ロビーをぐるりと見渡すと『HⅡ-A13号機の打ち上げ予告」のポスターが。これを見に来たんだなーという気が一気に高まる。
今回の車種は「コルト」(前回は「キューブ」)しかもカーナビ付。こんな離島で機能するのかとこの時点では半信半疑。しかしこの後どれほど助けられる事になるか…想像だにもしてなかった。パーキングブレーキがフットペダルだったり、シフトレバーがハンドル脇だったりで、イマイチ馴染まず恐る恐る出発。このとき雨足は強まってきていた。カーナビの操作方法が分からず、島内は一度走ったからと勘だけでホテルを目指す事に。走りながら「あーこの道覚えてるぞー」とかまだ余裕。極端に交通量の少ない島内は観光客にはとって有難い。対向車もほとんどないし。「明日の朝は早いから、今日はホテルから長谷の見学ポイントまでの道をシュミレーションで走って…」とその日のドライブ予定を考えてると…
ダバーーーーッッ!!!
いきなり「スコール」!途端に前が見えない!ギャーッッ!!
急いでワイパー最大にするも「何も見えず」…!!前に居たはずの車も見えない!
その内どうやら下り坂に入った模様。
しかもジェットコースター並みの急勾配且つどえらく長ーーい坂!
ハンパじゃない雨の量で道路はさながら「ウォータースライダー」状態に。
「こんなすげー水溜りの中を走って、下手にブレーキ踏み続けると返ってブレーキ利かなくなる!?」
ブレーキ踏まないで行くしかねえッ・・・!(死)
グワーーーーッっと一気に坂を駆け下りる。ハンドル持つ腕は既にガチガチに固まってる。
うおおおおお!!!いきなりこれかよーーー!!!
南の雨はハンパない!風も無いのに雨が横に降る!!
それにしても前が見えないよーーー!!(涙)
が。
突然「パッッッッタリ・・・」と雨が止む。…嘘…今のは夢??と思うほど。まるで天然の洗車機から出たようだった・・・今までの嵐は何だったんだよと言いたかった。
土砂降りの中、勘で走ったので結局迷い(死)途中でカーナビ操作。早くも一人旅に弱音を吐きそうになるが、ホテルに向かう途中、「ロケットの神様」(?)から素敵な場所に案内されましたv
その名も「増田中学校」(爆)因みにこんなスローガンを掲げてます。
「明朗 勉学 根性」
「よみがえれ!!増田魂!! 燃えろ!!増田中!!」
あまりの素晴らしさに再び降りだした大雨をものともせず写メールをパチリ。Mさんに送る。
しかし「よみがえれ」って一体…。挫折でもしたのか増田よ・・・。
ようやくホテルに到着。途中の道はほとんどがさとうきび畑。人家もほぼ無し。忽然と現れたゴルフ場が本日の宿。天気がいい日は遠く宇宙センターの射場を見下ろせる高台にあるんですが、その日は勿論視界最悪。ゴルフ客もプレーできずに時間を持て余してる様子。
フロントに荷物を預け、休みなしで今来た道を戻る。増田の宇宙通信所はここからさほど遠くないと思ったので行ってみる事に。でも明日は打ち上げ本番だし、見学できないかもなーと思いつつナビなしでまたもや勘で走る(つーか、ナビに通信所が出てこなかった…)。しかし行けども行けども「茶畑」オンリー。それらしきものは全くなし。でも今自分は島の高台に居るんだから、適当に下っていけば海岸線にブチ当たるはずだとそのまま進む。(長谷の見学ポイントへ行く計画はどこへやら)しばらく走って茶畑が終わって「さとうきび畑」に出たと思ったら、いきなり「NASDA」(現JAXA)の文字と有刺鉄線が現れる。知らぬ間に「増田宇宙観測所」に到着。島って起伏に富んだ地形だし、山間部はカーブばっかだから見通しが悪いので、目的の建物が近くにあっても案外分からないんですねえ…。
門が開いてたので車でそのまま中へ。先客がいるらしく、レンタカーの同好の士と思しき2人組が建物に入っていく。「見学受付」の看板有。明日本番なのにいいの?行ってみると玄関にスリッパが(笑)。
受付帳に名前書いて入ると、さほど広くない部屋に少々の展示物があるのみ。までも記念ですし、する事もないのでとのんびり見学してると、女性事務員らしき人が近づいてきて
「色々資料とか入ってますので、よかったら来館記念にどうぞ」
と封筒を差し出される(女一人で訪れたのがよほど珍しいようです。あとで封筒の中身を見たら、「かぐや」のミッションバッジやら各種パンフと共に、HⅡ-Aのマスコットのついた携帯ストラップまで入ってた!!太っ腹!)
特に目新しい展示物はないんですが、まだ「かぐや」の愛称が付く前に書かれた「日の丸応援メッセージ」の現物が飾られていて、「明日この応援の声を背負って【かぐや】が月に向けて出発するんだ」と思うと、何だか嬉しくなりました。
いつの間にか先客の兄貴2人はいなくなり、種子島NASDA限定のプリクラとか一人で撮って遊んでたら肩を叩く人が。振り向くと学術員と思われるおじさんが居て、おもむろに
「パラボラ、動かしてみる?」
とのたまった。え?マジですか?!
そういえばここは使わなくなった古いパラボラを操作させてくれると聞いたことが!
是非にと早速体験!
時計の長針と短針みたいなのがある計器の前に座らされ、メーターにある印の所に各々の針を合わせるとNHKBSが受信できるという仕組み。
言われるままにボタンを押してると、おじさんが窓の外を指差すので見てみると……
おおお!!パラボラが動いてる!!しかも動き早ッ!自分の操作でパラボラみたいなデカイものがダイナミックに且つ素早く動くのはちょと感動ですぜ!針が印の所に来ると突然テレビモニターに「大リーグ中継」が映り、確かに受信してる事確認(しかし贅沢な大リーグ中継だなあ)。おじさん曰く「最新のパラボラはもっと早く動く」んだそうな。あれより早いんだ…すげーと感心。
その後PCゲームとかもしたりしてて結局1時間近くの長居に。帰る時に自分が動かしたパラボラをカメラで撮ってたら、コンコンとガラスを叩くような音が。見るとさっきのおじさんが手招きしてるので行ってみると
「好きな角度に動かしてから写真撮りなよ」
部屋に戻っておじさんにベストポジションにしてもらって、更にはそのパラボラとツーショットで写真を撮ってくれた…おじさん…いい人すぎ…。しかしこの間自分以外のお客は誰一人来なかった…さみしかったのかしら…。でもまさか打ち上げ前日に通信所が見学出来るとは皆思ってないんじゃ…。ビギナーズラッキーか?
おじさんと守衛さんにお礼を言ってから車に乗り込む。ここには全部で4機のパラボラがあって、その内3機が現役で、その3機は明日の打ち上げスタンバイモードに入っており、全て天頂を向いていました。茶畑とさとうきび畑に囲まれたのんきな場所に見えたけど、刻一刻と近づく打ち上げに関わる重要な場所なんだと思うと、ほんの少し緊張しました。
そのあとまたもやだらだらと茶畑を下っていくとやはり海岸線に出て、どうやらそこは射場を遠く見渡せる見学ポイントのひとつ「向井海岸」と判明。射場との間には海しかないのでいいんだけど、射場からかなり遠いのでそれが難点。あまりの辺鄙さに「緊急の場合は○○○○に電話」と書かれた大きな看板が掲げられてるという・・・・・・。
だれも走ってない道路の脇に車を止めて、そういえば買ったばかりの双眼鏡のピントをまだ合わせてなかった事を思い出し。でもその時点では海は霞んでて空も雲もみんなひとつの塊状態で。説明書片手にあーでもないこーでもないとやってる内に少し外が明るくなってきて。何気に顔を上げると…
彼方にうすぼんやりと四角いシルエット。
急いで双眼鏡を覗くと…四角い白い建物と赤白の対の鉄塔がハッキリ見えて…
やはり組立棟でした。
初めて双眼鏡で見たものがそれだったんですが、思った以上に大きく見えてビックリ。
裸眼だと何となくしか見えないのに。双眼鏡買って良かった…。
波の音と風の音だけしかしなくて、自分と射場を遮るものが何も存在しないあの空間。
まるでロケットと二人きりのような気持ちになってしばらくそうして射場を見ていました
(本当にそうい気分にさせるんですよ…種子島という所は…)
しかし既に1時半を回り、流石にお腹が空いたので島の真ん中「中種子町」の繁華街に向かう事に。
だがしかし。繁華街といってもファミレスは存在しない場所ですから、どこで食事をしたらいいのやら。
しかも打ち上げ前日なのでどこも満車で停められず!その内マジにお腹空いて気持ち悪くなって…。
偶然通りがかった「さぬきうどん」の店に飛び込みました。
種子島に来て何故「さぬきうどん」と言いたい所だけど、もう限界ギリギリだったのです…。
2時半ちかくだったので、店長がお昼食べてる所にお邪魔する羽目に・・・。
待ってる間に地図を見て、今まで走った場所や長谷の見学ポイントを確認してると、
「どっから来たん?」
と店長が声を掛けて来て。ナイスミドルな髭の店長は気さくな感じの人で、
「神奈川からロケットの打ち上げを見に来た」
と言ったらすげーー呆れられた(笑)しかも一人だし。更にはリピーターだし(苦笑)
「何でわざわざそんなん見に来るん?」と言うので
「映像は色々出回ってるから見てるけど、実際の音と振動は現地にいかないと
味わえないって皆が言うし、自分もそれを体感したいから」と言うと
「そうやなー昔はここ(中種子)でも打ち上げの時はガラスがビリビリいうたけど、
最近はあんませえへんなあ。音が小さなったいうかなあ。
やっぱ性能が良うなってるんかなー」と。
性能が良くなるとハイパワーだけど省エネで静かなのは、車とか掃除機とかと同じです。
因みに射場があるのは南種子町という島の南部にある地域で、
射場はその最南端…具体的にはセンターの最南端で東南に海がある場所)にあるので、
中種子とセンターはそれなりに離れてます。車だと1時間弱?の距離。
でも打ち上がれば東側が開けた場所ならば、島のほとんどの場所からは見えます。
値段以上のボリュームの卵丼とさぬきうどん、でもめちゃ美味しかった・・・全部平らげました・・・。
前に来た時も思ったけど、種子島って何食べても美味しい。外れがナイ。
帰る時に奥さんが
「明日は打ち上げ見れるといいねー」
と言ってくれたのがすごく嬉しかった~。店長もいい人だったし~。
女一人旅だけど、今回は逆に開き直って気軽に地元の人に話しかけたりしたので、
他にも空港の喫茶の人とも顔見知りになったりして、それなりに旅気分を満喫。
ホテルにチェックインに戻り、しばらく部屋で休憩。
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すんません、自分もパソコンの画面見続けてたら気持ち悪くなってきた・・・。
しかもまだ13日(2日目)の日記?は続く・・・この日は本当に盛り沢山だったから・・・
くそう・・・昨日の記事が消えてなきゃ今日は打ち上げ当日の事が描けたのに・・・・・・。
ああ・・・限界です。もう寝ます;;;