りょうこ女史のイタリア修業時代の友人・ファビオくんのジャズユニットのライブにいきました。
鎌倉、横浜と回って、次になぜだか大泉学園、という謎のツアーです。
場所は「in F」という、場末の小さなライブ酒場。
大テーブルにカウンターだけ、という狭い酒場に、グランドピアノがでーんと鎮座する店内は、シックでなかなかの味です。
さて、ファビオ氏は、新潟を拠点にライブ活動を繰りひろげてる、ジャズギタリスト。
今回は、都内在住のピアノ、ベース、ドラムと組んだギターカルテットという編成。
第一部は、常連さん的飲み客たちが見守る中での、落ち着いた演奏。
手探りな感じで、耳ざわりのいい、あらゆる意味で破綻のない、こなれた雰囲気でした。
が、9時過ぎに二部がはじまってみると、店内に残ってるのはりょうこ女史とオレ、そしてカウンターのすみっこにひとりの客だけ。
オーディエンス、まさかの三人きり。
こりゃいいや、と思い、バンドの真正面間近に陣取りました。
客が少なくなるとあれですね、バンドというのは、「1、手を抜く」「2、冒険をおっぱじめる」の二種類に分かれますね。
ファビオチームは「2」でした。
ドラムの疾走感がすごかった。
自信満々的ベースがブルージーな骨格をつくり、ピアノがそれに流麗なメロディーラインをのっけ、ファビオ氏は穏やかなトーンで全体をまとめます。
ファビオ氏のギターは、旋律をつま弾くというよりは、コードの進行で明度、彩度といった色調、それにリズムをコントロールしてく感じの、ジム・ホールみたいな奏法。
ド派手な主張をしないかわりに、演奏全体が散らからないように、ひとつの方向に統一してく役割を担ってます。
性格がよくわかります、だけどもっと前に出たほうがいいかもよ。
ドラムは出色でした。
実験的で、すべてのテクニックを全開にやらかすやんちゃっぷりに、ほれぼれしました。
考えてみれば、あれのカウンターバランスとしてのギターのトーンなのかも。
全員がそれぞれにすごかったし、一体感もまたすごかった。
いい夜でした。
東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園