平成31年3月13日(水)19時より練馬区歯科医師会会館にて下記の式次第に沿って行われ新規事業ということもあって95名と多数の参加が有りました。
後期高齢者歯科健診(長寿すこやか歯科健診)事業説明会・講演会
平成31年3月13日(水)19時 会館3階大会議室
司会 河奈 文彦公衆衛生理事
1、開会
2、会長挨拶 市川 弘之 練馬区歯科医師会会長
3、来賓挨拶 国保年金課長 遠藤 裕子様
4、説明会
①長寿すこやか歯科健診の概要について
国保年金課 後期高齢者資格係長 榎本 武志 様
②練馬区の介護予防事業について
高齢社会対策課 介護予防生活支援サービス係長 根岸 恵美子様
③街かどケアカフェについて
高齢者支援課 地域包括支援係長 山田 伸介 様
④後期高齢者歯科健診と成人・妊産婦歯科健診の相違点について
竹之内 大助 公衆衛生委員長 山中 大輔 公衆衛生委員
⑤つつじ摂食・えん下機能支援センターについて
瓦井 徹 地域医療理事
5、講演
「健康長寿に歯科ができること-オーラルフレイルと口腔機能低下症について-」
東京歯科大学 千葉歯科医療センター 摂食嚥下リハビリテーション科
准教授 杉山 哲也 先生
超高齢社会の現在、「フレイル」という言葉を良く耳にするようになってきた。この用語は海外の老年医学の分野で使用されている「Frailty(虚弱、老衰、脆弱)」を、正しく介入すれば戻るという意味を強調するために、このような日本語訳にしたものである。加齢とともに健康な状態からフレイルさらには要介護状態に進行していくが、フレイルの前段階であるプレフレイルの段階では、口腔では些細な衰え、例えば滑舌の低下、食べこぼし、むせ、かめない食品があるといった状態を示している場合が多い。このような状態にあることをオーラルフレイルという。オーラルフレイルが進行していくと、口腔機能低下症という病気につながる。口腔機能低下症とは、日本老年歯科医学会が2016年に発表した新たな疾患概念であり、①口腔不潔、②口腔乾燥、③咬合力低下、④舌口唇運動機能低下、⑤咀嚼機能低下、⑥嚥下機能低下、⑦低舌圧の7つの項目のうち、3つが認められた場合をいう。さらに口腔機能低下症になっている状態を放置していると、嚥下障害や咀嚼機能不全といった専門的知識を有する歯科医師しか対応できない口腔機能障害になってしまう。これからの歯科には、疼痛の除去や形態の回復を主とした従来型の処置のみではなく、口腔機能の低下をオーラルフレイルや口腔機能低下症の状態で発見し、対応することが求められている。それによりフレイルさらには要介護状態になることを予防し、健康寿命の延伸につながることが期待される。本講演ではオーラルフレイル、口腔機能低下症について整理し、解説してみたい。
6、質疑応答
7、閉会