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ラエリアン・ムーブメント
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■週に1回行うだけで幸福度が爆上がり…心理学の実験が導き出した"週3だと効果なし"のシンプルな習慣
ネガティブな感情を払拭し、幸せを感じるにはどうすればよいか。米国カリフォルニア大学リバーサイド校の心理学教授であるソニア・リュボミアスキーさんは「わたしたちは、感謝をする習慣と幸福度の関係について調べ、週1回の感謝日記が参加者の幸福度をかなり高くしたことを突き止めた」という――。
※本稿は、ソニア・リュボミアスキー『新装版 幸せがずっと続く12の行動習慣』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
■地獄から天国をつくりだすためにすべきこと
いうまでもありませんが、あなたが幸福になるためには、「自分自身はもちろん、周囲の人々、世の中のあらゆることについてどのようにとらえるか」ということが、生活環境よりも大切です。詩人のジョン・ミルトンが『失楽園』で、「心は自分だけが住む場所である。そのなかでは、地獄から天国をつくることも、天国から地獄をつくることもできる」と述べているようにです。
これから紹介する3つの行動習慣「感謝の気持ちを表わす」「楽観的になる」「考えすぎない、人と比較しない」はどれも、人生についての考え方を変えることを目的としています。地獄から天国をつくりだし、喜べることを探して、小さなことにくよくよするのはやめるというものです。
ずっと以前から哲学者や作家、そして私たちの曾祖母たちは、私がここで述べているような3つの行動を称賛してきました。「もっと楽観的になろう」「あまりくよくよするな」「もっと感謝の気持ちをもてば気分がよくなる」といったアドバイスは、何世代にもわたって受け継がれてきたのです。
■「感謝」は幸せになるためのメタ戦略
でも、次のような疑問が生じるかもしれません。なぜ、そのような言葉が今日の私たちにとって大切なのか? なぜ、そのアドバイスを学んで習慣に変えるために、貴重な時間やエネルギーを費やす意味があるのか? さらに、その習慣自体が果たして学べるものなのかどうか? また、もし、そのような習慣が身につくようにトレーニングをしたとして、ほんとうにもっと幸せになれるのだろうか?
私は不確実な推測ではなく、科学によって証明された方法だけを選びました。幸福度とは遺伝が50%、外的環境が10%でつくられており、残りの40%は自分の行動でつくられています。
ここにあげた行動をあなたの人生に当てはめ、自分で変えることができる40%として役立ててください。なぜなら、「40%」という数字は、自分自身を幸せにすることができる可能性を十分に示しているからです。
ここでは「感謝の気持ちを表わす」ことについて述べていきます。「感謝」は幸せになるためのある種の「メタ戦略」のようなものです。「感謝」の意味は人によってさまざまです。それは感嘆したり、失敗や敗北したときでも明るく認められることや、豊かさを味わうことだったりします。または、誰かに「ありがとう」と声をかけ、自分が恵まれている点を数えあげることかもしれません。
■「感謝」の定義
「感謝(gratitude)」とは、物事を大切に味わい、それを当たり前だとは思わず、現在に価値をおくものです。また、「ネガティブ感情」の解毒剤であり、ねたみや強欲、敵意、不安、いらだちを中和させるものでもあります。普通は「感謝」といえば、何かをもらったり恩恵を受けたりしたときにお礼をいうことと単純に結びつけがちです。けれども、私は読者のみなさんに、「感謝」の定義をもっと幅広く考えていただきたいと思います。
世界的に有名な「感謝」についての研究者で、作家でもあるロバート・エモンズは、「感謝」を「生きていることへの驚きやありがたみ、そして価値を感じること」だと定義しています。たとえば、かつての恩師に電話をして、人生の岐路で自分を導いてくれたことにお礼をいう。子どもとすごす時間を楽しむ。自分の人生におけるよいところをすべて思いだす、などの行為を通じて、「いま、自分がどれほど幸運な環境にいるか」ということ(または、どれほどひどいことになっていたかわからないということ)を認識することにより、ありがたみを感じることができるものです。
■「感謝」することで得られるさまざまな恩恵
最近では、「感謝」にさまざまな恩恵があることが注目され、新しい研究が始まっています。感謝の念を決して忘れない人はそうでない人に比べて、より幸福で、よりエネルギッシュで、より希望に満ちていることがわかっています。そして、「ポジティブ感情」を抱きやすいことが報告されています。さらに、あまり感謝の気持ちをもたない人よりも、人を助け、共感でき、信仰心に厚く、寛大で、さほど物事に執着しない傾向があることも明らかになっています。感謝をよく示す人ほど、落ち込んだり、不安になったり、孤独を感じたり、嫉妬したり、ノイローゼになったりしにくいこともわかっています。
このような研究から、「いいこと」と「感謝」には相関関係があることはわかります。けれども、感謝の気持ちを抱くことがさまざまなよいことを起こす(または悪いことを防ぐ)真の原因かどうかは、完全にはわかっていません。
■「恵まれていると感じること」5つを書きだす
参加者に目的を知らせずに感謝の気持ちを表現してもらい、その結果を記録するという、実験的な研究がいくつか行なわれています。その研究では、まず参加者のうちの1つのグループには「感謝しているもの」、つまり「恵まれていると感じること」を5つ書きだしてもらいます。それから、その後10週間にわたって、週に一度同じことをしてもらうのです。ほかのグループにはそのような行動をとらない、対照グループになってもらいます。彼らは毎週、感謝するものを探す代わりに、「その日に起こった面倒な問題や出来事」を5つ考えるように指示されます。
■人生により満足感をもてるようになった
この研究結果は、興味深いものとなりました。感謝を表わすことを求められた参加者は対照グループと比べて、人生についてより楽観的に感じ、より満足感をもったのです。より健康にもなっていました。さらに、頭痛や吹き出物、咳(せき)、吐き気など、身体に起こるさまざまな悪い症状が減少すると同時に、運動をする時間が増えたのです。
持病を抱える学生や成人を対象にした同様の実験でも、同じ結果がでました。この研究から、まず感謝を表わそうと努力した日には、人々がいっそう興味や興奮や喜びなど「ポジティブ感情」を覚えることがわかってきました。そしてこれまでに比べて、誰かを助け、まわりの人との絆を感じる傾向が強くなり、さらにぐっすり眠れるようになったことが報告されています。
このような研究から、感謝の気持ちを表わすことが、心や身体の健康と関連することが初めてわかりました。しかし、この研究の真の目的は、感謝が「ポジティブ感情」や健康にすぐさまよい影響を及ぼすかどうかを判断することです。つまり、より感謝をすれば、その日がより幸せであると感じるかどうかを調べるものでした。
■感謝日記をつける
私たちの研究では、これまでの発見に基づきながら、新しい実験を行ないました。
それは「参加者の幸福度を測ってから、感謝に対する介入(意図的な働きかけ)を行ない、それが終わったらすぐにもう一度、幸福度を測る」というものです。
まず、参加者は、「感謝日記」をつけるように指示されます。「ありがたい」と思ったことを5つ書きだし、それについてじっくりと考えるというものです。具体的には、次のような指示がだされました。
「私たちの人生には、大小の差はあっても、感謝すべきものがたくさんあります。過去1週間の出来事を振り返って、あなたが感謝したり、ありがたいと思ったりしたものを5つまで、以下の線のところに書いてください」そして「今週、私が感謝しているのは……」という言葉に続いて、何も書かれていない線が5本並んでいます。
参加者は6週間にわたって、幸福度が高まるためのこの方法に取り組みました。参加者の半分はこの行動を週に1回(毎週日曜の夜)とるように指示され、残りの半分は週に3回(毎週火曜、木曜、日曜)とるように指示されました。その結果、参加者が記録した、感謝を感じた対象はじつに多岐にわたっていました。「母親」「健康な身体」「バレンタインがあること」から「中間試験で3章分しか出題されなかったこと」というものまでさまざまです。
■週1回のグループにしか効果は得られなかった理由
予想通り、私たちの提案したこのシンプルな方法は、感謝の気持ちをより多く生みだすことに効果があるとわかりました。さらに、自らが受けた恵みを定期的に数えた参加者は、より幸福になったという重要な結果がでたのです。対照グループ(つまり、どんな行動もとらなかった人々)に比べて、感謝を表現したグループは、介入があったあとの幸福度がかなり高くなったことが報告されています。興味深いことに、この効果がでたのは、毎週日曜の夜に感謝すべきことを書きだした参加者だけでした。週に3回、書きだした参加者は何の効果も得られなかったのです。
一見すると、この発見は奇妙に見えるかもしれません。しかし、ちゃんと説明がつきます。毎週火曜と木曜と日曜に感謝を表現することになっている人たちは、それが面倒な作業だと思って、しだいに退屈になっていったのでしょう。一方、週に一度だけ感謝を表現する人々は、長い間にわたって、それを新鮮で意味のある行動だと思い続けたのです
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ソニア・リュボミアスキー
心理学教授
米国カリフォルニア大学リバーサイド校の心理学教授。社会心理学とポジティブ心理学のコースで教鞭をとっている。ロシア生まれ。ハーバード大学で学士号を取り、スタンフォード大学で博士号を取得した。2002年度のテンプルトン・ポジティブ心理学賞などさまざまな賞を受賞している。また、現在は『ポジティブ心理学ジャーナル』の編集に携わり、米国国立精神衛生研究所から数年にわたって助成金を受けて、「永遠に続く幸福の可能性」について研究を続けている。テレビやラジオの番組にも多く出演し、多数の講演も行なっている。家族とともにカリフォルニア州のサンタモニカに在住。
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【元記事】
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●「平和のための1分間瞑想」
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●日本ラエリアン・ムーブメント
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●無限堂出版
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最後までお読みいただきありがとうございました。