レビュー

音楽や書籍に関するフェイバリットの紹介とそのレビュー。

ボヘミアン・ラプソディ/フレディ・マーキュリーのお話

2018-11-20 08:52:30 | 日記


おなじみのロックバンド、クイーンのボーカルであるフレディ・マーキュリーのお話です。
公開二日めのレイトショーにいってきましたが、シネコンのいちばん大きなハコはスカスカ気味。
そこで、予約席を勝手に立って、周囲に誰もいない最前列の中央で巨大スクリーンを楽しみました。
これが大正解。
サウンドもすごいが、画面の臨場感がハンパない。
おびただしいオーディエンスの前で、リアルにステージ場に立ってる感覚。
足での踏み鳴らしや手拍子(ドン、ドン、パン!)、拍手も指笛も自由にできるし、おススメします。
さて、よめはんにとっての神様・フレディには「様」付けをしないと叱られるわが家ですが、そのフレディ様の化身であるナントカという俳優がはじけてます。
大きな歯を歯茎の裏に仕込んでブサイク顔(ちょっと極端では?)になった彼は、まさしく生き写し・・・だけど、ちょっとタッパがなく、足が短いかな。
しかしまあ、不自然でもなく、スクリーン上を飛びまわります。
それに乗っけて、フレディ様本人の歌声!
こいつがすごい。
彼の声は、声帯の振動じゃなく、炸裂です。
「あ」の音声を出すとき、ひとは「ぅあ」と前段に呼気を漏らしがちになるわけですが、彼の声にはそんな頼りなさがありません。
いきなり、完璧に彫刻された声が、ぽんっ、と出てきます。
衝撃的な音の発動かつ声量で、しかもそいつが正確極まりない。
そんな力強い歌声に加えて、ステージ上のパフォーマンスも自信満々にみなぎりわたり、コミカルなまでにリズミカル。
同系統・・・と言っていいかどうかわからないけど、ミック・ジャガーのフレキシブルな曖昧さもなく、デビッド・ボウイの頽廃的な不健康さもなく、ただただ元気で健全。
しかも、高等音楽教育を受けたらしき演奏と楽曲は、洗練の極み。
ロックの完成形と言いたくなります。
なのに、なのにですよ、フレディ様ときたら、ヘンテコカラフルな全身タイツに、女装、胸毛をやみくもに誇張したかと思えば、ヒゲに赤いスカーフときてなぜかパンイチ・・・と、変態性のオンパレード。
わからない・・・そこだけは理解できない・・・
が、泣けてくるほどのすげーパフォーマンス・・・
掛け値無しの天才と言わねばなりますまい。
ところが、ステージを降りたフレディ様は、真の友だちもなく、自信のかけらもなく、ただただ少年のようにナイーブなひとりのゲイ。
常に思い悩み、道に迷い、人生をさまよってます。
ついにはエイズに侵され、衰弱していくわけですが(←これってネタバレじゃなく、誰でも知ってる事実だよね?)、ついに腹をくくります。
こうして迎える最後のステージは、圧巻!
前評判通りに、魂が震えました〜っ!
・・・と、ここで終わっといたらよかったのですが。
映画を観終えた後、調子に乗ってよめはんのフレディ様コレクションをブルーレイで観たら(よめはんは映像正面で正座)、本物のフレディ様は、まさしく本物でした。
やっぱぜんっぜん・・・言っちゃ悪いけど、まるっきり違う。
本物は断然、動きが大きいのに優雅で、からだのキレもケタ外れ。
その歌声ときたら、気宇壮大。
感動、感激、衝撃の渦にただただ巻き込まれ、耽溺するしかありません。
その尊いお姿に、心底震えました。
・・・というオチで、ごめん。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園