戦争を語りつぐ証言ブログ

<戦争を語りつぐ60年目の証言>サイトの管理人・スタッフから、
取材の近況や関連情報をお届けします。

「共謀罪」法案の危険性

2006-11-14 11:19:38 | Weblog
 12日の日曜日、朝10時からのテレビ朝日サンデープロジェクトで「言論シリーズ=再び共謀罪を問う」が放映された。
 この法案に対して言論の自由を禁圧される危険性を強調する理由は十分にある。明らかに犯罪やテロにつながる悪事を相談することは未然に防止しなければならないとしても、政府権力にとって「都合の悪いこと」を防止するために悪用される可能性があることは否定できない。
 最近の実例として、需要の少ない静岡空港の建設に反対して農地の買収に抵抗する農家の4人が、もし共謀罪が成立すれば県にとって都合が悪い理由で逮捕されるかも知れないと訴える姿が映し出されていた。
 
 過去にさかのぼると、戦争末期に言論を弾圧した横浜事件がある。雑誌に掲載された論文の内容に問題があるとしてジャーナリスト60人が検挙され、旅館で撮った1枚の写真を証拠に拷問を受けて自白を強要された約半数が有罪判決、4人が獄死した。戦後、遺族らが再審を請求したが、当時の治安維持法が廃止されたとして最終的に却下されたという。
 
 戦後もこうした事件は完全になくなったわけではない。沖縄の公安警察官自身が出演して、特定の政党を調査するためにスパイに育て上げた高校生が10年後に苦悩のすえ自殺したが、公安当局は知らぬ顔で抹殺した、と反省と怒りをこめて証言していた。
 公安警察がスパイ・盗聴などの捜査方法を実行するためには、共謀罪は何よりの味方になることは間違いない。前に予告した元特高警察の体験者(当サイトの証言者)も4時間の取材を受けて顔を出したが、僅か数秒ほど証言しただけで画面が変わってしまった。
 他にも元刑事や弁護士などが出演して、それぞれの立場から共謀罪に反対の発言をしていた。
 
 この法案の成立を進めている政府自民党の責任者は、テロ防止が目的だから市民団体を対象にしないと主張していながら、国際的な謀略に限定すべきとする提案を拒否しているのは、明らかに国内の反政府活動を対象にしている、と取材を担当したキャスターは語っていた。
 民主主義の根幹をなす自由とは、まさに権力からの自由であり、そのために言論の自由を守ることにある。この基本的な姿勢を失ったマスコミや国民は、もはや独裁権力を容認しているとしか言えない。
 中間選挙でブッシュ大統領の共和党にノーを突きつけたアメリカ国民は、さすが民主主義の原理を失っていないと拍手を送りたい。

コメントを投稿