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柏梨庵先生の歴史ブログ

柏梨庵先生の歴史と文化について語るgooブログ

来年度の世界史Aの教科書が来たよ。

2018-03-26 15:32:25 | 日記
▼4月から使う教科書はこれだよ。

今日は大航海時代について教材研究したよ。なんか通り一遍のことしか出来ないよね。

15~16世紀って今で言う「グローバル化」が進んだ時代だったんだよね。「グローバル化」なんて言うとカッコよく聞こえるけど要するにヨーロッパ世界が世界侵略を始めた時代だよね。

15~17世紀、インド航路や新大陸への到達などの世界の一体化が進んだ時代⇒大航海時代(《注》かつては「地理上の発見」という言い方をされたが、現在ではそのようなヨーロッパ側に立った言い方は避けられる。「大航海時代」「ヨーロッパ世界の拡大」といった言い方をする。ヨーロッパ勢力の世界侵略が始まったことには違いなく、「ルネサンス」・「宗教改革」と共に世界史上に大きな転換をもたらした。)

①大航海時代への要因
(1)ヨーロッパにおけるアジアの知識の拡大
・・・・13世紀のモンゴルの侵攻
・マルコ・ポーロの『東方見聞録』のようなアジアの情報
(2)遠洋航海術の発達➡羅針盤・快速帆船・緯度航法など

(3)ヨーロッパでの肉食の普及にともなう香辛料の需要の増大
➡なぜ肉食が普及したかが面白い所なんじゃない?

(4)レコンキスタ(イスラム教徒に奪われたイベリア半島のキリスト教勢力による奪還運動)が進行して、キリスト教布教熱が高まっていたこと
➡ここでポルトガルとスペインが登場するんだなぁ。まずポルトガルがアフリカ大陸西岸を下って侵略活動を活発化させる。
1441年、エンリケ王子は二人の船長を派遣する。彼等は大胆にもアフリカ大陸に上陸して、原住人を奴隷としてポルトガルに連れて帰った。奴隷貿易の始まりである。エンリケ王子はこの事を容認し、むしろ異教徒をキリスト教で救うことだと考えていたらしい。発見されたアルギム湾は奴隷貿易で使われ、5年間で1000人ぐらいがポルトガルに送られた。ポルトガルの植民地にサトウキビのプランテーションが造られ、そこでの労働力が必要だったのである。カナリア諸島や西インド諸島は代表的な砂糖生産地となった。中世ヨーロッパでは砂糖も香料(スパイス)だったのである。(参照 モーリシャス島の砂糖)
〈▼ポルトガルによるアフリカでの奴隷狩り〉

最も人類史上で恥ずべき行為だよね。この頃からヨーロッパ人はアフリカ人もアジア人も同じ人間と思っちゃいないからね。今でも同じだよ。そして次に来るのがスペインだよ。アラゴンとカスティリャが合同してスペイン(イスパーニャ)が誕生し、大西洋を渡ってインドに到達することを計画する。ここで登場するのがコロンブスだよ。コロンブスがアメリカ大陸に到達したのは1492年だけど同じ年にイベリア半島最後のイスラム王国・グラナダ王国がスペインに滅ぼされて、レコンキスタは終了するんだよ。
(▼スペイン女王イザベルに謁見するコロンブス)

(▼グラナダ王国遠征に出発するイザベル女王)


ちなみにグラナダ王国の王宮が有名なアルハンブラ宮殿だよ。⬇


⇒続く



授業を舐めたらあかんぜよ!

2018-03-25 19:44:11 | 日記
4月から世界史Aを教えるんだけど、やはり世界史は専門分野じゃないから、教材研究しなきゃね。

生徒は聞いちゃいないけど、こっちはプロとしてひととおりのことは知らなきゃね。

昨日は神聖ローマ帝国と十字軍について勉強したよ。

授業で教えるのは大航海時代・ルネサンス・宗教改革からだけど、その前提も知らないとなぜ大航海時代に突入したのか、なぜルネサンスが始まったのか、なぜ宗教改革が起こったのかがわからないからね。

歴史をやるってのは、雑学の大家になれと言われているようなものです。

ずっと日本史ばかりやっていて飽きてきたところだったけど、改めて世界史を教えるとなると知らないことばかりだよ。

人間広く教養を身につけるということは難しいことだよね。

昔みたいに教科の先生と議論することもないしね。
(▼1181年の神聖ローマ帝国の領土)

(▼第2回十字軍)

(ウィキペディアより)

世界史Aはどこからやろうな?

2018-03-23 09:46:13 | 日記
世界史Aは近現代史中心なんですけど、その始まりをどこにもって行くか、悩んでおります。ひとつは15~16世紀の大航海時代・ルネサンス・宗教改革からもうひとつは17世紀のイギリス市民革命(ピューリタン革命~名誉革命)から。個人的には前者の方が好きですな。フィレンツェやローマには行ったことがあるし、大航海時代はエピソードが尽きない。美術史・経済史をやっていると宗教改革の大きさがよくわかります。でも話が長くなるんだよね。

昨日の夜から今日の朝にかけてベルの名刺を作るのに苦労しました。結局、パソコンを使わず、スマホとプリンターだけで名刺ができることを発見!

授業の心構え~教師はエンターテイナーである~

2018-03-22 10:15:57 | 日記
Gooブログに「うたことば歳時記」というサイトがあって、「アクティブラーンニングに対する疑問」が書かれていた。文科省や県教委はアクティブラーンニングを進めようとしているけど、そのブログの筆者は一斉講義授業の大切さを説いている。僕はブログの筆者と同じ考えです。確かに「へぇ~、そうなんだ」という発見があってこそ授業に興味が湧くわけで、それを提供するのが教師なんだと思う。だから僕はなるべく雑学を話すことにしている。でも生徒は「それはテストに出るんですか?」というレベルでしか聞こうとしない。なんでそんなに功利的なことしか考えないのだろうか?


かつて僕が教育実習生の指導教員をやった時に、まず聞いたことは、「高校の先生の授業を覚えているか?」だった。「忘れました」と言うと「君は誰をモデルにして授業をやろうとしているのか?今から実習までに寄席とかライブにいって、落語家や漫才師やミュージシャンのMCを学んで来い」と課題を出した。授業はエンターテイメントであるというのが僕の基本的スタンスです。ビートルズだってローリングストーンズだって最初はコピーバンドからスタートしたんだよ。オリジナリティーは真似から生まれるというのが僕の考えです。演劇もそうでした。オリジナリティーが生まれるのに10年以上掛かったけどね。授業も同じですよ。