これほど素晴らしい反戦映画はないと、ぜひ観るようにすすめられていたので、大阪で上映最終日に映画館へかけこみました。日本語のわかる外国人が、この映画を観てすごく感動したという話も聞いていました。
この作品は、今年4月75歳で急逝した黒木和雄監督が最後に制作したもの。黒木監督は満州で幼時を送り、敗戦前後の辛酸を体験したに違いなく、晩年は戦争レクイエム三部作をつくっています。
映画を観ながら、やはり私も感動しました。とはいえ、反戦平和をテーマにしながら戦場も爆弾も血なま臭い場面は一度も出てこないのです。
最初に老夫婦が病院の屋上で二人きりで何気ない会話を続ける場面。昭和20年の戦争末期の鹿児島の古ぼけた田舎の屋内での紙屋夫婦とその妹・悦子(原田知世・主演)の、粗末な食事をしながらの会話。その家へ訪ねてくる2人の青年将校の対話──そうした会話の場面が殆どで、それ以外は僅かに空ばかりの風景や波の音しか出てこない映画です。いわば芝居の舞台でも演じられる場面しかないのです。
にもかかわらず、悦子が泣き崩れるシーンでは、私も一緒になって泣いてしまいました。
性と愛の見分けもつかない今の若者に、薬にしたいくらいの感動的な作品であったことを報告しておきます。
蛇足ですが、当サイトの<市民の証言集>を読んで涙が止まらなかったというメールを頂いていることも付け加えておきたいと思います。
この作品は、今年4月75歳で急逝した黒木和雄監督が最後に制作したもの。黒木監督は満州で幼時を送り、敗戦前後の辛酸を体験したに違いなく、晩年は戦争レクイエム三部作をつくっています。
映画を観ながら、やはり私も感動しました。とはいえ、反戦平和をテーマにしながら戦場も爆弾も血なま臭い場面は一度も出てこないのです。
最初に老夫婦が病院の屋上で二人きりで何気ない会話を続ける場面。昭和20年の戦争末期の鹿児島の古ぼけた田舎の屋内での紙屋夫婦とその妹・悦子(原田知世・主演)の、粗末な食事をしながらの会話。その家へ訪ねてくる2人の青年将校の対話──そうした会話の場面が殆どで、それ以外は僅かに空ばかりの風景や波の音しか出てこない映画です。いわば芝居の舞台でも演じられる場面しかないのです。
にもかかわらず、悦子が泣き崩れるシーンでは、私も一緒になって泣いてしまいました。
性と愛の見分けもつかない今の若者に、薬にしたいくらいの感動的な作品であったことを報告しておきます。
蛇足ですが、当サイトの<市民の証言集>を読んで涙が止まらなかったというメールを頂いていることも付け加えておきたいと思います。