読めども読めども、未読巻が減らない「ゴルゴ13」。
なにしろ、138冊もあるんだった(最新ではもう少し先まで刊行されてるはず)。
このボリューム感はいかついぜ。
それにしても、面白い!
衝撃だよ。
こんなに夢中になれるなんて、思ってもみなかった、大人買いしてはみたものの。
悪者が理不尽に暴れまくり、最後にゴルゴが現れ、一発の銃弾で倒す、ってシンプルな「勧善懲悪もの」かと思ってたら、とんでもない。
設定、プロットともにすごく練り込まれてて、一話として同じアプローチのストーリーがないし、ネタも表現手段も常に新鮮。
感情の説明を極力排除して、行動と現象の描写だけで心の内をにじみ出させよう、って試みがハードボイルド作法なんだけど、まさにそんな高度な文学表現の粋だ。
なにしろ、「・・・・・」の無言のフキダシは、実にゴルゴのセリフの86%を占めてるらしい。
乾いてるぜ~、乾きすぎて、哲学性を超えて、わびさびまで感じさせる。
その表現形式に加えて、画がまた優れたもの。
映画の画面構成を用いてるうえに、小道具の細部の構造から現象面における物理的論理に至るまで、ディテールに異様な気配りがなされてて、それが「極端な物語」に説得力を与えてる。
文句なしにかっこいい、家宝にしたい一作。
だけど、読み終えても置き場に困る138冊の物量なのだった・・・
東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園