引き続きまして脚部の3Dモデリングを始めました。
腕部は形状と変形機構を煮詰めてから3Dモデリングを開始したため、各部品事前に考えていた形状でモデリングするだけでそれなりに形になり、変形に伴う矛盾を調整する手間はほとんどかかりませんでした。
しかし脚部は形状はそれなりに考えていたものの変形機構についてはほとんど考えておらず、今回は部品の形状と変形前後の部品位置のみ再現しています。
形状はほぼほぼ狙った形になっていると思いました。ただ、脚部は平面で構成していてもそれなりに違和感なくまとまりましたが、脚部は全体的にカクカクした印象になってしまい、膝前面装甲とふくらはぎ、つま先は簡単に曲面も入れてみたところ、なんとか画像でも違和感が少ない状態になったかと思います。結局形にしていく中では削って調整する部分なので3Dにここまで反映させる意味はないのですが、やってる感を味わうためには効果的だと思いました。
また、変形後の太ももふくらはぎ部とふくらはぎ部が合わさる面は、3Dモデリング上で割面を各部品で共有するように工夫して、変形前後でピッタリ一致する形状にできました。このあたりも3Dモデリングの大きな魅力だと感じました。
脚部は変形に伴う関節機構の検討は進んでいないので、考えながら3Dに盛り込んで行きたいと思います。
前回3Dモデリングを行った腕部を図面化してみました。
全体像を図面化すると大きさの把握と、なんとなくやった感を感じることはできますが、
実際に形作るためには部品が一括で描かれているためいまいち使いにくい状態です。
そのため部品ごとに図面化し、実際にプラ板を切った貼ったした際に気になるであろう部分の寸法も入れてみました。
また、肩部は装甲裏のトラス形状もデータに盛り込んでみました。
これまでプラ板から部品を自作する際は部品の図面を紙に書いたうえで、切り出し用 に必要なだけ図面を書き、プラ板に貼り付けて切り出していました。今回部品ごとに図面化することで、必要な形状を一度に印刷することができ、さらに精度も高いのでこの一連の作業がスムーズに行えるようになると感じています。
実作業はまだ手を付けていませんが、実際に加工を始めるのが楽しみです。
前回デジタルモデリングの手始めとして3D CADを用いて形を作るところまで進めましたが、今回はそれを変形させてみて不具合がないかの確認、不具合があったところの修正を行いました。
まずは部品データを回転軸に注意しながら組み合わせていき、変形後の形状にしてみました。
ぱっと見は狙った感じになっていました。
ただ、断面を切って内部の様子を確認してみると、4箇所ほど干渉している部分がありました。
1 肩関節につく装甲が変形後肩部フレームに干渉していました。
2 肩上部装甲が回転変形して、取り付け角度が変わるような変形を考えていましたが、変形後肩部フレームに干渉していました。
3 肩部フレームの取り付け軸が肩関節に干渉していました。
4 肘関節と肩上部のバーニアが干渉していました。
また、外装の合いについても肩装甲と前腕部で隙間ができてしまっていました。隙間が出ないように回転軸を割り出していたつもりでしたが、やはり中点の選択できないパワーポイントでの作図ではこの程度の誤差は出てしまうという結果でしょうか。
さらに、変形とは関係ないですが、肩装甲の隙間(A)と比べて上腕の幅(B)が大きく、このままでは腕が回転できない形状となっていました。
これらの不具合について少しずつ修正していきました。
1,2の干渉については肩部フレームの形状を可能な限り最適化して対応しました。
3は肩関節内部に逃げの空間を作り、足りない分は軸を短くする予定、4は肩部バーニアの形状に逃げをつける予定です。
外装の隙間については、回転軸の再設定は面倒だったので肩装甲の面積を増やして埋めています。
上腕の回転については回転軌道の円を描いた上で、その円から出ない形に上腕形状を煮詰めています。
こんな感じでやりだしてみて操作に慣れてくると実際にものを作らなくてもモデリングが進んでいる気になります。現実には何一つ形になっていない状態ですが、CADで進めた形状をうまく再現できる工作方法についても考えていきたいと思います。
最後に、腕がなんとなくできたので全体像を見る用の組付けデータを作りました。一対の腕があると急に完成に近づいた気がしました。
前回S2ガンダムを作ろうとPowerPointを使って概略を考えていたとき、デジタルモデリングの有効性を感じつつも変形や複雑な可動をする部分はやはり3D CADがいいと感じていました。そこで思い切って3D CADでのデジタルモデリングを始めてみました。
基本的にはPowerPointで作図した線画を読み込んで、それをもとに3Dにしていくという流れでした。
面構成(ぱっと見平面でも緩やかな曲面にする)など、ほんとに細かな部分は実際にものを作るときに盛り込めばいいので、平面で構成された状態で形造りました。
奥行き方向の寸法はだいたいの雰囲気で決めていますが、まずまずのいい雰囲気になったと思います。
また、3Dデータを部品ごとに作り、できた3Dの部品を組み合わせるデータ(ASSYデータ)を作ることで、部品を分解して構成を確認しやすくしています。
細かなディテールは結局程よい市販パーツを使うと思うので雰囲気だけ作ればよかったのですが、やってて楽しくなってきたので肘関節の丸一モールドも作ってみました。
今回使用した3D CADはPTC社のCreoというソフトです。今回訳あって使う機会を得たのでやってみました。使ってみた感想としては、3D CADを使うときは1から3Dで検討するのではなく、今回のようにある程度目安となるスケッチがある方がやりやすいということでした。スケッチがあるとそれを参考に3Dに起こせますが、何もないところから複雑な3Dを起こすのは考慮すべき内容が多すぎて、何から手を付けていいかわからない状態になりました。なのでPowerPointでの2D検討と合わせて適材適所でのデジタルモデリングが有効だと感じました。
また、今回の3D CADではASSYデータを作るときに配置の仕方を工夫することで変形の検討ができそうですが、そこまで時間がなくできていません。
次回使用機会があればその点に取り組んでみたいと思います。
またしても久々の更新になります。
気づけばブログ開設から10年の記念すべき日をサラッと経過してしまいました。
これからもバリバリ作る感じにはならないと思いますが、
製作自体は続けていくので気長に更新していきたいと思います。
本日から新しい製作に入りたいと思います。
次のお題は「センチネル2の新型ガンダムタイプMS」です。
デザイン自体がかっこいいことと、商品化されにくい(長期にわたるスクラッチでも商品化にびくびくしなくてよい)という理由で選定しています。
このMSは正式名称もなく、設定も明確なものがないというふわふわした機体ですが、その分自由に作りたいと思います。
正式名称はないものの、このブログではWEB上で比較的使用されている「S2ガンダム」と呼ぶこととします。
センチネル2でS2ですが、Sガンダムとの関連性を感じさせるよい名称になっていると感じています。
現在は工作を進めている段階ではなく、大まかな形状の割り出しをしている状態です。
これまで部品を自作する場合、方眼紙やコピー用紙に手書きで形状を検討していましたが、今のトレンドのデジタルモデリングに足を踏み込みたいと、いろいろやってみていました。
現在結構いいと感じているのが、パワーポイントのオートシェイプと使った形状検討です。
以前紹介したデカール作成の際にデカールデザインを行うために使用した方法ですが、部品形状の検討でもそれなりに使えました。
実際に腕部で進めている内容を紹介します。
まずは腕部全体像です。MS形態での形状を書いた後、コピーした部品形状をつかって変形後の形状を構成しています。S2ガンダムは詳細な変形方法が不明なMSですが、それなりにまとまりのある形にできたと感じています。
これだけ載せているとすんなり形状が決まったように思えますが、実際は
MS形態を書く→変形後の形状に並べかえる→おかしな部分をMS形態にフィードバック
という流れを何度も繰り返しています。
似たような線の修正を行ったり、同じ形状を並べ替えたりできるという点が、デジタルモデリングの最大の利点だと感じました。
内部関節の形状検討も、線を色分けしたり見たい部品を塗りつぶしたりして、見やすくして行えます。
細かな変形の回転軸の割り出しも比較的容易に行えました。
ただ、頂点を選択したり2点の中点を選択したりできないため、このような目的で使うためにはパワーポイントでは力不足だと感じました。
変形後の各部品の位置関係も割り出せます。ギリギリな部分もありますが、頭の中では無難に変形できていると考えています。ただ実際作った際には想像できていない部分が干渉して変形できない、という可能性もあるので、こういった検討も3D CADで行えれば理想ですね。
部品を分割するとこのようになります。
この形状を現物大で印刷し、プラ板に貼り付けて切り出せばそれなりの精度で変形可能な腕部が作れる、と思っています。