goo blog サービス終了のお知らせ 

柏梨庵先生の歴史ブログ

柏梨庵先生の歴史と文化について語るgooブログ

昨日、世界史の教科書を読んだよ。

2018-03-30 10:10:39 | 元日本史教師の柏梨庵先生が歴史と文化について語ります。
僕は日本史が専門だから、世界史の教科書を改めて読むのは始めてだったけど、その前書きにいいことが書いてあったので紹介しよう。
「実はこれほど詳しく世界史を学ぶのは外国にはほとんど例のないことなのである」「みなさんには世界のどこかに出かける機会がきっとある。そのとき、世界史で学んだことを思い出してほしい。そして出会った人々にぜひ日本のことをたずねてほしい。残念なこもに、世界の人々はあまり日本のことを知らないかもしれない。けれども、みなさんは詳しく世界史を学んだことがある。これは誇りに思っていい。そして次に世界の人々にみなさんのことを紹介して欲しい。そうすればきっと日本の社会や歴史に興味をもつ人々も増えることだろう。世界史を詳しく学ぶみなさんは、未知との人々との出会いの準備をしているのである。」こういう文が載っていました。

実は実教出版の特に日本史の教科書は検定を通ってはいるが、右翼(保守)勢力には極めて評判が悪い。安倍晋三のサポーターからは目の敵にされている。学校の教科書選定に圧力をかけて来るほどである。

政治が教育に介入するとどういうことになるのか日本はそれを体験しているし、中国・韓国などアジア諸国は反日プロパカンダに利用している。

しかし恣意的な愛国教育がどれほど思想を歪めるか明治から昭和前期の日本は体験している。

そして現代も一部の人が日本でも同じ事をしようとしている。

僕は危機感を感じずにはいられない。

そして教科書の前書きの高邁な理想とは裏腹に世界史の受験でのテクニックしかネットを調べると出ていない。

誠に情けないことである。僕の授業ははっきり言って受験などは眼中に置いていない。

日本史・世界史を問わず過去に少しでも興味を持ってくれれば満足である。

それが未来への出発点になると確信している。

功利のために勉強をすることほどつまらなく無意味なことはない。

なるべく歴史に興味を持ってもらえるような授業にしたい。

世界史は近現代史が中心であるが、取り敢えず今はヨーロッパ社会の成り立ちについて勉強しています。

何に役に立つかではなく、自分の興味が向くままに取り敢えず、本を読んでいます。今読んでいるのは「神聖ローマ帝国」です。大航海時代・ルネサンス・宗教改革を知る前にそれ以前のヨーロッパ社会を知っておきたくなりました。読んでいるのはこの本です。
⬇ ⬇ ⬇

役に立つかどうかわからないけれどね。

本がよみきれないよ!

2018-03-28 23:29:30 | 元日本史教師の柏梨庵先生が歴史と文化について語ります。
来年度は世界史Aをやるので、教材研究に必死だよ。取り敢えず図書館で本を借りてきた。でも多すぎてしかも字が小さいので読むのが疲れるよ😃

本の内容は面白いんだけどね。

(▼イタリア・ルネサンスの舞台・フィレンツェ)

(▼レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」)

(▼ミケランジェロ「最後の審判」)

(▼ラファエロ「アテナイの学堂」)

来年度の世界史Aの教科書が来たよ。

2018-03-26 15:32:25 | 日記
▼4月から使う教科書はこれだよ。

今日は大航海時代について教材研究したよ。なんか通り一遍のことしか出来ないよね。

15~16世紀って今で言う「グローバル化」が進んだ時代だったんだよね。「グローバル化」なんて言うとカッコよく聞こえるけど要するにヨーロッパ世界が世界侵略を始めた時代だよね。

15~17世紀、インド航路や新大陸への到達などの世界の一体化が進んだ時代⇒大航海時代(《注》かつては「地理上の発見」という言い方をされたが、現在ではそのようなヨーロッパ側に立った言い方は避けられる。「大航海時代」「ヨーロッパ世界の拡大」といった言い方をする。ヨーロッパ勢力の世界侵略が始まったことには違いなく、「ルネサンス」・「宗教改革」と共に世界史上に大きな転換をもたらした。)

①大航海時代への要因
(1)ヨーロッパにおけるアジアの知識の拡大
・・・・13世紀のモンゴルの侵攻
・マルコ・ポーロの『東方見聞録』のようなアジアの情報
(2)遠洋航海術の発達➡羅針盤・快速帆船・緯度航法など

(3)ヨーロッパでの肉食の普及にともなう香辛料の需要の増大
➡なぜ肉食が普及したかが面白い所なんじゃない?

(4)レコンキスタ(イスラム教徒に奪われたイベリア半島のキリスト教勢力による奪還運動)が進行して、キリスト教布教熱が高まっていたこと
➡ここでポルトガルとスペインが登場するんだなぁ。まずポルトガルがアフリカ大陸西岸を下って侵略活動を活発化させる。
1441年、エンリケ王子は二人の船長を派遣する。彼等は大胆にもアフリカ大陸に上陸して、原住人を奴隷としてポルトガルに連れて帰った。奴隷貿易の始まりである。エンリケ王子はこの事を容認し、むしろ異教徒をキリスト教で救うことだと考えていたらしい。発見されたアルギム湾は奴隷貿易で使われ、5年間で1000人ぐらいがポルトガルに送られた。ポルトガルの植民地にサトウキビのプランテーションが造られ、そこでの労働力が必要だったのである。カナリア諸島や西インド諸島は代表的な砂糖生産地となった。中世ヨーロッパでは砂糖も香料(スパイス)だったのである。(参照 モーリシャス島の砂糖)
〈▼ポルトガルによるアフリカでの奴隷狩り〉

最も人類史上で恥ずべき行為だよね。この頃からヨーロッパ人はアフリカ人もアジア人も同じ人間と思っちゃいないからね。今でも同じだよ。そして次に来るのがスペインだよ。アラゴンとカスティリャが合同してスペイン(イスパーニャ)が誕生し、大西洋を渡ってインドに到達することを計画する。ここで登場するのがコロンブスだよ。コロンブスがアメリカ大陸に到達したのは1492年だけど同じ年にイベリア半島最後のイスラム王国・グラナダ王国がスペインに滅ぼされて、レコンキスタは終了するんだよ。
(▼スペイン女王イザベルに謁見するコロンブス)

(▼グラナダ王国遠征に出発するイザベル女王)


ちなみにグラナダ王国の王宮が有名なアルハンブラ宮殿だよ。⬇


⇒続く



授業を舐めたらあかんぜよ!

2018-03-25 19:44:11 | 日記
4月から世界史Aを教えるんだけど、やはり世界史は専門分野じゃないから、教材研究しなきゃね。

生徒は聞いちゃいないけど、こっちはプロとしてひととおりのことは知らなきゃね。

昨日は神聖ローマ帝国と十字軍について勉強したよ。

授業で教えるのは大航海時代・ルネサンス・宗教改革からだけど、その前提も知らないとなぜ大航海時代に突入したのか、なぜルネサンスが始まったのか、なぜ宗教改革が起こったのかがわからないからね。

歴史をやるってのは、雑学の大家になれと言われているようなものです。

ずっと日本史ばかりやっていて飽きてきたところだったけど、改めて世界史を教えるとなると知らないことばかりだよ。

人間広く教養を身につけるということは難しいことだよね。

昔みたいに教科の先生と議論することもないしね。
(▼1181年の神聖ローマ帝国の領土)

(▼第2回十字軍)

(ウィキペディアより)