レビュー

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スウィング・ダンス!/エレクトロ・スウィング

2010-09-20 09:07:59 | 日記
試聴買いの上に、ライナーノートも入ってなく、わずかな情報も英語なので、どんな制作プロセスを経たものかまったくわかりません。
内容は、スウィング・ジャズの音源をデジタルに再構築し、過剰とも言えそうなグルーブ感に仕上げたサンプリングもの。
1930年代あたりの古い音(クラリネットを主にしたアンサンブル、あるいは歌声)を採取してるようにも聴こえるけど、あるいはそれふうに新しくつくったものを使ってるのかも。
だけどエラ・フィッツジェラルドの肉声なんかは当時のものだし、遠く聴き覚えのある音の断片もまざってて、音の出所・氏素性はわかりません。
この音らがいちいちキャッチーで耳に残り、イラッとくる反面、愉快な気分にさせられます。
そんな音源がデジタルなリズムにのってループし、ケレン味たっぷりにたのしいスウィング感をかもしてます。
ファットボーイ・スリムのあのキッチュで異形のノリから、バカバカしさを取り払ったテイ、と言えばいいのか。
折り目正しく、節くれ立たせず、ジャズのトラディショナルなスタイルを残したまま、音をサンプリングさせる仕事っぷりには拍手。
たぶん、几帳面でオタクな人物が、古いジャズに敬意を払いながら、楽しんでつくったと思われる作品。
工房の空気が弛緩してるときに聴いてみよう。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園