伝授! 理系の就職

理系の就職は小手先の就職テクニックでは成就しない。在学中に専門能力と知的体力を高め、就職活動で自分の価値を極大化しよう!

-05- 専門能力がモノをいう(2)

2005年08月08日 | 就職

大学での研究は、修士の場合で高々2~3年です。社会に出てからの20~30年と比べると、単なる学習期間のように思えるかもしれません。

ところがそうではないのです。企業は、即戦力且つ将来その道(とかとかとか)の権威になれる人材を求めています。

ですから、、『マッチング面談』で、

  1. ロボットの姿勢制御の研究をしてきた学生が、産業用ロボットの姿勢制御をする部署とマッチングをする
  2. 画像信号の圧縮伸長の研究をしていた学生が、MPEG2コアと情報家電用マイコンコアを集積した最先端のLSIの設計部署とマッチングをする

ようなことが沢山起きるのです。進んだ企業では学生の8割近くがマッチングで指定配属になっていると思います。

実は、私自身も、学生のときに『マッチング面談』と『指定配属』をしてもらいました。当時としては相当珍しいことでした。

会社見学をするとき、見学する開発部門をこちらから指定しました。

見学で私に説明をしてくれる人は、一年後に私の上司や先輩になる可能性がありましたので、現在の開発課題や開発方針を聞き、かなり専門的に突っ込んだ議論をしました。それは、その部署の技術レベルを知るためと、自己PRのためでした

そうなのです。私の場合、『会社見学=マッチング面談本番』だったのです。

お蔭様で見学した全ての会社からラブコールを頂きました。しかも『部署指定』でのオファーでしした。嬉しい悲鳴でしたが、自分が最も活躍できそうな部署に決めさせてもらいました。

選んだ会社の採用試験が終わった日も、挨拶方々、私が選んだ部署を表敬訪問したところ、当時その部署で課題だった『璧開』という技術を教えてくれと頼まれ、社員の方々の前で実演しました。

私としては、筆記試験でMaxwellの方程式を書き損ねるというミスを犯したため、指定配属の駄目押しのつもりでした。そして一年後、ちゃんとその部署に配属になりました。

このように超大手電気メーカを相手にして、自分の方が相手を品定めし、自分の希望通りに就職『部門』を決められたのは、自分の努力もありますが、もっと重要なことがあります。

それは、私の教授の存在です。この教授は半導体レーザや光通信の業界では世界的にかなり著名で、しかも業界事情に詳しく、各社のキーパーソンと親交がありました。その教授からいろいろな内情をを教えてもらえたのです。

この教授は今でも私の『師匠』です。『師匠』を見つけることの重要性は、いずれお話します。

-04- 専門能力がモノをいう(1)

2005年08月08日 | 就職

理系の就活には文系と徹底的に異なる部分があります

それは、専門能力が問われることです。

「あなたは何が出来ますか?」 「あなたは、我が社で何をしてくれますか?」

と聞かれて、文系のように「私は大学のサッカー部で鍛えた体力と根性で・・・・」と答える人はまさかいませんよね。 

じゃあ何と答えられますか?

「私は殆どの講義で100点を取ってます。言われた仕事は何でもこなす自信があります。」

「修論のテーマは○○でしたが、内容は○○です。国際学会でも発表しました。でも、それにとらわれず何でもやります。」

という人に企業が魅力を感じると思いますか?

答えは、例えばここにあります。これは富士通の自由応募の採用選考の流れです。内定までに面接が4回ありますね。いまどき、学校推薦でも3回、4回の面接は普通です。

注目して欲しいのはその後です。『マッチング面談』ってありますね。

このマッチング面談は最近大手では普通に実施されてます。これは、皆さんと私のような開発現場の責任者クラスの直接のお見合いの場です。この場で相思相愛になれば、その人はその部署に指定配属されます。博士課程の学生さんは、所長クラスとの面談になります。

多分6~7割はこのマッチング面談で、自分の配属部署が決まります。当然ながら、時代を引っ張る人気の部署と、その部署で活躍できる優秀な学生が結ばれることが多くなります。

つまり、ある分野で優れた能力を持つ学生さんから、順番に自分の希望が叶っていくことになります。 

(写真はNASAのフリー写真。専門能力の象徴として選びました。)