戦争を語りつぐ証言ブログ

<戦争を語りつぐ60年目の証言>サイトの管理人・スタッフから、
取材の近況や関連情報をお届けします。

年末に放映された戦争関連番組から

2006-12-31 10:44:42 | Weblog
 年末に放映されたテレビのなかで、やはり戦争に関連ある番組に関心があって視聴した。その感想の一端をメモしておきたい。
●12/28の10ch(読売テレビ)18:30からのスクープで「お前は誰だ? 金正日が恐れる男=リ・ジュン」から。
 ジャーナリスト石丸二郎氏との出会いが機縁となった脱北者の青年がジャーナリストになることを自覚し、再び北朝鮮に潜入する。祖国の実態を世界に知らせるために、石丸氏から与えられたビデオカメラで決死の取材を各地を廻って撮影した最近のビデオテープを編集・放映したもの。
 配給制度の崩壊とともに飢餓寸前で栄養失調になった民衆の姿。集積場で拾い集めた落ちこぼれの肥料やゴミ捨て場の空ビンを売って食糧を買う人々。孤児となった子供たちがスリや万引をして生きている姿。起き上がる元気もなく横たわる下級兵士の近くで踊りまわる人々。そこには自由を渇望する姿がある。警察官に刃向かう若者の姿も映されている。
 核実験後に決行した労働党幹部への取材で「強盛大国とは核保有国になることだ」という言葉が発せられる。夏のミサイル発射実験といい、軍事力を高めるために莫大な予算をかける金政権の現状は、明らかに民衆の犠牲において権力を維持・強化することが目的であり、それは戦前戦中の日本の姿でもあった。
 北朝鮮で唯一人のジャーナリストリ・ジュンは、誰もが自由平等になり、家族が安心して暮らせる国になるまで、明日を信じて取材を続ける決意を固めているという。
 改めて北朝鮮の実態を知るために、図書館で『北朝鮮・狂気の正体=金王朝の謀略と崩壊の行方』(深田祐介・萩原遼/扶桑社・2003刊)を借りて読むことにする。
 
●同じく10chで12/29、18:30からの「太田総理と秘書田中」では、前にも紹介した爆笑問題・太田光の共著「憲法九条を世界遺産に」がテーマとなっていた。政治家やタレントたちが議員となって総理の提案を議題に討論したあと投票で賛否を決める段取りになっているのだが、憲法九条改定には15対13で改定賛成が多かった。太田は口角泡を飛ばして憲法擁護の主張をしていた。
 一つ意外だったのは、ゲストとして出演した硫黄島生き残りの高齢者が、硫黄島の激戦は地獄であったと言いながら軍備賛成の意見を述べたことであった。靖国神社へA級戦犯が合祀されていること、孫が軍隊に徴兵されることも賛成という。その理由を詳しく聞けなかったが、歴史観に問題があると感じた。歴史から学ばずに同じ歴史を繰り返してはならないと思う。
 硫黄島生き残りの兵士が遺した「祖父の硫黄島戦闘体験記」
http://www5f.biglobe.ne.jp/~iwojima/index.html
にアクセスして、もっと詳しい情報を確認することにしたい。

●2ch(NHK)12/30の「ようこそ先輩・課外授業」で金子兜太(85才・俳人)がトラック島の激戦で生き残った体験を小6の生徒たちに語りながら、餓死寸前の日本兵たちの体が縮んでいって葉っぱのようになったこと、いのちが一番大事であること、この世の中のあらゆるものが生きていること、自然のすべてと抱き合って伝わってくるものを俳句に詠む体験学習を教えていたのが感動的であった。
 

3 コメント

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体験というもの (zeroko)
2006-12-31 16:58:17
硫黄島の生存者について

戦争体験者が必ずしも平和主義者になるわけではありませんから。
過酷な体験が屈折を生んだ可能性があります。
戦友に申し訳ないと思っているのかも。
でも、この時期にああいうことを言って欲しくないですね。
私の祖父 (makein)
2007-01-02 17:58:40
も戦争は酷かった、戦争はダメだと言います。

しかし、中国が攻めて来たら?と言う質問には
家族を守る為に戦う、戦争だ。と言うんです。

中国が子供を公開処刑する国と知ったら、
嫌いになってしまうと思いますが、
下のサイトに中国の現実が紹介されています。

http://banmakoto.air-nifty.com/blues/2006/12/125_fb46.html#comments


この様な人権も無い国が日本の隣にあるという現実を知らずに
『平和が大事!』『自衛隊をなくせ!』は平和ボケと言われてもしかたないですね。

自国民すらこの様に簡単に殺す国が日本に攻めて来た時、日本人はどうなるか?
はご想像に任せます。

ちなみに、無防備宣言をしたドレスデンという都市がかつてありました。
無防備、その結果は下のサイトにあります。

http://www.liveleak.com/view?i=4e76084c83
コメントへの応答 (スタッフ)
2007-01-04 09:04:50
年末年始のお忙しい時期にコメントを有難うございます。
(zerokoさんへ)
おっしゃる通りの心理がはたらいている場合もあるでしょうね。爆笑問題があえて反対意見の証人を呼んだことは、客観性を重んじる意味では正当な選択ともいえます。
憲法改定の賛成15対反対13という比率は日本人の現状として認めざるを得ないと思います。
問題はいざという時、どういう答が出るかにあります。
とにかく高齢者の証言を通して戦争の実態をもっと知らせることが大事と思っています。少なくとも当サイトに収録している証言者は例外なく、反戦平和への意志を明らかにしています。

(makeinさんへ)
たしかに中国での人権軽視の事実は否定できません。
一方、日本は加害者の人権を重視するあまり、被害者の人権が軽視されている現実はないでしょうか。
歴史は進歩すると信じる立場からいえば、過去と違って無防備の国を侵略することは国連や世論が許さないことを信じたいのです。イラク戦争においても、今になって国連の決議が正しかったことが実証されました。
12/21付のブログ(朝鮮戦争)の場合も国連は重要な役目を果たしています。
また11/06付ブログ(戦争で死ぬ、ということ)の中で、むの・たけじ氏の言葉<恨みをかうからだめ、怨みをかわないようにやればいい。よそから攻められないような日本をつくればいい。原因を取り除くことが安全対策なんだと、あの戦争が教えたはず>を紹介しました。
かつての戦争で日本から侵略されたと非難している中国や北朝鮮が、無防備の日本に対して侵略行為をするのは自己矛盾になることくらいは分かっているはずです。
ついでながら<資料>に収録しています石橋湛山・元首相の反戦論の正しさが戦後になって証明されたことも忘れられません。
最後に、もし再軍備した日本が先制攻撃され応戦するとすれば、国民の安全が守られるどころか、どれほどの被害がもたらされるかを考えてみて頂きたいのです。
憲法9条を改定して戦争ができる国になることは、相手に攻撃の口実を与えることになるとしか考えられません。

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