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Moon Dogs Blog

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ハンターキラー 潜航せよ

2019-04-17 22:34:00 | 映画


※ネタバレ注意

今日は「ハンターキラー 潜航せよ」を鑑賞。

この作品は小説家ドン・キースとアメリカ海軍潜水艦の元艦長ジョージ・ウォレス原作によるベストセラーを映画化した作品。

監督はドノバン・マーシュ。
製作&主演はジェラルド・バトラー。
出演はゲイリー・オールドマン、コモン、リンダ・カーデリニ他。

"潜水艦映画にハズレ無し"と言われるほど潜水艦映画には良作が多いですが、本作もそこそこ楽しめました。

ストーリーは、ロシアでクーデターが起こりロシア大統領を人質に。
アメリカの海軍と少数による特殊部隊ネイビーシールズの連携作戦でロシア大統領を救出するといった内容。

ここ最近のジェラルド・バトラー作品って大味なものが多く、あまり期待してませんでした。
プロットも突っ込み所が多く、作品自体もまるで90年代の映画を観ているよう。(設定は冷戦時代のようでもある…。)

主人公ジョー・グラス(ジェラルド・バトラー)は潜水艦艦長の経験もなく艦長に任命。
しかし、何故この人が艦長に?(戦争の英雄でもないし、伝説的な人物でもないのに。ジョーの背景も全く見えてこない)

艦長ジョーの判断に反対し衝突する副艦長ビルもベタすぎ。

一方ロシア側の国防大臣ドミトリーのクーデターの狙いも意味不明(なぜ潜水艦を内部から破壊したのか?誰が裏切ったのか?)だし、あの状況で大統領に味方する人が誰一人いないロシアの大統領の威厳の無さってのも…。
おまけにロシアの基地も廃墟みたいな建物だったりととにかく突っ込み所が満載な作品。

潜水艦アーカンソーの限られた空間や景色が見えない中での危機的状況とロシアの潜水艦艦長セルゲイとの友情(!?)など全てがご都合主義の内容の中、なぜそこそこ楽しめたかというと、潜水艦のシーンと合わせてネイビーシールズによる大統領救出作戦が描かれていたことが大きかった。

この潜水艦アーカンソーと地上での大統領救出作戦のシーンが交互に描かれていたおかげで第三次世界大戦を阻止しようとする彼らの緊迫した状況が分かりやすく描かれていて、ベタな内容ながらもエンターテイメント作品としてはよく出来ていたのでは!?(ネイビーシールズがロシア兵たちに追い込まれる様は「ローン・サバイバー」を彷彿とさせます。)

エンドロールでもあるように2017年に亡くなった名優ミカエル・ニクヴィストの遺作になりました。

ドラえもん のび太の月面探査記

2019-04-12 22:31:00 | 映画


※ネタバレ注意

今日は「ドラえもん のび太の月面探査記」を鑑賞。

この作品は、のび太が「月にはうさぎがいる!」と発言したことでクラスのみんなに笑われたのがきっかけとなり、月の裏側にうさぎ王国を作ろうとするアドベンチャー作品。

監督は八鍬新之介。
声の出演は、水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一、広瀬アリス、柳楽優弥、吉田国セ郎他。

39作目の劇場版となる本作。

脚本は直木賞作家の辻村深月。

劇場版ドラえもんは2014年の「STAND BY ME ドラえもん」以来。

親子連れや子供たちに混ざって恥ずかしいと思いながら入場…
しかし、内容は予想外の展開!
良い意味で裏切られました。

本作のテーマは"想像力"と"家族"。
とにかく伏線の回収の仕方が凄すぎて、子供向けの作品じゃない!

劇中、一番のキーとなるのが"異説クラブ・メンバーズ・バッジ"という道具。
これは今まで"異説"とされてきたことを現実的にするバッジ。(但しバッジをつけた人にのみ現実になる。)
この道具を使いのび太は月の裏側にうさぎ王国を作ろうとします。

そこで月の裏側に住むエスパルたちと出会い、彼らを守ろうと立ち上がる訳ですが、この道具の伏線が最後まで重要で、のび太の"想像力"が月の裏側に住むエスパルの人たちやかぐや星人たちを救うという結果に。

劇中で登場するのび太に似たうさぎ"ノビット"がキーパーソン。
このノビットは頭が良く、色々なものを作る発明家。
彼が作るものは何でも通常とは逆のものを作ります。
のび太に似ていますが、のび太とは逆で頭が良く、後ろ向きに走る自動車を作り、異説バッジを拾い新たに定説バッジという道具を作るのです。

この定説バッジは、異説バッジをつけた人にしか現実にならなかったものが定説バッジのおかげで異説のものも現実の世界に行けるという道具。(つまり異説バッジで現れたものはあくまで異説なので現実の世界では存在していない。バッジを付けた人の中でだけ現実となる。あくまで異説は異説なので現実の世界には行けないが、定説バッジのおかげて異説のものも現実の世界へ行けることになる。)
これにより結果エスパルやかぐや星人たちを救うことになる訳です。

面白いのは、エスパルの設定。
エスパルは1000年以上も生き、月の裏側でひっそりと暮らしてきた種族。
かぐや星人たちにとってもエスパルの存在は1000年前から語られている伝説上の人物であり、もはや"異説"の存在。
テーマとなる想像(異説)だった者が実在していた訳ですが、あくまでかぐや星人たちにとっては異説だったということ。(ラストでゴダードがエスパルの存在をかぐや星人たちに教えようとするが、ルナたちは異説のままにしておくことを望む。)

そしてもう1つ重要な"想像力"。
劇中、ドラえもんとヴィランのディアボロとのセリフで~
ディアボロ「想像力は破壊だ!」
ドラえもん「違う!想像力は未来だ!思いやりだ!人間がそれを諦めた時に破壊が生まれるんだ!」
というセリフが登場します。

人間は想像力を使って未来を切り開きながら長い歴史を作ってきました。
このセリフに強いメッセージ性を感じますが、もはやこのセリフにあるように子供向け作品ではなくなってる…。(ディアボロの言うセリフも間違いではない。人間は想像力で偶像を作り、それを理由に破壊を繰り返してきた歴史も持つ。つまり宗教。)

そしてこのドラえもんが言う"思いやり"はルナたち両親の子供への愛情やのび太がルナたちを助ける理由として言った友情についてのセリフに繋がっているのにも注目。

個人的に印象的だったのが、中盤でののび太たちが月に行くことを決心するシーン。
構図がめちゃくちゃ良く、各キャラクターの葛藤がよくわかる描写となっていて、非常に印象深いシーン。
後で調べてみると本作のャXターが話題となっているらしく、"ムーン・ヴィジュアル・ャXター"ということでSNSでも取り上げられていました。

ラストでルナを含むエスパルは普通の人と同じように歳を取り、死んでいく人生を望みます。
死があるからこそ命は尊く、限りある時間の中で生きていくからこそ人生が素晴らしいものだと悟るのです。
このラストが切なく、涙…(ToT)

ってか、これって手塚治虫先生の「火の鳥"復活編"」と全く同じテーマ!

子供向けの作品故に分かりやすく描かれているものの、非常に難しいテーマを取り上げていたのは脚本を担当した辻村深月さんの影響が大きいと思います。
小説版も気になるところ。

月が舞台なので全体的にSF要素が強いですが、オープニング曲が流れるシーンで月の形をしたドラえもんに宇宙船が当たる描写が!
これ、世界初のSF作品と言われているジョルジュ・メリエスの1902年の作品「月世界旅行」という作品へのオマージュ。(こんなところに感動)

ドラえもんってこんなに考えさせられる作品だったんだ…
改めて感動。

ちなみに藤子・F・不二雄先生によるとSFは"サイエンス・フィクション"ではなく、"少し不思議"なんだとか。

う~ん、素敵な言葉♪

ダンボ

2019-04-05 22:28:00 | 映画


※ネタバレ注意

今日は「ダンボ」を鑑賞。

この作品はディズニーの長編アニメーションとしては4作目となる名作を実写映画化した作品。

監督&製作総指揮はティム・バートン。
出演はコリン・ファレル、マイケル・キートン、ダニー・デビート、エヴァ・グリーン、アラン・アーキン他。

1939年に発行されたヘレン・アバーソン&ハロルド・パール夫婦による8コマ漫画をウォルト・ディズニーが惚れ込み、アニメーションとして映画化。

今回の実写版はオリジナルのストーリーを彷彿とさせながらも随所に魅せるオリジナルのストーリーが特徴。

個人的な感想としてはティム・バートン色は多少見られるものの、ディズニーだからなのか完全にティム・バートン色がスャCルされてる印象。

本作最大の欠点が人間視点だったってこと。

アニメ版「ダンボ」はそのほとんどが動物視点で描かれているのに対し、実写版「ダンボ」ではサーカス団のスターだったホルト・ファリア一家を中心に人間視点で描かれています。
このことがアニメ版の良さを完全に無くしてしまっていたように思いました。

母親ジャンボと離されたダンボと妻(母親)を失ったファリア一家は同じ立場故にダンボに協力するというプロットは強引ながらも分かりやすく描かれていて、元々1時間くらいしかない内容だったアニメ版を2時間程にするには仕方ない追加プロットなのかなぁとも。

アニメ版「ダンボ」は人種差別的な表現もかなりあり、黒人がサーカス団のテントを立てる描写をはじめ、ジャンボとダンボはサーカス団の一員として残るラストなど今の時代に合わない表現が多いため今回の実写化ではマックス・メディチが「我々のサーカス団は動物を檻に入れない~」というくだりの他にアフリカへジャンボとダンボを帰すラストに変更。

もちろんこの描写は"自由"や"解放"を意味している訳ですが、冒頭から終盤までずっと人間たちのエゴにより振り回されるダンボにとってこのラストは強引すぎたか!?(それまでの伏線が物足りない)

アニメ版で子供たちにトラウマを植え付けたあの"ピンクの像"の描写も再現!(ただし、ダンボが酔っぱらって見た"ピンクの像"とは違い、シャボン玉で作った"ピンクの像"に変更)

今後ディズニー作品が続々と実写化されていく中、「アラジン」や「ライオンキング」がどのようになるか…。

バンブルビー

2019-03-29 22:56:00 | 映画


※ネタバレ注意

今日は「バンブルビー」を鑑賞。

この作品はバンブルビーと地球人のファースト・コンタクトを描いたシリーズ初のスピンオフ作品。

監督はトラヴィス・ナイト。
製作はマイケル・ベイ、
出演はへイリー・スタインフェルド、ジョン・シナ、ジョン・オーティス他。

第1作目から続編が作られるごとに毎回設定が変わりまくっていて、もう辻褄が合わなくなってしまっているこのシリーズ。
本作は前日彈的な感じになってはいるものの、前日彈でありながらリ・イマジネーション的な作品となりました。

主演はへイリー・スタインフェルド。
14歳でデビューした「トゥルー・グリッド」でいきなりアカデミー賞助演女優賞にノミネートされ話題となった彼女。
予告観るまで別人物かと思ったほど雰囲気も変わり大人になりました。

まず観て思ったのが、基本プロットはほぼ「E.T.」。
地球外生命体のバンブルビーを通して少女の成長を描いた点は「E.T.」と共通で、そこに80年代へのオマージュをたくさん盛り込んだ点がこれまでの「トランスフォーマー」シリーズと違います。(ロボットと人間の友情は「アイアンジャイアント」的とも言える。)

これまでのマイケル・ベイ監督によるこのシリーズはとにかく"爆破""破壊"だらけ。
今回メガホンを取ったトラヴィス・ナイトもインタビューで「マイケル・ベイと同じような映画を頑張って作っても到底かなわない。」と発言しているように、「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」で得た経験を本作に盛り込み、十代の少女がバンブルビーと出会い大人として成長していく姿を見事に描いていました。

舞台は80年代ということもあり、随所に散りばめられた80'sテイストが素晴らしい。
特に本作の重要なャCントとなるのがザ・スミスやデュラン・デュラン、ティアーズ・フォー・フィアーズといった懐かしい楽曲の数々。
特にラストで流れるザ・スミスの"Girlfriend In A Coma"のフレーズに涙腺崩壊…(ToT)

バンブルビーや主人公のチャーリーの心情を上手く80年代の音楽に乗せた演出は感動でした。(歌詞の意味も含めて。)

そしてもう1つ重要だったのがバンブルビーがテレビで興味深く観ていた「ブレックファスト・クラブ」。
またまた登場したこの作品ですが、10代の若者たちの持つ苦悩や葛藤を描いたこの作品は本作のチャーリーへそのまま反映。(バンブルビーのラストのメ[ズも良かった。)

10代の若者にとって憧れの車を手に入れるということは、ある意味"大人"になることの象徴の一つ。
父親が残した形見の車を修理しながら未だに父親の死が受け入れられないチャーリー。(車を何度直そうとしても上手く直らない=父親の死を受け入れられていないという描写)
劇中でチャーリーが父親の車への想いをバンブルビーに語るシーンがありますが、彼女がバンブルビーと出会い、バンブルビーを通して様々な経験をすることでようやく父親の死を受け入れます。(家族との溝により孤独だと感じていたチャーリー自身も家族と向き合えるように。)

そのチャーリーが自らの意思で歩もうと決意する姿がラスト・シーンの描写。
そこには父親の車を一人で運転するチャーリーの姿が。(車が直った=死を受け入れた 一人で運転=自分の意思で前に進もうとしている。)
※ミラーに写るチャーリーの姿が映し出される中、ミラーに文字が書いてあるが何て書いてたか確認出来ず…(一瞬だったので。)
セル版でチェックしなければ!

個人的にはシリーズ最高だと思った本作。
80'sへのオマージュを感じながらも青春SF作品に仕上がっていました。
ただ、ラストの1作目に繋がる描写は余分かな…(^^;