はじめに
人をやっているからには、どうやったらこの体が「病気にならないで生きていけるのか」を考えるにあたり 最低限のメカニズムを知っておいた方がいいのではないかと
消化器―⑧分解・合成のしくみ
3大栄養素やビタミンを分解して貯蔵し、必要に応じて体が活用できる形に合成して供給する
【位置】
肝臓内
【構造・機能】
小腸で吸収されたアミノ酸、ブドウ糖などの栄養素は、門脈から肝臓に送られて化学的に処理される
肝臓では、栄養素を体が利用しやすい形につくり替えてから、血液をとおして体のすみずみに送られる。肝臓が正常に機能しなければ、いくら栄養価の高い食物を摂取しても、必要な栄養素を体内で活用することはできない。
【化学処理により利用しやすい形に変換される】
肝臓では、何千種類もの化学反応が行われ、500種類以上の物質につくり替えられている。まさに、さまざまな化学工場が集積したコンビナートの役割を果たしている。その化学反応の基本となるのが、合成と分解である
【必要に応じて合成、分解、貯蔵を行う】
◎ 糖質(炭水化物)は、小腸でブドウ糖や果糖、ガラクトースなどの単糖類に分解されて肝臓に送られ、肝臓でブドウ糖に統一される
1)必要に応じて、血液中に供給される。 ブドウ糖は、全身の細胞にとって重要なエネルギー源である
2)ブドウ糖は貯蔵に不向きなため、肝臓内では ブドウ糖の集合体である 『グリコーゲン』に合成されて 貯蔵されている
3)血液中のブドウ糖が減少すると、『グリコーゲン』を分解してブドウ糖に戻す
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◎ タンパク質は、小腸でアミノ酸に分解されて肝臓に送られ貯蔵される
1)必要に応じてアミノ酸から体を形づくるタンパク質、血清アルブミン、酵素などに合成される
◆ アミノ酸が50個以上つながったものがタンパク質である
■ 肝臓内に『グリコーゲン』が不足し、血液中のブドウ糖が急激に減少したときには、アミノ酸からブドウ糖をつくり血液中に供給することもある
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◎ 小腸で分解・吸収され肝臓に送られた脂肪酸、トリグリセリド、モノグリセリドは、中性脂肪、コレステロール、リン脂質、胆汁酸に合成される。
◆ 肝細胞には、常に中性脂肪の形で3~5%の脂肪が含まれている
◆ アミノ酸と同様に、血液中にブドウ糖が不足すると、ブドウ糖につくり替えられる
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◎ ビタミン類は、肝臓に貯蔵され、必要に応じて体内で利用しやすい形につくり替えられる
【肝臓の分解・合成・貯蔵・解毒作用のしくみ】
【生命維持に不可欠なコレステロール】
◆ コレステロールというと、とかく悪者扱いされるが、生命を維持するうえで必要不可欠な物質である。脂質の一種であるコレステロールは、生体膜や細胞膜をつくる重要な物質であり、副腎皮質ホルモン(ステロイド)などのホルモンや、胆汁の主成分である胆汁酸の原料になる
◆ コレステロールを大別すると
① 善玉と呼ばれるHDLコレステロール
・体内の余分なコレステロールを回収して肝臓に戻す働きをする
② 悪玉と呼ばれるLDLコレステロール
・体の各組織に必要なコレステロールを運ぶ役目を担っている
どちらも重要な役割を担っているが、血液中のLDLコレステロールが過剰になると、血管壁にたまって動脈硬化の原因となる
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