ああ、もう本当どん底ってのはこう言うことだ。仕事も車もバイクも部屋も無くして、涙は枯れはて、手足の爪は剥がれ落ちた。ここまで来たらね、後はよじ登るしかないでしょう?暗闇から引っ掛ける爪もないけど。愛されるなんて願いは持ったらいけないけど。人間いつかは死ぬんだ。それは決して逃れられない。一回生まれて、一回死ぬ。遅いか早いか。だったら今死ななくてもいーじゃん。後は死ぬ気で頑張るしかない。指先は血が滲んでまだ力も入らないけど。愛されなくても対等でいたい。バリバリ働くたけに追い付きたい。追い付きたい。追い付きたい。うちらが仲良くなったのは過去に同じ車を乗っていたことが始まりだった。じゃあ今度はあたしがあなたと同じ車を買わなきゃ。愛しい人。最後の想い。届かない。だからせめて対等でありたい。会社ではヘラヘラしているので、なんで、結婚しないの?と聞かれる。なんで、ですかねえとヘラヘラしながら心の中で叫ぶ。それはあたしの好きな人があたしを好きじゃないからです。あたしを好きな人が居ないからです。だからせめて対等でありたい。のです。