某歯科医の独り言

日ごろ感じる事を素直に書いてみました。

令和2年度 歯の作文 優秀作品 中学校の部 

2021-04-12 17:49:04 | Weblog
歯の健康について
                     練馬区立中村中学校 2年 遠藤 そら

みなさんは、「歯」のことについて考えたことはあります。私は、正直今まで「歯」について深く考えたことは、なかったように思えます。しかし、今回思い返し、私や家族の歯にまつわるエピソードを聞いて自分なりに「歯」について考えてみる機会を得ました。
 まず私自身は、保育園に通っているころに、初めて歯が抜けたことを今でも覚えています。成長した気分になり、とても嬉しかったのです。三本目に抜けた歯は、祖父母の家でエビフライと一緒に飲み込んでしまいました。そのことは、私にとってとても衝撃的な出来事でした。
 私は、二歳から今までの十二年間ずっと同じ歯医者さんに通い続けています。それは、むし歯になっているわけではなく、三ヵ月に一度の定期検診で診てもらうためです。私だけではなく、三歳になった妹も通い始めたので父、母、兄、私と含め、家族五人全員が同じ歯医者さんにお世話になっています。そこは歯医者さんはもちろん、歯科衛生士のお姉さんがとても優しくて、検診のあとにはおもちゃのガチャガチャができるのも楽しみでした。今まで歯医者さんに通うことを怖いと思ったことは一度もありませんでした。今、ふり返ってみて思うと、三ヵ月に一回の定期健診のおかげで大きなむし歯になることなく、痛いむし歯の治療をすることもなかったからだと思います。小さいころは、母に言われて通っていましたが、その定期検診と小さいころの父や母にしてもらった仕上げ磨きが大事だったと思います。
 私には、四人の祖父母がいます。四人とも七十代と高齢ですが、むし歯や入れ歯もなく、四人とも私と同じようにかかりつけの歯医者さんで定期検診を受けています。私たち家族のこの習慣は祖父母たちから受けつがれていて、とても幸せなことだと感じました。
 今から二十五年前、私がまだ生まれる前に起こった阪神淡路大震災では、震災に関連した肺炎で二百人以上の方が亡くなられたそうです。それは、被災してなかなか歯みがきが出来ず、口の中の清潔を保つことが難しかったため、誤嚥性肺炎にかかりやすかったのではないかと考えられています。このことから口の中を清潔にすることは、体の健康にも大きく影響するのだと思いました。口は肺への入り口なので命に関る肺炎にかかりやすく、高齢者の方は特に注意が必要だということを知りました。被災して日常生活がままならない状況でも、できるだけ日々、当たり前のようにしている生活習慣は、続けていくことが大切なのだとこの話を聞き、思いました。
 人生百年時代です。歯は、むし歯や事故などで失ってしまったら再生することができません。私は、食べることが大好きなので今ある自分の歯を大切にしていきたいです。
 「8020運動」~80歳まで20本の自分の歯を保つため~今までどおり、三ヵ月に一度の定期検診を受け、毎日の歯みがきもちゃんと続けていきたいと思います。今のところ、幸い私はむし歯になることなく過ごせていますが、歯並びやかみ合わせも、体の健康に大きく影響すると言われているので、自分でも気にかけていきたいと思います。
 むし歯になってから歯医者さんに行くのではなく、むし歯予防として定期的に歯医者さんに行くことを私の経験から是非おすすめしたいと思います。                 

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