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余桃之罪、もしくは電光朝露

関西フィル、日本センチュリー、京都市交響楽団、大阪フィルの定期会員です。アイドルやら声優やら。妄想8割、信憑性皆無。

大阪フィルハーモニー交響楽団 第425回定期演奏会

2009年02月20日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
09.2.20(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 第425回定期演奏会
指揮/大植英次
ピアノ/ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ
曲目:
モーツァルト/ピアノ協奏曲第9番変ホ長調K.271「ジュノーム」
ドビュッシー/前奏曲第1巻より第8曲「亜麻色の髪の乙女」(アンコール)
マーラー/交響曲第5番嬰ハ短調

本来なら(予定)とか書いて、実際に書くのは翌々日になるか放置されるかのこのブログ。そうはいかんらしい。恐ろしいことを聞いてしまった。今日の演奏会は我慢大会みたいですよ。明日のモーニング娘。新曲イベントが当選してるのでその喜びを抱きながら苦痛に耐えればいいのかな~それともこんな糞演奏を聴かされるのはきっとオレが選ばれた人々に違いないからだと恍惚としてればいいのかな~・・・いやー楽しみでならん。
それにしてもジャン君受難だ。聴く前から「おまえなんぞ時間の無駄だ」と言っておきましょう。
(ここまで当日演奏会直前の更新)
満員のお客様。英次のマーラーだから当然だといった感じの客席が嬉しいじゃないですか。
いつしかでっぷりした太鼓腹がトレードマークになりかけていた英次が昨年から痩せ始め、今日に至ってはいよいよ痩せこけてきた。傍目には病的な痩せ方に見える。もっとも最初に英次を写真か何かで見た十数年前は結構細身の美青年だったので、長めのスパンで元の水準に戻ったのだとも・・・。

思えば去年の第415回第417回第419回第423回と常軌を逸脱した偏執的デフォルメを繰り出してきては成功と失敗のハザマで揺れてきた英次であった。今日はどんな風にどのあたりをデフォルメして失笑を買い賞賛を勝ち取るのかと、針の揺れ具合を楽しみにしていたら、なんと針が振り切れていた。先に聞いていたとはいえ驚いたね。どこがデフォルメとかじゃないんだよ。全部が特異点にして突然変異だよ。
音価を拡大してもマーラーがマーラーであり続ける限界を探る旅なんじゃねえかとか、もしココロの病気なんだったら愛情を介して人間関係を築いている周囲の人が注意深く見ていかなければならんのではないかとか、あの対向配置を採用しているのはどういった理由からなんだとか、英次の頭髪の薄い部分が気になるだとか、妙にコンマスの音が浮いてるように聞こえるときがあるのは気のせいかとか、マグカップ1000円ってハロプロ並みの○ッタクリだぜおっかさんだとか、場内の迷惑なエアーコンダクター連中を軒並み激しく意気消沈させるための尋常ならざるデュナーミクとアゴーギクなんではないかとか、これは言葉によらぬレクイエムではないのかとか、終楽章で「もうやめて!トランペットのライフはゼロよ!」と内心叫んだこととか・・・色々なものが通り過ぎていった。

上岡敏之の演奏を嫌悪と歓喜が交互に訪れる、などと書いた自分が恥ずかしい。英次は違った。第1楽章開始数分にしてオレの穴という穴から何かがまけ出て英次の元へと走り去り、英次と一体となって指揮をするのが見えた。英次が見ているはずの光景、オケの上にかかる虹のような音楽がオレから抜け出たものを通してオレの網膜に流れ込むようで吐き気を催した。オレを引き裂かねば近づくことも難しく、また、ここまで一体化しなければ感じ取れぬ音楽ってしんどいと思うがどうよ。

ともあれ第1~2、第4楽章は楽譜を深読みしすぎているが演奏の可能性としてありえなくはない。第4楽章はまさしく静謐を音にするとはこうしたことだと思う人が居てもおかしくないだろう。第3楽章と終楽章はそもそもが音楽的に歪んでいるのでこのテンポでは崩れるしかなかった。事実オケは持ちこたえきれずに崩壊した場面もあったはずだ。

来季も発表され音楽監督が取り上げる曲目にしてはまだまだ保守的で面白みに欠けると批判もあるようだが、こうした試みをやるのであれば名曲コンでも価値は出てくるだろう。普通のマーラーが聴きたかった低俗凡人どもは来月の京響に来るべしだ。関西フィルの定期を蹴ったオレが低俗凡人の代表としてキミたちを温かく迎えてやる(笑)。尾高さんの紳士的マーラーを楽しもうじゃねえか。

ジャン君?そうね、次に彼の演奏を聴くときに、牛歩戦術的ピアノを聴かせてきたら今日の物語の第2幕が始まるんだろうね。楽しみに待ってる。期待してないけど。
朝比奈隆 生誕100年記念ライヴ!
大植英次
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3月11日追伸。新しいエントリを加えるぐらいだから相当オレの気に障る演奏だったことは間違いない(笑)。
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大阪フィルハーモニー交響楽団 第424回定期演奏会

2009年01月22日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
09.1.22(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 第424回定期演奏会
指揮/ピエタリ・インキネン
曲目:
シベリウス/付随音楽「クオレマ (死)」より "鶴のいる情景" op.44-2
ラウタヴァーラ/交響曲第8番「旅」(日本初演)
シベリウス/交響曲第1番ホ短調op.39

真冬に北欧の指揮者で北欧プロなんてシャレてるじゃあないですか。大阪人にはセンスが通じなかったのか客入りが北欧の気候並みに寒かったが・・・。それでも6割はいただろう。
インキネン。ナクソスでシベリウスやラウタヴァーラなどを録れているので名は知っていた。才能ある若手指揮者で、実は先年にも大フィルに来演・日本デビューする計画だったらしい。流れてしまって先に日フィルさんのほうに出てしまったが。
京響定期と被ったので初日に振り替え。

鶴。弦の冷え冷えとした雰囲気はよかったが、その後の木管が神秘ではなく単なる無表情で恐れをなした。この曲の鶴とはコウノトリの意味合いであって、この木管では赤子は生まれながらにして死していることになるのであきまへん。
ラウタヴァーラ。シベリウスが世に出すキッカケを作ってやった(片山さんの解説は面白かった)フィンランド作曲界の重鎮。カントゥス・アルティクスなんてのは吉松隆が大いに喧伝していたような気がする。ネオロマン的作風になって以後のラウタヴァーラは吉松と親和性がるというか単に元ネタになっているというか。
交響曲第8番は自作の歌劇に出てくるモティーフの変容だけで仕上げた作品で、前作第7番の充実に比して無駄に長いだけの実にくだらん内容です。感動的に響く第4楽章だけで良かったのに。日本初演ということでオケも指揮者も頑張ったとは思うが曲がこれではどうにもならん。

シベリウス。フェスで7年ぐらい前かな、尾高さんとやったのに比べて弦楽器は見違えるほどに深く厚いいい響きになったよね。逆に木管・金管はトシとったのかなあ、弱ったよね。人が入れ替わったのにホルンは驚きのヘッポコ具合で椅子から落ちそうになった。総じて尾高さんのときのほうがシベリウス聴いてる気になってたんでは歳月とはなんぞやということでありまして、残念の極みです。インキネンは静と動を上手くコントロールした指揮でよくやってくださっているように感じましたので是非とも再演の機会を持っていただきたいものです。
ラウタヴァーラ:交響曲第8 番「旅」他
ラウタヴァーラ
Naxos

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次代のホープたち ~大阪フィル推薦コンサート~

2008年12月03日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
08.12.3(水)19:00 いずみホール
次代のホープたち ~大阪フィル推薦コンサート~
指揮/現田 茂夫
独奏:
二塚 裕美(ピアノ)
坂 茉莉江(ヴァイオリン)
丸山 耕路(ピアノ)
曲目:
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第2番変ロ長調op.19(二塚)
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.35(坂)
ショパン/ピアノ協奏曲第1番ホ短調op.11(丸山)

この度、2008年12月3日(水)「次代のホープたち」に出演を予定しておりました、大岡仁が体調不良により出演不可能となりました。代わりまして、坂茉莉江がが出演いたします。
皆様には何卒ご理解ご了承下さいますよう、謹んでお願い申し上げます。

よしっ、というわけで急遽チケット手配済み。
9割は入っているんじゃないですか。事情はともかく。
ベートーヴェン。録音で聴くと寝そうになるこの曲を寝ずに聴き通せた。とりあえず自分と出演者に感謝したい。帰宅していそいそとCDを聴いてみたらあっさり爆睡したので苦手うんぬん以前の問題のようだが・・・。

チャイコフスキー。代役ということで茉莉江ちゃん頑張れと。おぢさんはそれだけのために来ました。キイキイ引っ掛けたりしてるところもありましたが、技術的にはちゃんと弾けていましたのでええんでしょう。チャイコフスキーの情景のようなものは全く見えてこなかったけども。

休憩挟んでショパン。曲以前に顔芸に撃沈しましたのであまり記憶がないのですが。第2楽章は詩情溢れる感じで、3曲中ようやくプロの演奏を聴いている気持ちになりましたです。

ソリストそれぞれの出身大学が後援ということで、1曲ごとに客が減っていくのが清清しかった。ショパンの時にはおぢさんの両隣3席は人が居なくなってて・・・。

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大阪フィルハーモニー交響楽団 第423回定期演奏会

2008年11月19日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
08.11.18(火)19:00 ザ・シンフォニーホール
08.11.19(水)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 第423回定期演奏会
指揮/大植英次
ヴァイオリン/神尾真由子
曲目:
ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.61
パガニーニ/24のカプリースより第17番(アンコール)
ブラームス/交響曲第1番ハ短調op.68

あっという間に完売したらしく、ゲネプロの有料公開まで行った今回の定期。
英次の定期に話題の神尾の登場、メイン曲が最近のTVドラマで人気曲になったブラ1では完売やむなしということだそうであります。その割りにオレの前は4席空いていたわけだが・・・なんとかならんもんかな。

ベートーヴェン。中域のなんとも艶のあるたっぷりとした歌わせ方が素晴らしい。第3楽章は熱演過ぎてやや作品から離れた感じはあった。ベートーヴェン向きの人材ではないようなので、別の曲で接したい。古典配置となったオケを駆使する英次の伴奏がとにかく雄弁で、今年聞いた協奏曲では最高の伴奏だと言いたい。
名曲だ。名曲だがしかし、第1楽章を半分にしてくれんか。長いんだ。繰り返しが多くて無駄なんだよ。第1楽章が長いからこそその後が生きてくるのかも知れんが苦痛だ。アンコールでは名技をご披露なされて満座を大いに沸かせてお帰りになられました。

ブラームス。先週の京都もそうでしたけど体の具合が悪いかして、色々と模索中なんでしょうなあ。派手な動きは一切封印してじっくりと堂々たる指揮者へと変身したようであります。悠然と小動もしない名演でした・・・第3楽章までは。終楽章はもったいつけたピッツィカートから歌いたいのか駆け抜けたいのか定まらない第1主題、終曲のアッチェレランドまで、一つ一つはそれらしいけれども纏めてみると小手先に感じて説得力のない音楽でありました。フルトヴェングラーみたいに笑うぐらいの激変の連続まで行き着ければアリなんでしょうけど、そこまでのデフォルメでもなく。しんどいとこですね。
来年のマラ5も再聴になるわけですので、変化が面白くはあるかなと。
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大阪フィルハーモニー交響楽団 京都特別演奏会

2008年11月13日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
08.11.13(木)19:00 京都コンサートホール 大ホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 京都特別演奏会
指揮/大植英次
アルト/ナタリー・シュトゥッツマン
曲目:
武満 徹/弦楽のためのレクイエム
マーラー/亡き子をしのぶ歌
R. シュトラウス/交響詩「英雄の生涯」

大阪はまだ晩秋の雰囲気だが京都の夜はさすがに冷えている。
大植人気とは言うものの、やはり前半が地味なプログラムですから客入りは8割ぐらいじゃないすか。

関フィル定期の記憶も新しい武満のレクイエム。関フィルのときはまだまだ現代音楽の痛さというか耳にツラい部分があったけども、大植の抑制された動きと大フィル弦楽陣のふくよかな響きで聴きやすいロマン派作品になっていた。こんだけすんなりした演奏にも関わらずご見物衆の反応薄し。

マーラー。シュトゥッツマンは声が小さかったが感情の入った表情付けは流石。伴奏も死を嘆く親の心のひだを丁寧に滑らかに明らかにしてゆくので、良い意味で気が滅入る。悲劇を大いに楽しんだ。

英雄の生涯。2年前の定期と別人が振っているのかと思うぐらい違う。英雄の戦いに力点を置いて一つ一つの楽想をじっくり出してきた前回に比べて、なんともさらりと前半を流してゆく(もちろん弱弱しい演奏ではないですよ)。おおうどうした英次、と思っていたら力点は英雄の業績以降に置かれていた。過去をしみじみと万感の思いで眺め渡しながら全てを許すかのような表情を指揮台上で見せる英次。あんたひょっとしてこのまま死ぬんじゃないか?と思うぐらいに派手さをかなり減じた指揮ぶりの中、壮大な落日のように全曲が閉じられ。
長い間の後に波のような拍手。

けっこう良かったんじゃないかな。何があったのかは分からんが。
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大阪フィルハーモニー交響楽団 第422回定期演奏会

2008年10月17日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
08.10.16(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
08.10.17(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 第422回定期演奏会
指揮/ドミトリーリス
ピアノ/ダン・タイソン
曲目:
リャードフ/交響詩「ババ・ヤガー」op.56
ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲 op.43
ドビュッシー/組曲「子供の領分」よりゴリウォーグのケークウォーク(アンコール)
ショスタコーヴィチ/交響曲第8番ハ短調 op.65

7割・・・8割あるかどうかですかな。屈指の美音家ダン・タイ・ソンなんだからもう少し入っても良さそうなのに。

リャードフ。小気味良いけど何か物足りない作品ですが、意外に手抜きの無い指揮で面白く聴けました。

ラフマニノフ。キラキラと美しく流れてゆくピアノに対してやたらと熱い指揮とオケとが見事に合ってない。クロマキー合成みたいな違和感がずっと付きまとう。席がいかんのかな。せめてフィナーレは一体となるだろうと思っていたら最後まで別撮り感覚。なんかこう不完全燃焼。アンコールが愛らしく楽しかったのでいいんです。

ショスタコーヴィチ。先の沼尻/京響でこの作品を楽しめるようになってきたところ。ラフマニノフの伴奏でもそうでしたが、リスさんは軽やかな棒さばきをベースにしつつも瞬発的に燃え上がるタイプの指揮者のようで、第3楽章までは大フィルさん共々かなりの熱演。その分第4楽章は緊張感が途切れたようになってきて、終曲は持ち直しましたがお客さん含めて息切れした様子でした。フルート難しかったね。
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大阪フィルハーモニー交響楽団 第421回定期演奏会

2008年09月19日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
08.9.19(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 第421回定期演奏会
指揮/ラドミル・エリシュカ
ソプラノ/慶児道代 
アルト/ヤナ・シコロヴァー
テノール/ミハル・レホトスキー→変更→ヴァレンティン・プロラット
バス/マルチン・グルバル
オルガン/室住素子
曲目:
ドヴォルザーク/序曲「自然の王国で」op.91
モーツァルト/交響曲第38番ニ長調 K.504「プラハ」
ヤナーチェク/グラゴール・ミサ

この日を待ちわびておった。グラゴルミサ大好きっ子の私と致しましては盆と正月が一遍に来たような大騒ぎなのであります。
前評判も大きい名匠エリシュカとあって合唱団関係を考慮しても客入り上々、9割近いんじゃないですか。

ドヴォルザークとモーツァルト。悲しいけども、正直これはいらんかったね。センチュリーでおやりになった水準を考えればドヴォルザークは練習も少なかったのか凡演。モーツァルトも開始の大構えな響きこそ良かったものの、後は流れるに任せた感じでおざなりでしたなあ。弦楽器の滔々した歌い方など良い部分もあっただけに、これはお時間を十二分にかけて出していただきたかった。もったいない。

グラゴルミサ。目立つところでメロメロしてる木管とか目立たないところで弱腰に流している金管とか、慣れない音楽にギスギスしたままの弦楽器とか2日目でこの仕上がりはどうかなあ。ここぞというところでは決まっていたので水準は十分にクリアしていたとはいえ、他の指揮者でも聴けそうなレベルでは納得したくない。せっかくですから。エリシュカさんの棒はもっと要求したいところがあるように見えてちょっと切ない。合唱はめんどくさい言語によく挑んだというところではないですか。昔なら「いやー今日は大声大会ですな」となるところの演目が聴ける形にはなっていたわけで。にしても、やはり直前まで大阪クラシックをやっておられた大フィルさんの練習不足というか体力不足というか気力不足というか・・・。
誰がこういう日程にしたのかねえ。もったいないのう。

まあ、お客様は湧きに湧いていたのでいいのでしょう。
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大阪フィルハーモニー交響楽団 第420回定期演奏会

2008年07月25日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
08.7.25(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 第420回定期演奏会
指揮/アレクサンダーリープライヒ
トランペット/フランシスコフローレス
ソプラノ/天羽明惠
曲目:
ハイドン/交響曲第39番ト短調 Hob.I:39
ハイドン/トランペット協奏曲変ホ長調Hob.VIIe:1
ジョリヴェ/トランペット, 弦楽とピアノのための小協奏曲
マーラー/交響曲第4番ト長調

今季の大フィルさんは「お前誰やねん」的指揮者を紹介するシリーズになっている。ECMか何かに録音とかあるらしいけれど、まあ知らない指揮者。

ハイドン。長身細身のリープライヒが颯爽と登場。疾風怒濤期のカッコいい作品をピリオドアプローチもほんのり視野に入れつつ颯爽と表現して終わる。結構好感触。

ハイドンとジョリヴェのトランペット協奏曲。見た目どおり熱いサウンドを唇から迸らせる青年。27歳やて。笑うね。映像で見るハイフェッツなどもそうだが本当に上手い人ってのはオレでも出来るんじゃないかと思わず侮りたくなるぐらいに、簡単に弾いたり吹いたりするけども、フローレスもそのような人でした。仁義なき戦いの音楽を知っている人ならジョリヴェの曲はさらに楽しく聴けたでしょ。作曲家の師匠がジョリヴェなんすから。

マーラー。監督とは正反対の、抑制され整理された美しい響きを目指すリープライヒとオケのせめぎ合いがあるのか第1楽章は痩せて魅力に乏しかった。尻上がり的に良くなってきたけども、このあたりの融通の利かなさは関フィルならともかく大フィルさんは無くしていかないといけないのでしょう。そう遠くない日の気はしてますが。
このリープライヒのようなタイプの指揮者を首席客演とか正指揮者でお招きになったらよろしいのにねぇ。
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大阪フィルハーモニー交響楽団 第419回定期演奏会

2008年06月13日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
08.6.13(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 第419回定期演奏会
指揮/大植英次
ヴァイオリン/ダニエル・ホープ
曲目:
ヴォーン=ウィリアムズ/タリスの主題による幻想曲
ブリテン/ヴァイオリン協奏曲op.15
ラヴェル/ソング(アンコール)
エルガー/エニグマ変奏曲op.36

英次の英国プログラム。ちょっと渋い内容なので満員とはいかない。協奏曲を名曲よりの選曲とソリストにしておいても良かったか。

タリス。大小2群の弦楽オケのための大変美しい作品。何度聴いても良い。この後藤岡/関西フィルで聴いたものと比べると、感覚的な美しさでは圧倒的に大フィル弦楽陣は素晴らしかった。

ブリテン。性的に一般的ではなかった部分に起因することではないかということらしいのだが、やたらと高音に偏った印象を受けるこの曲の開始部分が大好き。ホープは見た目よりも線が細い音で、ブリテンの乾いた感じのする世界に見事にフィットしていた。本編とアンコールを聴く限りでは作品に即した多彩な音色をかなり自在に操れる器用な人だった。

エニグマ。1楽章の交響曲のように仕上げた小泉/センチュリーや、変奏ごとに別個の作品として切り分けた広上/京響とはまた別の、管弦楽のメカニカルな面を随分と強調した、管弦楽のための協奏曲のようなエニグマだった。ニムロドではバーンスタインとまではいかなくともそれに近いテンポの緩さで、生演奏ならともかく録音では間延びして聞こえたに違いない。面白かったことは面白かったがエルガーの高貴さは無かった。大フィルなら尾高さんだな。
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大阪フィルハーモニー交響楽団 第418回定期演奏会

2008年05月23日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
08.5.23(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 第418回定期演奏会
指揮/ドリアン・ウィルソン
ヴィオラ/アントワン・タメスティ
曲目:
メンデルスゾーン/交響曲第1番ハ短調op.11
バルトーク/ヴィオラ協奏曲
ヒンデミット/ヴィオラ・ソナタop.25-1(アンコール)
バッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番よりサラバンダ(アンコール)
レスピーギ/バレエ組曲「シバの女王ベルキス」

二人とも誰やねんと思う指揮と独奏ですが、ベルキスのおかげで若い子が多い!
うれしおすなあ。

メンデルスゾーン。3番4番に比べるとガクッと演奏されないと思うんですが、こうして聴いてみると5番共々ハズレ感はないですよね。悲劇調の内容が上手く纏められていて・・・ちょっと纏めすぎかなとは思いましたけど。にしても大人しいおじさんですなあ、ウィルソンさん。

バルトーク。すまんタメスティくん。キミはともかく作品がダメだった・・・。全く記憶が無い。アンコールのヒンデミットは良かったので、是非ともCDで聴きたい。

で、レスピーギ。吹奏楽界の名曲として大変愛好されているので、これ目当ての学生諸君の興奮が凄い。マナーの悪さも凄かったが・・・。
指揮のウィルソンは休憩の間に別人と入れ替わったか、前半が偽者だったかというぐらいの熱の入れよう。真ウィルソンの暑苦しい統率のもと、耳が痛くなるぐらいの鳴らしっぷりで疲れました。ホール出るときには何聞いたか忘れるぐらいの作品だけど楽しいよね。最近、飯森範親のCDも手に入れて楽しんでおります。

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大阪フィルハーモニー交響楽団 第417回定期演奏会

2008年04月22日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
08.4.22(火)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 第417回定期演奏会
指揮/大植英次
ヴァイオリン/長原幸太
曲目:
アルベニス/カタルーニャ狂詩曲
ラロ/スペイン交響曲ニ短調op.21
ラフマニノフ/交響的舞曲 op.45

08/09年度定期のスタートやし。満員。幸太ファンってのも多いらしいよね。

アルベニス。聴いた記憶の無い作品なので家を探したらバティスの演奏が出てきた。予習に聴いておくか、と思ったが大フィルがバティスのノリは出さんと分かっているので聴かずに本番。聴かんで正解。初聴きに近いオレですら、足に錘をつけて踊っているような大フィルさんの仕上がりを感じ取ることが出来ました。帰ってから聴いたバティスのなんと魅力的な・・・。それでもこの作品は演奏会の開幕に相応しい祝典的な雰囲気があって、選曲としてはいいんじゃないかなと思いましたですよ。

ラロ。美しい音を乱すことなく熱く熱く弾いてゆくコンマス、ヤンヤヤンヤと盛り立てるオケ。非常な盛り上がりで我を忘れて拍手喝采したけども、どこがスペインだったかは全く不明。とにかく綺麗なだけだった。土俗的なものは何も出ないし、また要求してはいかんのでしょう、年齢も年齢だし。デュメイがやるような、焼けた大地と白い土壁、陽炎に揺らぐ町並みや纏わりつくような濃密な夜の大気とうらぶれた酒場と歌声なんてのはまだ先のお楽しみなんだろうと自分を納得させておいた。

ラフマニノフ。交響曲第4番ぐらいの大作ながら、気合一発で何とかなりそうなこの作品。大好きです。今やシェエラザードよりも好きかも知れない。ミネソタと録れたCDはイマイチだったが、ラフ2のときにも書いたように、無駄口の多いネトネトウネウネした音楽をやらせると天下一品の英次を堪能した。床が抜けそうな重いステップ、演歌を超えてもはや浪花節な歌いまくり叩きまくり吹きまくりの40分。出来ればオールスタンディングで聴きたい一夜でございました。
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大阪フィルハーモニー交響楽団 第416回定期演奏会

2008年03月14日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
08.3.14(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 第416回定期演奏会
指揮/高関 健
ピアノ/ジャニーナ・フィアルコフスカ
曲目:
ショパン/ピアノ協奏曲第2番へ短調 op.21
メンデルスゾーン/無言歌集第6巻より第4番「紡ぎ歌」ハ長調op.67-4(アンコール)
ブルックナー/交響曲第5番変ロ長調

大フィルのブルックナーと聞いて胸ときめかせる人々が何割居るか知りませんが、8割は入っている。朝比奈先生の記憶もまだ残る大フィルで5番をやろうという高関さんの運命やいかに。

当初ルガンスキーの登場がアナウンスされていたが良く知らんカナダ在住の女流になりました。カナダの伊藤恵だと言わせてください。オケに負けないだけしか能がない、陰影に乏しいピアノで眠たかった。だいたいブル5の前にショパンってどういう神経して(略)代役で呼ばれたこの人も可哀相やろ。アンコールがマシだったので悪い人ではないと思いたい。手の故障からカムバックというのが不安度満点やけども。

ブルックナー。よく指揮することを交通整理に例えたりしますが、交通整理そのものの指揮ぶりで定評のある高関さん。センチュリー時代は頭脳派なプログラミングとこじんまりした音楽表現で評価も分かれがちでしたが、ここに来て指揮の精緻さに磨きがかかった。ブルックナーの中でも大規模で複雑な5番のスコアをこれでもかというぐらい透き通った音響体に仕上げて見せた。・・・これは諦めたんだろうね。自分に出せない味を無理に出そうとしない大人の諦観なんだね。後半疲れの出たオケもあって、山を仰ぐような壮大なスケール感はかなり無かったけれども、代わりに横浜のランドマークタワーを傍から見るような人工物の迫力があった。すごい!というよりも、かっこいい!という出来で大興奮。
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大阪フィルハーモニー交響楽団 第415回定期演奏会

2008年02月15日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
08.2.15(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 第415回定期演奏会
指揮/大植英次
ピアノ/小曽根真
曲目:
ラヴェル/道化師の朝の歌
ガーシュウィン/ラプソディ・イン・ブルー
小曽根真/ビエンベニトス・アル・ムンド(アンコール)
ベルリオーズ/幻想交響曲 op.14 

超満員。大植+小曽根だもの。当然なわけであります。

ラヴェル。内容とは無関係な音の重みがいちいち癪に障る、軽妙さのカケラも無い大フィルのフランス音楽であります。円光寺で何年か前に聞いたのと変わっていたのは木管がエロくなったぐらい?フルネかミッチーでないと大フィルのフランス音楽を変えることは出来ないとしみじみ感じた次第です。

ガーシュウィン。こんだけ音楽と戯れられたら少々間延びした内容になろうがどうでもいいですな。モーツァルトの協奏曲のソリストとしてお弾きになられたりもする小曽根さんですから、合わせるべき所は合わせて、自由にやれるところは思う存分やり放題。アンコール共々、ジャズのもつ闊達さをホールいっぱいに撒き散らして帰りました。客席が引き込まれているあの雰囲気は学んで欲しいですなあ。誰ともどことも言いませんが。

ベルリオーズ。元がグロテスクで悪趣味な内容の音楽を、さらにグロテスクかつ悪趣味な表現で押し迫ってきたね英次。どこをとっても何の説得力も無い、思いつきレベルのくすぐり満載で酷かった。最後のテンポの激変なんてのは無理解の極致と申しますか、実は演奏会ではなく競技会だったと申しますか。ただ酷すぎるのもある程度を超えると面白いよね。オレは常に半笑いで楽しんだので文句は言えない。次もこれを聞かせる、と言われたら舞台に駆け上がって張り倒すかも知れんが、一度限りならこういうハチャメチャもありだ。これに付き合うという承諾をしてしまった好事家が定期会員を名乗れると思う今日この頃なのです。



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大阪フィルハーモニー交響楽団 第414回定期演奏会

2008年01月24日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
08.1.24(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 第414回定期演奏会
指揮/尾高忠明 
ヴァイオリン/サラ・チャン
曲目:
シベリウス/ヴァイオリン協奏曲二短調op.47
エルガー(ペインによる完成版)/交響曲第3番

メインがメインだけに7割ちょっとの入りですなあ。一生に一度ぐらいは聴いても損は無いと思うんですけど地味なエルガーの、しかも未完成作品を補筆完成した作品というのでは客は来んのですなあ。悲しい。

シベリウス。情熱溢れて自由奔放なサラでした。歌うところ歌い切っていくのはいいですが、あらゆる部分に気合を入れたらシベリウスとしてはどーよ。下品にならないかな。オケもひきずり回されてメロメロだったし、ちょっと乱暴に終わった感じですな。

エルガー。未完成作品の補筆による完成とはいうものの、マーラーの10番ほどあれやこれやが残されていたわけでもないので、かなりの部分を補筆者ペインに負っている。ワタクシが「おおエルガーっぽい(この、っぽいが曲者ですわな)」と思えたのは終楽章の一部だけだったわけですが皆様はいかがでしたでしょうか。出てるCDは全て買い、事前に十二分に聴いてから生に接してこの有様。尾高さん・大フィルの皆様ご苦労様でしたと一礼して会場を後に致しました。二回目聴くことあるんかしら。
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大阪フィルハーモニー交響楽団60周年記念公演ベートーヴェン交響曲全曲演奏会Ⅳ

2007年12月30日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
07.12.30(日)19:00 フェスティバルホール
大阪フィルハーモニー交響楽団60周年記念公演
ベートーヴェン交響曲全曲演奏会 Ⅳ
指揮/大植英次
ソプラノ/スザンネ・ベルンハート
アルト/スザンネ・シェファー
テノール/シュテファン・ヴィンケ
バリトン/クリストフ・シュテフィンガー
合唱/大阪フィルハーモニー合唱団
曲目:
ベートーヴェン/交響曲第9番ニ短調op.125「合唱付き」

大変な入りと熱気の会場。ここで年も押し迫って第9聴くなんて10年ぶりじゃないかしら。締めに第9ってのも日本人らしくてたまにはいいか、と思っていたのだが・・・・。

冒頭の弦楽器の神妙精妙な響きで「おっ」と思ったところがクライマックスだった。薄っぺらい木管とへろへろの金管(ホルンの一部はまともに音があってた瞬間がないんじゃねえか、なんで始まった時点で疲れ切ってるんだ)、まともなテンポに微妙に異常な表情付けを求める英次のトリプルパンチで記憶が飛んだ。悪い意味であっというまの1時間半。
チクルスのトリがこれだ。
やれやれ終わった終わったと1階ロビーに出たら歓声が聞こえる。オケも捌けつつある中、鳴り止まぬ拍手に応えるべく再び英次が舞台袖に現れたらしい。そこまでの演奏だったとは到底思えない。まあ大植さんのポリシーとして年末の第9は振らない方針だったそうだから有難いといえば有難いことでしょうけども。

個人的には尻切れだった感のあるチクルスでしたが、大変な人気とそれだけのことはある内容を曲によっては見せる良い指揮者ということで今後も長く聴けたらいいですね。楽団は色々手直しなさるべき部分もあるわけですが・・・。
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