●それでも地球は回ってる

■かつて同人誌作ったり宇宙ネタに小躍りしてた輩の、3年サイト放置後の、無趣味無活動な日々のぐだぐだ与太話あれこれ

ロケットの夏 その3 【これも試練か・・・!?】

2007年09月27日 | ロケット&宇宙

久々にパソコン画面ぶっ続けで見てたので、昨日の夜は頭が冴えて眠れなかった…。
朝が辛ーい;;

さて、種子島レポ、まだ打ち上げの事も書いてないのに既に3回目。
つーか本当に13日は色んな体験をしたので、書き残しておきたい事がいっぱいで…。
という訳で、滞在二日目のレポ後編行きます。


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9月13日(木) 夕方


この日の夕方は、先に島入りしてたYさんと、Yさんの滞在先のホテルで夕食を一緒にとる約束をしていたので、4時半頃まで自分の部屋でごろごろ。
朝から色々気をもんだせいか結構疲れていて、実はものすごーく眠かった。しかしそろそろホテルを出発しないと約束の時間に間に合わないので、ごそごそ起き出す。
フロントに鍵を預けながら戻る時間が9時を回る事を伝えると、フロントのお兄さんがこう言った。



「9時を過ぎると、フロントの者が帰ってしまいますので、鍵は守衛に預けておきますから、恐れ入りますが正面横の守衛室に鍵を取りにいらして下さい」


…流石だぜ種子島。リゾートゴルフ場とはいえフロントも24時間体制じゃない訳ね。


天候とかが良かったら別に気にもならないけど、何せ今の種子島は熱帯低気圧が近づきつつある状態。守衛室は正面玄関から遠く離れていて、万が一土砂降りだった場合、傘無しだとそこに鍵を取りに行ったらずぶ濡れ確定。しかも自分以外の車がほとんど停まってない駐車場・・・なんかヤダ。絶対に9時前には帰ってこよう!と決める。

 
ホテルを出る時またも雨が強く降って来て、オマケに夕暮れ時なので辺りも暗くなり始める。
結局その日だけで自分のホテルに至る道を4回以上行ったり来たりしたので多少は慣れてきたものの、薄暗くて人影ゼロの山道を帰る事に今から不安。
ナビも使い慣れて来て迷わず走れるようになったので、周りの景色を見ながら走れるように。しかし見てたのは風景ではなく「電柱」具体的には「街灯の有無」。しかし見事なまでに「無い」。島の人はこんなに真っ暗で大丈夫なのか?


何とか無事に「いわさきホテル」に到着。去年の冬、初めて種子島に来た時ここに泊まったんですが、綺麗で広くて「住みたくなる」ような素晴らしいコテージがある。そこで原稿やったりしてたんだよなー…冬コミ前の腐女子だから…(それもなんだかな…)
久々に訪れたホテルのロビーから見える海岸は白波が押し寄せていかにも「熱帯低気圧接近中」な荒れ模様…うわーすげー波。しかも今日のこの悪天候。本当に明日天気大丈夫なのか?と益々不安に。しかしJAXAのHPでは打ち上げは14日のまま。……信じるぜJAXA。
YさんとYさんのお母様とレストランに。奥の和室ではどうやら関係者が「打ち上げ祈願?」の宴会を催してる様子。斜め向こうのテーブルではJAXA職員らしき人が三菱系?の人と何やら話しているので耳がダンボに(笑)でも「低気圧」という単語しか聞こえなかった。こんな単語じゃかえって気になるだろーが!!何しろ去年の打ち上げ延期なんか「当日の朝」聞いたからね。連休だから多少日程に余裕があるとは言うものの、一度燃料を注入してから延期が決まると、2,3日は延びると聞いてたから油断出来ないんだって!
海を臨むレストランも、夜になったら外は真っ暗で何も見えない。
しかもYさん曰く熱帯低気圧は「台風」に変わったらしい。

マ ジ す か!


でも明日の天気予報は「晴れのち雨」だという。


…今日のこの天候が?いきなり明日の朝が回復する??
…信じられない。


打ち上げ見る気あんのかよって感じですが、その日はほとんど青空見てないし、なんてったって「南のスコール」の洗礼を受けまくってるから・・俄かには信じられなかったこの時の己。


だけど。

行く事決め手から時間がほとんどなかったのに結局予定が立ったし、ホテルやレンタカーも取ろうとすると一度はおじゃんになるものの必ずゲット出来て、しかも当初取ろうとしてたものよりも、後で決まったものの方が条件が良かったし、朝もあわや種子島に上陸できず!と思ったけどちゃんと来れたし。他にも増田の宇宙通信所でパラボラ操作させてもらえたり、うどん屋のおじさん達と仲良く出来たり、何だかんだでラッキーな状態が続いてる今回の自分。
それを話したら、Yさんのお母様も


「明日の打ち上げもきっと大丈夫よ、護られてるみたいだから」


と言って下さった。
そうでうよね。よくよく考えると全部自分じゃどうにも出来ない事に関して、全部救いの手が入ってるんだもん。こういう時は良い様に考えたモン勝ちです★でも本当に「これはもう偶然じゃないよなー」と思えてならなかったですね。ホテルのご飯も相変わらず旨い。満足っすー。



時計を見ると既に8時前。自分のホテルのフロント事情と島の街灯の無さを話して、慣れない道を一人でレンタカー運転するのでと、明日の朝の打ち合わせもそこそこに退散する。
帰りの道をナビにセット。所要時間は「45分」。地元民ならいざ知らず、観光客には無理だろオイ。しかも夜ですぜ。おまけに雨も降ってるし。
「危ないからゆっくり帰ってね」と見送られつつも、今更ながらにすごーーーく遠くに帰る気がしてきて、心細さ倍増。
ホテルの門を出た途端、「飛ばして帰ろ!」とアクセルを踏み、最初の橋を渡り終わった瞬間、



猫が道路に飛び出したーーーーッッ!!
やめれーーーーーッッ!!!(絶叫)

 事なきを得たけど、自分も疲れてたらしくブレーキを踏もうともしなかった事に気づく。
・・・・・・あと少しタイミングがずれてたら・・・!!(死) 心臓バクバクっす!!!!!
その直後のドデカイ水溜りにダイブ!ある程度のスピードで走ると水溜りも衝撃がすごい!
車が「ゴゴゴゴ!!」って言った!!


気を取り直して遠く前を見ると、街灯が「ぽつーん ぽつーん」とあるだけ。しかも対向車は皆無。猫の事もあり、一気にビビリモード発動。



早く帰りてぇ………ッッ!!!(必死)



そこから歩行者がいないのをいい事に一気に加速!!グワーーーーッと坂道を駆け登る。
種子島の道路は道幅が広いので走りやすいんですが、起伏が激しい上にカーブ続き。
しかも山間部は「街灯ゼロ」。ハンドル持つ手にも力が入るってもんです。
水溜りも、あまりの大雨のせいで小規模な池状態なのがわんさか。
暗いのでそんなの見分けつかないから水溜りに入る度に「ガガガガッッ!!」ともの凄い衝撃が!


その内にカーブだらけの坂道に突入。
ナビもしばらく左折や右折のポイントがないため黙ったまま。
相変わらず対向車もなく一人きりで走る中、何の脈絡もなく思い浮かぶひとつの考え。


・・・・・・人間って不思議ですね・・・
どうしてこういう時に限って思い出さなくていい事とかを考えるんでしょうか。
この時の己の頭をよぎったものは


「自分では分からないけど「アンタは直感も霊感も強い方だ」ってよく言われるよな…」


何でこんな時にこんな場所でそんなこと思い出すかなー自分!!!
その手の話はてんでダメだっつーのに!!!
「気にすんなー!」と思っても考えそうになる自分と脳内で格闘中。
しかも道は急カーブの連続。おあつらえ向きに彼方の空では稲光で雲が光り始める始末・・・



もうヤダーーーッ!!!
お家(ホテル)に帰るーーーッッ!!!(泣)

 心の中は、お子ちゃま状態に半泣き。しかもこの帰り道は島の半分を走るような距離。
疲れもかなりピークに達してる。オーイ!!明日朝早いのに起きれるんかー!
さっきまでのラッキー感もどこへやら。途端に「あれこれ後悔・ついてないモード」に陥る。
と、その時。

 

はるか先に赤い光が。どうやら先行車がいる模様。



旅の道連れが居た!!(大歓喜)


一気に気持ちが上向きに(単純)しかし、ここで引き離されたら「心細さモード」が最大級に達しそうな気がしたので、その車に喰らいついていく事に!


地元の車とみえてどんどん距離が開いていく。
でも夜なのでどんなに遠く離れてもテールランプが見えるから、かえって見失わないで済む。
消えたと思ったらカーブに入ってだけでまた遥か先にそれが見えるみたいな感じ。
しかも光る物はそれしかないし、それを見ていれば、カーブの箇所や長い坂がどこで終わるかが分かる。対向車がくれば遠くからでもライトで分かるので、本当に途中からは遥か先を行くそのテールランプだけを見て走ってました。
しばらくすると後ろからもライトが。もう一台隊列に加わったー(笑)その車もレンタカーらしく、自分のテールランプを頼って付いてきてるけど、カーブになると付いてこれなくなるらしく千切れる(笑)


「大丈夫かー付いて来いよー千切れんなー」


とバックミラーで心配しつつ前を追う状態。ちょっぴり走り屋気分。
「峠のハチロクを追う!」・・・すんません嘘です、あッ!Nさん!石は投げないで!!(苦笑)


「およそ400m先、左方向です」


久々に聞いたナビの声。やっと一般道に近づいた・・・。
街灯がある道路に出て「なんて明るい・・・!」と思いましたよ、夜なのに(笑)
気がつくと、前を走ってたその車は、いつの間にいなくなっていました。




漸く暗い山道から開放されて、信号もある明るい道路を走りながら



「さっきの、先を走ってた車は人間じゃないかもしれない・・・・・」


そんな考えが頭をよぎりました。人間じゃなきゃ何?って聞かれても困るんだけど。
でも先ほどの「怖い」妄想とは違い、もっと安心できるような考え。
だってその赤い光を追いかけてる最中、ほとんど道路を見て走ってなかったんだもん。
千切れない様にするのに必死で、怖い妄想が浮かぶヒマも無いくらいに集中してたし、
相当な距離が離れているにも関わらず、ランプのお陰で道路の軌跡を予測出来たしで、
むしろ、いわさきホテルを出た直後に比べて力を入れずに運転できてたんです。
しかも途中で見えなくなって「いなくなっちゃったよ~」と心細くなると、
「ホラ、ここに居るよ」とばかりにランプが現れて、まるで先導してくれてるかのだったから。
だから、これまた上手く言い表せないんだけど、「何かが導いてくれたような感じ」だったんですよ。
思わず、誰に言うともなしに、「ありがとー・・・」と呟いてましたから・・・・・・。
 

しかし。
ここで終わりじゃないんですよ。
実はここからが本日の運転最大の難関だったのです・・・・・・olz

 

見慣れた四つ角を右に曲がり、視界にさとうきび畑が入った途端、

 「・・・確かこっから先の方が、
道が狭くてしかも暗いんじゃなかったか・・・・・・!?」

 じわじわと不安モードになってくる。先を見通すと・・無論街灯はナシ。
段々と道幅が狭くなり、周りが鬱蒼とした藪っぽくなってきて、竹がダラーンとおっ被さってくるような道に。


し か も。


頼りの白線(中央線)が削れて
残ってない!!



これじゃあ、道の軌跡がわからねえだろーが!!!!(怒)

こんな時に限って雨が降り出し、夜空の雲は稲光で鈍く光ってます。

 

「…もしかして、アタシ試されてる(何に?)
こっからが「本番」ですか……?!(涙)」

 



ぬおおおーー!こうなったら走ってやらぁッッ!!
こんちくしょうーー!!(涙目)


ハンドル握り直して、READY GO!!

 「白線が見えないってんなら、ド真ん中突っ走ったる!!
対向車もいねえんだ!構うもんかー!!」

 もうこの時点で自暴自棄。水溜りの衝撃も無視!


「およそ400m先、左方向です」ってナビに言われても、
ライトが当たってない部分はマジ「真っ暗闇」
ハンパでないほど真っ暗。
「どこに曲がる道なんてあるんだよーー!?」と突っ走ってると見覚えのある看板が。


『増 田 小 学 校 』


「ここかーーー!!」(焦)



ギャギャギャギャギャーーーッッッ!!!
すんげースリップしながら左にカーブ。道幅が広くて助かったーー!
雨も相変わらず降ってる状態。
『増田小学校』前を通り過ぎ、中学校のいかしたスローガン(笑)の看板がライトに照らされる。
ようやくここまで来たぜーーー!(でもホテルはまだまだ先)



その内に恐ろしいほどの急勾配の下り坂に投入。


「反動で登ってやるーーー!」 と

一切ブレーキ掛けずに駆け下りる!(爆)
水溜りの衝撃は既に「水の壁」。「コルト」頑張れーー!

 

坂を登り切って、しばらくすると


「目的地周辺です」


ゴルフ場の看板が見えてきたーー!



『コスモリゾート種子島ゴルフ場』


GOAL!!おめでとう自分!!!(嬉涙)

 

正面入り口にはまだ明かりが付いていた。時計を見ると8時47分
本当に「45分」で帰ってきたよ!!!(驚)
まだフロントの人居るし!!明日の見学ポイント周辺をナビに登録して、急いでフロントに走る!


「お帰りなさいませ」

この一言がどれ程有難かったか……(涙)



本当はこのまま突っ伏して寝たかったけど、部屋にお風呂がないので、大浴場に行くしかない。
しかも10時半で閉まるらしい・・・。よろよろの状態で風呂に行く。


ゴルフ場なので女性客はほとんどいないと思ったけど、案の定自分以外の大浴場利用客はナシ。貸切状態で気分がいいようだけど、余りにも「誰もいない」っつーのはかえって不気味…。居心地が悪くて、湯船にいても落ち着かず、歌でも歌わないと居ても立っても居られず思わず熱唱。でも長湯してるのに全然逆上せない…何故だ。

よく考えたらもう入る客がいないし、守衛さんしか残ってない様なホテルだから、湯船のボイラーが切られたらしい…だんだんと冷めていく大浴場……

なんか寂しくなってきて、もう出るかーと思ったら人の気配。若いお姉さんが一人で入ってきた。
入れ替わりで出て来たけど、きっと彼女は大きなお風呂に入りながらも「ちっとも温まらなかった」に違いない。



部屋に戻って明日の支度をする。窓の外を見ても見事に真っ暗。でも雨は止んだらしい。
結局この日は「長谷の見学ポイント」には行かれなかったので、地図上でもう一度確認。
無駄に走ってたようで、何となく地の利が分かってきたようで、大体のコースを頭に入れる。
ただ、見学場所は一般道からは離れた場所にあって、入り口を間違えると結構大変かも。
去年の冬に車で一度行っただけだし・・・・・・。大丈夫かしら。
しかも駐車場が限られてるから2時間前には居ないと。・・・朝起きられるか??


とんだオフロード気分を味わわされた疲れと寝坊の不安で、結局今夜もロクに眠れそうにない…(泣)
心配してるだろうYさん達に、無事にホテルに辿り着いた事をメールで知らせる。
取りあえず寝なきゃ。明日の天気はどうだろう。

でも。

雨が降っていても、風や雷の心配が無ければ、ロケットは打ち上がるはずだから。
泣いても笑っても勝負は明日。ここまで来たら、運を天に任すしかなかろうよ。



ベッドに入ってぐずぐずしてたら、ふいにうどん屋の店長と奥さんの顔が浮かんだ。


「打ち上げ見れるといいね」


少ーしだけ気が軽くなった気がしたのでした。


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