稚内付近の実際に走行したルート図(赤色)と礼文島の縦断ルート(青色)
ノシャップ岬とサロベツ原野のルートは略してます。
2006/6/17-19 礼文島とサロベツの旅(序章)
少し古い話となってしまった。
以前にブログで部分的に写真をアップしたこともあるが、その当時集めた資料と撮影した写真を整理することもなく、忙しさに紛れて年月が経過していた。
ぜひ記憶に留めたく、「花の浮島(礼文島)」への旅を当時の記憶を思い起こしながら綴ってみることにした。
滅多に行く機会が来ないし、あまり歳をとると同様の長旅ができるか不安もある。
礼文島とサロベツの旅は、最後まで続くかどうか・・・見切り発車してみる。
序 章
1993年から本格的に登山を始めて17年が経過しようとしている。
1995年8月6日、利尻島の利尻山(1721m)の頂に到達してから随分歳月が経過した。夜行列車とフェリーを乗り継ぎ、海抜ゼロから日帰りで往復したハードな登山であった。
そして、礼文島へのトレッキングは、つい4年前の話である。北海道に住んでいても礼文島は遠く、屋久島、北アルプスの山々と同様に憧れの登山先である。札幌からマイカーとフェリーを利用しても2泊3日を要する長旅である。実際には予備日をもう1日用意していた。この時期に2日間の休暇と土日を利用することはとても難しい。
花の名山と呼ばれるこの島を歩くには、レブンアツモリソウやレブンコザクラに代表される礼文島固有の高山植物が咲く時期を選びたくなる。
ところが、6月中旬は、まだまだ春の気配が漂い、一度天候が荒れはじめれば、礼文島の北から南への縦断の旅はとても危険を伴う。島は年中、平均風速で10メートル近い風が吹き、本州で行けば6月中旬の2000m級の山々を歩くのと同一条件となることも珍しくない。一部の海岸線のトレッキングルートは、海が荒れると歩行が困難となり引き返さなければならない。
こんなリスクを背負いながら、2006年6月に天候上の好条件が整い、観光シーズンで宿が殆ど空いてない時期であるが、運良く礼文島・香深の渡辺旅館に2泊お世話になることとなった。
到着して出迎えてくれた若女将の開口一番、「札幌から単身でご旅行、しかも礼文島の登山とは、どちらの大学の方ですか?」「学者さんでなければどちらのお金持ちの方でしょうか・・笑」であった。
これは、後に解ったことであるが、礼文島にお住まいの方々の住民感情は、『遥々飛行機も飛ばないこの島へ、高い交通費と旅館に2泊3日一人で宿泊する料金を考えると、その旅人が東京人でも札幌人であってもとても余裕のある方』と感じているようだ。確かに、北海道内の登山旅行でこれほど高コストで時間を要する旅は、利尻山登山と礼文島のトレッキングぐらいだろう。いや、むしろ飛行機の便を考えると利尻島は札幌・東京からの直行便があるが礼文島にはなく、北の孤島であり最北の島は魅力満載である。
礼文島までの足取りの概要は、早朝6時札幌から車で7時間、途中サロベツ原野とノシャップ岬を経由して、稚内からフェリーで2時間。旅館に到着したのは17時過ぎだったと記憶している。
だんだん礼文島が遠のいて行ってるような気がします。
どうして遠のくのかな・・??
記事が進むにつれて、切り口が見つかると思います。