鈴木智香子の『この曲が聴きたい!!』 = A Song A Day =

その日の気分や季節柄に合わせて、ジャンルを問わず、とっておきの音楽をご紹介します。

Sarah Vaughan - I didn't know what time it was

2013年05月31日 | 日記

5月の終わりは、ジャズ・スタンダード曲から、ジャズ界のメスゴリラ、じゃなくて、『Divine One』(神から授かった声)の異名を持つ、サラ・ヴォーンが歌う『時さえ忘れて』です。

歌詞の中に『貴方が私の手を取ってくれた時、その時はまるで5月のように暖かくて、本当に素晴らしいひとときだった。それがいつ何時だったなんて(あまりに恋に夢中になってたので)どうでもよかった。(それぐらい自分がまだ青かった)』という一節が入っています。アメリカでも5月はとても良い時期なんですね。

 

でも、曲の終わりは、『でも今はもう、その頃みたいにウブじゃないから、今何時かちゃんと分かってるの(もう浮かれすぎたりしないわ)』というオチがついています。ジャズ・スタンダードになるミュージカルって大抵、恋の始まりや真っ最中のウキウキ感を歌っている単純なものが多いのですが、この曲は恋にちょっと冷めかけた頃の事を歌っていて(タイトル自体が過去形ですし)、どっちかっていうとひねりがきいていて異色な作品ですね。


Quarterflash - Take Me To Heart (1983) 私のトラウマ映像 その?

2013年05月29日 | 日記

アメリカのバンド、クォーターフラッシュの2番目のヒット曲『テイク・ミー・トゥ・ハート』です。

ずっと後になって気付いたんですけど、この映像、今でいうストーカーなんですよね!当時はそんな言葉もなければ、(あったかもしれないけどまだ市民権を得ていなかったと思う)PVを製作した時にそんな意図もなかったと思うんですが…。

そういえば、ポリスの『エブリー・ブレス・ユー・テイク』も、れっきとしたストーカーソングです。♪君の息遣いのひとつひとつ、君の放つ一言一言、君が破った約束の一つ一つ、君の足取りの一歩一歩、僕は全部見ているんだよ。分かってるかい?君はぼくのものなんだよ…♪

魅力的なスティングがカッコよく歌っているので、かろうじてラブソングに聴こえますが…。


Whispers - Give It To Me

2013年05月28日 | 日記

明日から12日ぶりの休みです。でも、木曜の夜は遅くまで打合せだし、休み明け早々、学校行事が待っていますが…。本当に気分がゆるむのは今夜と明日の夜あたりかなぁ。

独身だったら部屋の照明落として、こんな音楽聴いてリラックスタイム、と洒落込みたいところですが、今となっては横のオッサンが「よっし、これから録りためた『カンブリア宮殿』と『いい旅夢気分』見るぞ~!」とか言いだしたりして、なかなかオフな気分になってくれないので、まあ、このブログ使って気分だけでも…くすん(泣)。

 


【番外編】1935年(昭和10年)東京の貴重なカラー映像

2013年05月25日 | 日記

この、およそ80年前の日本のカラー映像を偶然見つけた時、『戦前は暗黒時代だった』というような印象を、メディアに何となく植え付けられていたんだ!とハッキリ気が付きました。今まで戦前の映像っていうと、低品質の白黒映像だから写りが不鮮明で人の顔の表情も分かりづらいし、おまけに映像全体にザーザーと黒い雨まで降ってましたからね。

戦前に限らず、江戸だって明治だって、空は青かったし、桜はキレイに咲いていたし、娯楽もあるし、当時の人々は普通に朝起きてご飯食べて、仕事して、しゃべって笑って喧嘩して、って今を生きている私達と変わらず幸せに過ごしていたんですよね。考えてみたらごく当たり前のことでした。この映像を見ていると、スマホやパソコンはないけど、活気があって風情があって、穏やかそうで…なんかいい雰囲気ですね。

ジャズでも全く同じ事が当てはまるんですけど、レコードの録音品質がまだよくなかった頃の1920年代、30年代頃のジャズは、『なんか古臭い』、『聴きづらい』ということで、ジャズリスナーは進んで聴こうとしない傾向があります。それだけでなく、あるジャズ評論家達の間では、この有象無象の雑多な時代(例えば、夜の猥雑な世界と密接に繋がっていた部分)をアメリカのポピュラーミュージックの恥ずべき部分、として過小評価している節もあります。でも、実は昔の音源の方が、何もないところから「ジャズって何なんだべ?」って考えながらジャズを創っていこうとする各演奏家のエネルギーがすごいんです。これこそジャズの本質なんだな、ってすごく勉強になるんですけどね。

1950年代以降のいろいろ出来上がっちゃってからのジャズは、確かに洗練されてカッコいいけど、その後はロッケンロールの台頭のせいで衰退していくだけなので、これから昇っていく太陽を楽しみに仰いでいるというよりも、まるで落ちていく夕陽の美しさを愛でているような気もします。


Gerry Mulligan - Tema para Jobim.mp4

2013年05月24日 | 日記

アメリカのジャズバリトンサックス奏者で、ピアニストでもあるジェリー・マリガンが作曲した、『(直訳)ジョビンに捧ぐテーマ』です。

ロバート・アルトマン監督の『ザ・プレイヤー』を映画館に観に行った時、この曲を見つけてメロディーの美しさに大感激して、タワレコでサウンドトラックを探しまくり、やっと手に入れた思い出があります。映画の中ではブラジルの女性シンガーソングライター、ジョイスとミルトン・ナシメントがデュエットしています。多くのジャズメンにも取り上げられています。

ジェリーマリガンって、ビリー・ホリデイやレスター・ヤングやコールマン・ホーキンスとジャムセッションしている映像が残されていますが、その時の彼は、ハッキリ言って『小僧』な感じがしました。「大物の先輩方と一緒に演れて、ボクちゃん喜び隠しきれません!」って様子で、始終動きがチャカついてて、面白かったです。これがその映像↓

 

最近、私の大好きなアメリカの80年代のドラマ『こちらブルームーン探偵社』が再々々放送されているのですが、この映画『ザ・プレイヤー』の主役を張っていたティム・ロビンスが売れる前のチョイ役で出ていました。こちらもまだ若くて『小僧』な感じで、この後大スターになりそうなオーラも全然出てなくて、ドラマの始まり10分くらいで殺されて、ダスターシュートに捨てられちゃう、というチンピラの兄ちゃんな役どころでした。人って分からんものですね。

 

 

 


Ned Doheny - Never Too Far To Fall (1993)

2013年05月23日 | 日記

カリフォルニア、マリブ出身のシンガーソングライター、ネッド・ドヒニーの比較的新しめのアルバム、といっても1993年ですが、この中からお気に入りの曲をご紹介します。『ネヴァー・トゥ・ファー・トゥ・フォール』です。歌詞聴いてるとホントはそれほどハッピーな曲じゃないんだろうな、って思うけど、サウンドはマリブビーチを吹きぬける風のように爽やかでカラッとしてます。この地に住んでいる地元民にしか作れないサウンドなんでしょうね。

そういえば、この方アメリカ西海岸では『やんごとなきお家柄』のご子息らしく、ビバリーヒルズに『ドヒニー通り(Doheny Drv.)』という名前の通りがあるそうです。そうか、ネッド、ちゃまおだったのかぁ。

CDリリースがマイペースなところや、「ボクを気に入ってくれた人だけ、どうぞ」っていうスタンスがサウンド全体に感じられ、時代におもねるような『がっつき感』が一向に感じられないところなんかは、確かにちゃまおな雰囲気ですね。

星飛雄馬のがんばってる汗もいいけど、花形満くんのシャワーコロンの香りもまたよろし、ってコト?


Patrick Simmons - So Wrong 『ソー・ゥロング』 パトリック・シモンズ

2013年05月21日 | 日記

今日はドゥービー・ブラザーズのパトリック・シモンズのソロアルバムの中からシングルカットされたこの曲をご紹介します。夜の街を疾走する感じが好きで、よく学生の頃、車の中で聴いていました。

偶然見つけたこのPV、『ベストヒットUSA』で流れていたものです。私も同じものをビデオで録画しました。今も大事に持ってるの日本中で私だけかと思ったけど、奇特な人っているもんだわねぇ。

因みにこの曲の後のPVは、トーマス・ドルビーの『彼女はサイエンス』よ♡