《きっかけはグリーンランドのイヌイット》
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《キーワードは「レプチン」》
脂肪を溜め込むと太りやすくなるもう一つの理由は、「レプチン」という白色脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインがかかわっています。因みにレプチンという名前は、ギリシャ語で「細い、痩せている」ことを意味する「leptos（レプトス）」に由来しています。
レプチンは食欲のコントロールにかかわるホルモンで、食欲を抑える働きを持っています。尚且つ、肝臓や筋肉には「エネルギーを消費して！」という指令を出します。そのため、レプチンの分泌が増えると、食べる量は減って、脂肪が燃焼される方向に働きます。
ところが困ったことに、肥満になるとレプチンはたくさん分泌されるのですが、レプチンに対する反応が何故だか悪くなることがわかっています。そのため、太っている人ほど、満腹感を得られにくく、食べ過ぎてしまうという困った事態に陥ります。
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《キーワードは「インスリン」》
脂肪を溜め込むと更に太りやすくなります。その理由の一つはインスリンです。太るとインスリンが効きにくくなります。インスリンは、血糖値を下げるホルモンですが、別の名前も持っています。それは「肥満ホルモン」です。
インスリンが血糖値を下げることは良いことなのですが、要は、余ったブドウ糖を中性脂肪（トリグリセリド）に変えて脂肪細胞に貯蔵するように促すわけです。インスリンがどんどん分泌されるということは、脂肪をどんどん蓄積するということなのです。
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《こうして脂肪は溜まっていく》
食べすぎると、余ったエネルギーは中性脂肪（トリグリセリド）として脂肪細胞に蓄えられ、脂肪細胞がパンパンに大きくなり、限界を超えると数も増えていきます。そうやって皮膚の下に集まっている脂肪細胞が大きくなったり数が増えると「皮下脂肪」が増えます。
お腹まわりに集まっている脂肪細胞が大きくなったり数が増えると「内臓脂肪」が増えるのですが、もっと脂肪が増えて、皮下脂肪にも内臓脂肪にも入りきらなくなると、行き場を失った脂肪は。「脂肪細胞以外」の所に入り込みます。
心臓や肝臓、すい臓、筋肉（骨格筋）など、本来は脂肪がつくはずのないところに居座るようになります。心臓の心筋細胞、肝臓の肝細胞、すい臓のβ細胞、骨格筋の筋細胞など、本来は中性脂肪を細胞内に溜め込む性質を持たない細胞に蓄積されてしまいます。これが「異所性脂肪」です。
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