月岡芳年が女性のしぐさを「~したい」と描いた美人画
見立多以尽(みたてたいづくし)より
『はやく水をあげさせたい』
国立国会図書館デジタルコレクション
大蘇芳年筆
詞書
若木の花の盛の頃を 千代に八千代と目出たく祝い
手活(ていけ)の芲(はな)を身を引いた
跡へ継木の養い乙女 宵は待より弾(ひき)習わせ
踊る調子の身も軽き 蝶々髷から多(よく)うれて
更紗の紅の葩(はなびら)も およばぬほどの美貌(かおばせ)は
土地の自慢の花走雛妓(はやりっこ)
八重款冬(やまぶき)の色にそえ 欲には誰か華君(よいひと)に
枝をたわめて水揚をしてほしいとは 椿に縁あり
東京南茅場街住 轉々堂主人酔題