時代の移り変わりがそれほどすんなり行かないのは
歴史が証明しています。
同じ武家社会でも、鎌倉時代から室町時代へ移るの
に途中南北朝もはさみ随分時間がかかっています。
それなのに、武家社会からまるで違う社会になった
明治維新は大きな変化の割にはスムーズだったよう
に思います。
江戸に住んでいた人にとっては、幕府が滅んで薩長
中心の軍隊が進駐してきたわけですから、占領軍の
ようなものです。
この本では、将軍の権威を保つためにどういうこと
が行われていたのかが実例で紹介されています。
将軍拝謁といっても実際には顔を上げられなかった
ので、直接見ることはできなかったことや、「シー」
という掛け声を先導に城中を進む御三家や御三卿が
別格扱いであったこと、とにかく静謐が重んじられ
たことなどがよくわかります。
また、江戸の庶民も将軍ブランドをありがたがって
いたり、うまく商売に結び付けていたこともわかり
ます。
江戸の人間には馴染み深かった将軍があっという間
にいなくなってしまい、天皇を頂点にした支配に変
わった明治になって、江戸の人間には不思議な感覚
はなかったのでしょうか。
大名の江戸城への登城回数もかなり多かったことも
わかります。
江戸時代はかなり文書が残っていて詳しいことまで
分かっていますが、当時の町人の価値観はどのよう
なものだったのかを知りたいと感じました。
徳川将軍家の演出力 安藤優一郎 新潮選書
歴史が証明しています。
同じ武家社会でも、鎌倉時代から室町時代へ移るの
に途中南北朝もはさみ随分時間がかかっています。
それなのに、武家社会からまるで違う社会になった
明治維新は大きな変化の割にはスムーズだったよう
に思います。
江戸に住んでいた人にとっては、幕府が滅んで薩長
中心の軍隊が進駐してきたわけですから、占領軍の
ようなものです。
この本では、将軍の権威を保つためにどういうこと
が行われていたのかが実例で紹介されています。
将軍拝謁といっても実際には顔を上げられなかった
ので、直接見ることはできなかったことや、「シー」
という掛け声を先導に城中を進む御三家や御三卿が
別格扱いであったこと、とにかく静謐が重んじられ
たことなどがよくわかります。
また、江戸の庶民も将軍ブランドをありがたがって
いたり、うまく商売に結び付けていたこともわかり
ます。
江戸の人間には馴染み深かった将軍があっという間
にいなくなってしまい、天皇を頂点にした支配に変
わった明治になって、江戸の人間には不思議な感覚
はなかったのでしょうか。
大名の江戸城への登城回数もかなり多かったことも
わかります。
江戸時代はかなり文書が残っていて詳しいことまで
分かっていますが、当時の町人の価値観はどのよう
なものだったのかを知りたいと感じました。
徳川将軍家の演出力 安藤優一郎 新潮選書